イロアス
薆 .
イロアス
彼が渡り切ると
甲高い音がして
線路の棒が降りてきた
私は ,
渡っている途中だったが
抵抗もせず
立ち止まり
私が線路に 立っている事など
気づいていない彼を
呼んだ .
薆 .
イロアス
彼が振り向いた時の
蒼白くなっていく顔を
私はきっとこの先も
脳裏に刻んでいる事だろう .
イロアス
電車がもう来る
160 もない私の事を
運転手は 気づいていないようだ
踏切の音で
遮られないよう
叫ぶように言った .
薆 .
イロアス
イロアス
薆 .
薆 .
薆 .
薆 .
イロアス
イロアス
電車のライトで
視界が真っ白になった
電車に轢かれたら
部位がバラバラに
なったりするらしいけど
どうなんだろう .
無意味な事を考えながら
衝撃を受け止めた .
でも感じたのは ,
衝撃じゃなくて
地面を転がる痛み .
イロアス
イロアス
ローレンは私同様
地面に転がっていて
嬉しそうに笑った .
彼は私より先に
起き上がると ,
手を貸してくれた .
イロアス
薆 .
手を借り立ち上がると
彼は
顔を微笑みを続けながら
私に問いた .
イロアス
杞憂 .
薆 .
薆 .
イロアス
薆 .
薆 .
イロアス
イロアス
薆 .
イロアス
多くは語らず
彼は私の言葉を遮り
先を歩いた .
私も深く追及せず
背中を追った .
イロアス
ローレンは誰もいない 空間に向かって
言葉を放った .
あ ~ ね .
お出迎えか .
( ビュン )
刃物が飛んでくる
普通に避け
刃物を床から抜き見た
薆 .
薆 .
私は自分のナイフ掛けに
そっとしまい
飛んできた方向とは
逆方向を見た
薆 .
イロアス
薆 .
私は壁を蹴り
上に駆け上がって
シャンデリアを 一つ切って落とした
イロアス
薆 .
薆 .
床に着地し ,
そう叫ぶと
私は携帯を取り出し
ボタンを押した .