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夏の終わり、空は眩しいくらいに青くて、どこまでも続いていた
バレー部が使う体育館には、 もう誰の声も響かない
最後の大会
あと一点 あと一歩
その"あと"が届かなかった
想來
西野想來は、 空っぽのコートを見つめて呟いた
その横顔は笑っていたけど、目元は少し赤くて、風が吹くたびに肩が震えた
及川徹は、その声に返事をしなかった
想來の隣に立っているのに、 距離だけが妙に遠く感じる
及川徹
想來
及川徹
ふいに徹が言った
視線はコートの後ろ、あの日日向翔陽の スパイクを落とした場所
及川徹
及川徹
想來
想來は何も言わなかった
代わりに鞄から一枚の写真を取り出す
想來
想來
写真には、汗だくで笑うバレー部の仲間と、その中央で肩を組む徹
横にいる想來は少し 照れくさそうに笑っている
想來
想來
想來
想來
目をそらすことなくまっすぐに言った
風が止まり、 蝉の声がやけにうるさく聞こえた
及川徹
徹がようやく顔を上げた
及川徹
及川徹
及川徹
及川徹
想來
及川徹
想來
想來
沈黙の中、想來がそっと差し出した手
ためらいながらも、徹はその手を握った
あたたかくて、震えていて、確かで
及川徹
想來
及川徹
及川徹
及川徹
徹は笑った
照れくさそうに、 でも心の底から嬉しそうに
及川徹
及川徹
コートにはもうネットもない
ボールも転がってない
でも、二人は並んで立っていた
夕焼けが差し込む中、 想來の髪が風に揺れる
まっすぐに続くその空の下
彼らの青春は、まだ終わっていなかった
今回めっちゃ短くてすみません🙏 その後みたいなのも出す予定です
ハートとかコメントとかしてくれると嬉しいです