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ガサッ…
ゴソッ…
誰かが僕に近づいてくる。
男の人
男の人
男の人
やだ。
また捨てられるんだ。
大きくなったら。
怖い。
シャッ…
男の人
男の人
男の人
行ってくれた…
初めて爪で引っかいちゃった。
今まではご主人様が
引っかいたら、ダメって言ってた。
でも、たくましく生きないと。
その後、僕はいろんな人に拾われようとされた。
僕はその度ご主人様との約束を破って
人を引っかいた。
何日がたっただろうか。
今までは誰かがご飯を置いてくれた。
最近は、誰にでも引っかくからだろうか。
ご飯がない。
そろそろ限界だ。
また、人が近づいてきた。
だれ…なの?
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
その人は、この秋にとってもぴったりだった。
見れば見るほど見とれてしまう目。
肩の少し下まである緩やかな髪。
もみじの色の透き通った着物。
僕から見たらとても大きくて怖いけど
優しい手。
僕はこの人なら一緒に生きられる。
そう思った。
しかし、疑問がふと頭をよぎった。
なぜ、着物?
周りの風景もガラッと変わっていた。
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
その人は僕を優しく抱き上げて
どこかへ連れていった。
子猫
茶色い和風の家に来た。
間取りがしっかりしていて
全て木で出来ていた。
ひっそりとした家の中には、
饅頭や、栗、抹茶が置かれていた。
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
その人は、僕の鼻に自分の鼻を
くっつけた。
二ノ瀬 拓真 ─ニノセ タクマ─
子猫
僕も思わず、鼻をくっつけた。
僕から見た、ご主人様は、
ギラギラと光っていた鋭いものを持って
僕から去っていった。
そういえば、戦争…?
戦争って昔の事じゃないの?
僕は、無事にご主人様が
帰ってくることをひそかに願った。
♥50で続き。