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男性
そう言って君は
優しげな笑みを浮かべる。
女性
男性
男性
いつもベッドの上で座り
私を出迎えてくれる。
女性
女性
3本の電車に乗らないと来れないけれど
毎日のようにココに通う。
男性
男性
優しい声
決して彼に私の姿が見えることはないけれど
私は、満面の笑みで
女性
ベッドの隣にある椅子に腰掛けて
ただ黙って、時の流れを待つ。
彼といるときは
驚くほど早く時間が進む。
男性
女性
男性
いつもニコニコ笑う君が
今日は似合わない悲しい表情。
女性
男性
また、【優しそうな】笑顔。
女性
優しそうでおっとりとした目の先は
何かを決意したような、強気の表情。
笑っているようで、笑っていない。
深い深い闇に沈む、淡い光のように
切なく、虚しい表情をしていた。
男性
女性
男性
もう機能しないと思われるその目から
大粒の涙が零れた。
男性
女性
女性
彼は今
何を思っているのだろうか。
明日の朝も
また、笑い合えるのだろうか。
友人
女性
友人
友人
友人
女性
女性
友人
友人
女性
友人
友人
友人
女性
女性
友人
女性
友人
友人
女性
友人
友人
友人
女性
友人
友人
女性
友人
友人
女性
女性
友人
女性
心臓が高鳴る。
彼が──初めての手術だなんて。
そんなの、なんで私に言ってくれなかったの?
あの時の悲しそうな顔は、見間違いじゃなかったのね、
医師
医師
女性
白衣を着た──医者が
前を塞いで、私を通さない。
医師
女性
医師
女性
急がなければ彼とはもう会えないかもしれない。
何故か医師は、
涙を流していた。
※ 手術室です
ピー────…
女性
そこに横たわる彼には
生きている生気が感じられなかった。
女性
男性
もし私がもう少し早く来れていたら?
もし今日あの表情にもっと早く気付いていたら?
もし、もっと早く───
この想いを伝えられていたら。
そしたら今頃 彼と私は
どこで何をしていただろうか。
女性
もう、口も目も開かれない彼の顔に
そっと触れる。
女性
彼は死ぬ直前
何を思っていたのだろうか。
コメント
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感動しました( ´ •̥ ̫ •̥ ` )