妄想女
妄想女
お兄さんはずるい
○○
ミンミンとうるさい程に鳴く蝉
蒸し蒸しとした暑い日
そんな日でも私は外へと出歩く
中学2年生の13歳
学校に友達と呼べる人なんて居ない
だから放課後遊ぶとか、そういうことも無い
家に帰ったって気分が悪くなるだけ
私の母は男遊びが激しい
そのせいでお父さんも出ていった
父が出ていった後はもっと酷くなった
毎日家に帰れば男の人がいる
最初はあまり気にしてなかった
でも段々と嫌になってきた
今でも新鮮に記憶の中に残ってる
母親の甘ったるい声
部屋に響き渡る卑猥な音
全部気持ち悪い
だから私は毎日男が帰るまで公園で暇を潰してる
○○
そして今日もいつものように公園へやってきた
○○
でも今日は先客がいた
座ってても身長が高いひょろ長い男
髪は黒と金髪
顔には少し傷がついてる
見るからに不良
○○
私は諦めて他の公園を探そうとして男の目の前を通った
○○
でも何となくその男が気になって立ち止まった
半間
寝てるのだろうか
スースー寝息を立てている
近くでよく見てみると綺麗な顔立ちをしていた
綺麗な顔なの傷つくっちゃってるし
○○
私はそう一言言って立ち去ろうとした
でもそれは何者かによって阻止された
半間
○○
うわ、
起きちゃったじゃん、
半間
しかも面倒くさそうな奴
○○
私は面倒事が嫌い
そしてこの人絶対面倒くさそう
そう判断した私は早く立ち去ろうとした
でも
○○
この男が手を離してくれない
半間
あぁ、最悪
こんな事になるならさっさと帰ればよかった
○○
半間
半間
何がまぁ、座れよだよ
もぉぉぉ!ほんと最悪
でも不良は怖いから大人しく座ろう
○○
半間
半間
名前なんて聞いてもないのに自分の名前をペラペラ喋って今度は私の名前を聞いてきた
○○
まぁ、特に名前を知られても害はなさそうだから素直に答えた
半間
半間
○○
しまった
ちゃん呼びは流石にキツかったからつい声に出てしまった
半間
○○
でも半間と言う男は怒るどころか笑っていた
○○
半間
○○
○○
まぁ偏見だけどさ
半間
半間
すると半間さん?はまた吹き出した
○○
半間
うん、ほらね
半間
半間さんはそう言って立ち上がった
○○
もう会う事も無さそうだけど一応そう言っといた
半間
○○
そう言って半間さんはどこかへ行ってしまった
○○
今日も暑い中公園へやってくる
いつもと変わらない
○○
そう思ったのは一瞬
半間
何故かまたこの男がいた
○○
半間
ふっざけんなよ
暇つぶしに来んなよ...私もだけど
○○
半間
この人は本当に...っ
○○
○○
半間
あんまり納得はしてなさそう
絶対名前呼びはしないからな
半間
半間くんはそうニヤニヤしながら言った
私は人が嫌い
醜くて信用ならない
だからずっと最低限人と関わらないように生きてきた
そんな私だったらさっさとここを去るのに
○○
なんだか半間くんとは話したくなった
半間
しばらくして半間くんはそう聞いてきた
○○
半間
...変な笑い方
○○
友達とか家族とかくだらない
どうせ友達なんて赤の他人
家族だって血が繋がってるってだけ
自分以外信用ならない
だから1人でいい
半間
半間
でも半間くんは...
なんだかずっと一緒にいたくなる
○○
半間くんと出会って数ヶ月
最初は面倒臭い人、そう思ってたけど
今は一緒にいて楽しい人
今日もいつものように公園へ行こうかと思った
だけど
モブ
母が連れてきた男に捕まった
○○
母が少し仕事で呼び出されて家を出た瞬間押し倒された
モブ
モブ
イイこと、?何言ってんだよこいつ
私にメリットなんか一つも無いだろ
モブ
○○ちゃん
半間くんに呼ばれた時はこんなに気持ち悪い気持ちにならなかった
モブ
あぁ、嫌だ
これだから男も人も大嫌い
ヤる事しか頭にない馬鹿な猿
触られた所がゾワゾワして気持ち悪い
あー
○○
ゴンッ!
モブ
こんな気持ち悪い奴に好き勝手されてたまるか
○○
私はそう吐き捨てて家から飛び出した
私は無我夢中で走った
○○
気持ち悪い
あの男に触られた所が気持ち悪い
嫌だ、汚れる
助けて
誰か
○○
私は何故か半間くんの名前を呼んだ
半間
あぁ、ほら
半間くんはなら気持ち悪くない
○○
半間
何故か目から涙が溢れた
○○
半間
半間くんは泣き喚く私をぎゅっと抱き寄せて背中を摩ってくれた
○○
妄想女
妄想女
妄想女
コメント
2件
いや、おもしろすぎです!!