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これはきっと夢だ。 悪夢だ。

目が覚めたら隣には冴の顔があるんでしょ?

大好きな、大好きな冴が

ちゃんといるんでしょ、?

ねぇ、そうでしょ、?

私はあふれる涙を必死にこらえて そんな都合のいいことを考え続けた。

…人違いでした、ッ、

すみませんッ

はッ、?

それだけ言って私は彼の元を 走って去った。

勢いよく屋上のドアを開け、 人がいないことを確認した私は 今までこらえていた涙を流した。

冴を見るだけで胸のあたりが苦しくなって あの場にいることが耐えられなかった。

知ってるよ、 これは悪夢なんかじゃない、 現実なんだ。

あのとき確かに冴も私も死んだ そうだ、死んだんだ、

あの冴は私の好きな冴じゃない

…、

…冴がいないなら、

冴がいない世界なら、

もう、生きている理由が見つからないよ、

死んだらどうなるのかな

痛いのかな なにも感じないのかな

一度死んでこっちに来たなら、 もう一度死んだら元に戻れるのかな

そして私は4階の屋上から飛び降りた。

薔薇と君の匂いに包まれて

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