こったろ
あの後、くにおちゃんと一緒に家に帰った
みんなもびしょ濡れだったから俺の事を探してくれてたんだとわかった
帰ってきた後は、誰ともしゃべらずに部屋にきてしまった
みんなに、謝らないといけないのに
ザァァァァッ……ゴロゴロッ
雨は、さっきよりも強くなっている
ゴロゴロッ!
雷が轟くたびに耳を塞ぐ
そんな時
─キィッ
ドアがきしみながらゆっくりと開いた
こったろ
目をこらして見ると
見えてきたのは─
ゆうくんだった
こったんがくにおと一緒に帰ってきた後
こったんは、何も言わないまま自分の部屋に行ってしまった
自分もみんなも気まずくて何も言えなかった
明日、もう一回話し合おうってなったんだけど…
やっぱりこったんが、心配で部屋に行くことにした
こったんは、雷が苦手だって聞いたことがある
だから、なおさら心配になった
そして、こったんの部屋のドアをゆっくりと開けた
如月ゆう
ゆうくんは、いつもより小さい声でそうささやいた
うれしくてほっとした時
バリバリッ!ドーン!
こったろ
ひときわ大きな雷が、轟いて耳を塞いだ
如月ゆう
背中に暖かい手が置かれた
如月ゆう
その言葉を聞くと不安が一瞬でほぐれた
こったろ
こったろ
自然とそんなお願いをしてしまった
如月ゆう
でも、ゆうくんは優しく笑ってそう言ってくれた
僕は、こったんと一緒に布団に潜り込んだ
普段は、甘えないこったんが一緒に寝て欲しいと言ってくれたことが少し嬉しかった
でも、その後は沈黙が続いた
こったんは、さっきの話を聞いてどう思ったんだろう…?
あの時のこったんの様子から何か隠してることがありそうだったけど
それは、今聞いてもいいのか
こんな状況の時に聞くのは、良くないとも思う
でも、聞くなら今しかないかもしれない
意を決して聞いてみることにした
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