はっと見上げると、
そこに居たのは息を切らして汗びっしょりの私の彼氏。
私を庇うようにして目の前に立ってくれていた。
私
西谷夕
驚いて尻もちをついてしまった私を見下ろして、余裕なさそうに笑う。
(ほんとに爆速で来てくれてるじゃん…!!!)
モブ
西谷夕
夕の目付きがギラッと悪くなる。
私
私は反射的に男に向かって叫んでしまい、はっと口をつぐむ。
でもだって…
夕の地雷踏んだら……………………
西谷夕
モブ
西谷夕
ローリング・サンダァァァ!!!
レシーブする時のように腕をすくい上げ、スイング。
男たちは腹パンと同時に吹っ飛ばされたかと思うと、近くの空いていたゴミ箱におしりがすっぽりとハマった。
西谷夕
身を挺して守ってくれるセリフに、胸がキュンとなる。
…
じゃなくて!
こんなの学校の先生に見られたら…
私
西谷夕
私
夕の手を取り、人気のない通りに向かって一目散に駆け出した。
路地裏に入り、周りを見て安全かどうか確認してから足を止めた。
私
西谷夕
腰を低くし、なぜかレシーブの姿勢で構える夕。
いくら相手が悪いとはいえ、腹パンして吹っ飛ばしたことの自覚がないのだろうか。
私
たしかに、焦ってその場から逃げ出してしまったことが正解か分からないけれど。
そう言うと、夕の目が点になりポカンとすること3秒。
西谷夕
私
西谷夕
夕は考えるように1度上を見上げて、それから二カッと笑った。
西谷夕
真っ直ぐで素直な瞳。
見つめられた私は、
(ああ、私は夕のこういうところを好きになったんだよなあ)
と、彼への''好き''が増してしまった。
私
私
喜びそうなことを言って褒めつつ心配な気持ちを伝えると。
西谷夕
西谷夕
私
夕には到底敵わないみたい。 まいりました。
私
ぎゅっと夕の左手を握る。
西谷夕
私
握り返された手を、もう一度きゅっと握って、 駅の方へと歩き出した。
fin.
おもちからひとこと
おもち
おもち
次回更新もよろしくお願いします🥰
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