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ザァァァ…
ザァァァ…
ザァァァ…
君が、「どうしても」っていうから 来たけれど
全然泳がないじゃないし、 砂浜へも行かない
さっきから堤防から海を眺めるだけ
この質問をしたのは何度目だろう
君はさっきから 海の方を向いてボーッとしている
こんな調子でさっきから そっけない返事ばかり
君から話しかけてくれたのを ちょっと嬉しく思った
そして、君の指さした方向に 目を向ける
鳥を指さしながら 君はそう言った
普段の僕なら 「何を馬鹿な事を言っているんだ」 なんて思うだろうな
でも、なんだか今日は違った
君は一瞬こちらを向いたが すぐに鳥の方を見上げた
そして「ふふっ」と柔らかく笑った
君の笑顔に 僕の顔は赤く火照る
次の瞬間
フワッと羽ばたいた
とても綺麗で美しい 鳥のような何か
そして、海の方を見下げると
何かが輝いているのが見えた
それは
君の笑顔だった