1時間目が終了し、10分休憩に入った時 だった。後ろの席から声がした。
「ねぇ、ほんとに野々村ってさ、うざいし、きもい、ほんとに性格終わってるよね〜」
花香の声だった。
また、始まってしまったんだ。 私の暗い学校生活が。
これは、初めてではない。昔にも同じようなことを何回かされたことがある。 何もしてないのに、無視されたとか、睨まれたとか、ありもしない話を広められ、私にも聞けえるような声で悪口を言ってくる。
まだ話し声が聞こえる。 聞こえないように耳を塞いだ。
帰宅後、私は泣けない苦しさと たたかっていた。 スマホを開けば花香から送られてくる メッセージ。
《もうあんたのことなんか友達だと思ってないから。信用も信頼も何もないから。もう関わらないで。》
送られてきた文章を見れる範囲で読む。
私は怖くて、返信どころか、既読すら 付けられなかった。
いつまで続くのだろうか、 こんな生活はいつ終わるのだろうか。 朝が来ると憂鬱な気分になり、朝食も 上手く喉を通らない。 無理に食べると吐き気がする。 学校に行くと聞こえてくる私への悪口、ありもしない話、 家に帰れば、また花香からメッセージが送られてくるのではないかという不安。 夜はまともに寝れなかった。 そんな日が毎日続いた。
「もう、学校に行きたくない。」
突然そう思った。
そう思ったのは、初めてだった。
その次の日から私は、 頭痛がすると言って、何回か保健室を訪れ、早退を繰り返していた。
お母さんから何度も心配された。 でも、話せなかった。怖かったから。
流石にやばいと感じ始めた私は、せめて1日、今日だけは頑張ろうと思い、学校へ行った。
学校に行くと、また聞こえてくる 恐怖の話し声。
「あぁ〜あ、今日もあいつ早退してくんないかな〜」
「もう居るだけで気持ち悪い〜」
「死ねばいいのに。」
心臓に何かが刺さった感覚だった。 今までにない感覚が押し寄せてきた。
私はそれからずっと、 その言葉が頭から離れなかった。
学校が終わり、気がつけば、海の方へと足を進ませていた。
「死にたい」
「学校に行きたくない」
「生きているのが苦しい」...
これ以上生きている意味ってあるのだろうか。死ねば、楽になれるのかな。
考えているうちに私は少しずつ全てを終わらせてしまうように足を進ませていく。
そして、
海に飛び込んだ。
冷たい水に吸い込まれているような 感覚。そんな冷たい水もだんだん温かく感じてきた。
「もうこれで全てが終わるんだ。」
そう感じた。
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