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皆さん、令和元年、 いかがお過ごしでしょうか? 私が真面目に話すのは、気持ち悪いですね。 この物語は平成最後に描き始めた物語です。 では、どうぞ!

俺(裕也)

あーあ、平成最後の日かぁ

俺(裕也)

母さんは令和とともに息絶えようとしてるのに……

母さん

裕也ー

俺(裕也)

おっ、母さんだ

俺(裕也)

はーい

母さん

令和最初の日、楽しみねー

俺(裕也)

ははっ、そうだね

母さんはまだ知らないんだ、症状が全くでないけどかなりやばいらしい病気にかかってることに。 ほぼほぼ安楽死と同じようなものだ。

俺(裕也)

はぁー…

本当は分かってる。 母さんにホントのことを言わなきゃいけないって。 でも、母さんの悲しい顔はもう見たくない。 平成最後の雨はどんどん激しくなるばかり。 母さんの生きてる最後の日かもしれないのに……せめて晴れを見せてあげたかったなぁ……。 もう、手遅れだけど。

事の発端は、俺が病院に連れていったこと。 母さんも結構おばあちゃんになってきたから検査してもらった。 結果は最高!とくに異常なし! …だったのに。

母さん

はぁーさっすが私ねー

俺(裕也)

あー良かった良かった

母さん

むしろ病院行ったせいで誰かの病気うつったかもー

俺(裕也)

余裕かまし過ぎだよ

俺(裕也)

母さん心は若いなぁ

母さん

ふふっ、そうね(ん?「心」は?)

この時の俺はこれから始まる悲劇を知らなかったんだ。 1週間後

母さん

こほん、コホン

俺(裕也)

母さん最近咳多いなー

俺(裕也)

もっかい病院行く?

母さん

うーん……そうね。
私ももう若くはないんだから頻繁に検査にいった方がいいものね。

俺(裕也)

うん、今度はちゃんとマスクつけてこ

俺(裕也)

(でも、さすがに週一くらいで行くのは多すぎるよな……)

俺(裕也)

(まあ、いつ病気になるかわからないし、平気だろ)

俺(裕也)

かあさん、明日は俺、仕事があるから今日検査行こう?

母さん

そう?分かったわ。

俺(裕也)

もう今行ける?

俺(裕也)

なるべく早く行ってご飯作んないと

母さん

そうね。
一応は行けるから今行っちゃいましょ

それから病院について、母さんの名前が呼ばれた

医者

26番、湍(はやせ)さーん

俺(裕也)

はーい

俺(裕也)

ほら、母さん行くよ

母さん

はいはい

母さんはさすがに歳だから、少しだけ、耳が悪かった。 さすがに、 聞こえてたと思うけど。

医者

えーっと、症状は?

母さん

あ、頻繁に咳が出て、

母さん

たまに頭痛がするんです。

俺(裕也)

(えっ、それは初耳や)

医者

なるほど、症状は風邪っぽいんですが、

医者

熱は?

母さん

ないです。

医者

そうですか、この時期ですし、風邪か花粉症だと思うんですけど

医者

ちなみにその症状はいつから?

俺(裕也)

あ、この前病院に検査に来た時からです。

医者

そうですか。
その日の患者を調べて見ますね。

医者

別の患者さんの病気が写った可能性もあるので、

俺(裕也)

はい、お願いします。

俺(裕也)

(その日の患者をしっかり記録してるんだ。すごぴよー)

医者

(凄いでしょ)

俺(裕也)

(テレパシーは別の物語のだからやめとけ)

医者

あ、似た症状の方がいますね。

医者

ただ……

俺(裕也)

ただ?

母さん

どうかしたんですか?

医者

いや…その人の病気が不治の病で……かかったのはその人が最初なんです。

俺(裕也)

え……?

母さん

(( ・∇・)What?しらす(。∀゜))

俺(裕也)

え、つまり母はもう……

医者

いえ、これは可能性としては考えられますが、まだ精密な検査をしていないので

医者

まだ決まった訳では無いかと

俺(裕也)

じゃ、じゃあ!今すぐ検査を!

医者

お、落ち着いてください、分かりました。この病院で行えるだけの検査を致します。

母さん

お願いします。

結果は…

医者

……大変申し上げにくいのですが……

俺(裕也)

……やっぱりそうですか

母さん

(………)

医者

…はい。

医者

ですが、臓器移植などの治療をすれば治らない可能性は--------------------

俺は母さんを自宅で治療することを望んだ。 母さんもそう従っていたように思ったから。

俺(裕也)

ただいまー

母さん

誰も留守番なんてしてないけどね

俺(裕也)

母さん、俺明日、詳しい説明聞きに行くから

母さん

私は行かなくていいの?

俺(裕也)

うん。

俺(裕也)

聞いたらマイナスな気持ちになって残りの人生楽しめないでしょ

母さん

そうね。
でも、きっと治るわよ。

母さん

もしかしたら、検査結果間違ってたから本当はただの風邪ですとかかもしれないし……

俺(裕也)

うん…

その日、 家は酷く静かだった。 そのまま次の日になった。

俺(裕也)

じゃあ行ってくるよ

母さん

もう行くの?
起きたばかりじゃない

俺(裕也)

ほら、お昼とか食べてたら混んじゃうじゃん?それに起きたばかりってもう11時だし?

母さん

あら、そう?
じゃ、行ってらっしゃい

病院にて

医者

さて、今日は今後どうするかです。

俺(裕也)

…と言いますと?

医者

つまり、お母様にはこの病気が治るものだと言うか、真実を告げるかです

俺(裕也)

え?昨日一緒に話を聞いていたじゃないですか

医者

今ぐらいなら多分信じてくれますよ

俺(裕也)

そうですか?

俺(裕也)

じゃあ…治るものだと言っておきます

医者

はい、信じて下さらないようでしたら、私からも説明しますので

俺(裕也)

はい、お願いします。

俺(裕也)

今日の話はそれだけですか?

医者

はい。
何かありましたら、また来てください。

医者

以上です

俺(裕也)

分かりました、お世話になります。

医者

はい、お大事に

─それから─、 病院に定期的に俺が通った。 母さんは割とあっさり治るという嘘を信じてくれた。

母さん

ゆうや

俺(裕也)

何?母さん

母さん

もしかしてだけど、

母さん

最近具合悪いの?

俺(裕也)

え?なんで?

母さん

よく病院に通ってるから

母さん

何かあったのかなって

俺(裕也)

あぁー、
そうなんだよね

俺(裕也)

実は俺、最近まれにお腹痛くなったりしてさ

母さん

そうなの?
何かの病気とか?

俺(裕也)

いや、母さんがやばい病気かもしれないってなってさ、

俺(裕也)

ストレス溜まっちゃったんだって

母さん

あら、そうなの?

母さん

ごめんね?ゆうや

俺(裕也)

いやいや、母さんは悪くないよ

俺(裕也)

最近良くなってきたし

母さん

本当?

母さん

ならいいけど、病気には気をつけてね。

俺(裕也)

うん、ありがとう。

別に、嘘じゃない

ストレスでお腹痛いのは本当。

でも、通いすぎはバレるかもな… 気をつけないと。

翌日

俺(裕也)

かあさーん

母さん

はーい?

俺(裕也)

散歩でも行かない?

俺(裕也)

ほら、結構歳とってきてるし、

俺(裕也)

たまには運動もいいかなって

母さん

歳とってきてるしは余計よ

母さん

…まあ、近所歩くだけなら、

俺(裕也)

本当?じゃあ行こう

散歩は、先生からのアドバイスだった。 自分で歩いて病院に来れるようにって 健康的だし。

病院だったら俺が連れて行けるけどな

母さん

ふぅー、疲れたー

…母さん、 思ったより歩くの早かったな。

本当に、治らないのかな。

こんなにも元気そうなのに…

隣で歩いていても、とても不治の病の患者には見えなかった。

まあ、そりゃそうか。

病気は、目には見えないし。

昨日、病院に行った時、

母さんと同じ病で検査に来た人が、 臓器の提供をしてくれる人を見つけたらしい。

なんでも、 死にたいと思っていた人が、自分の臓器で人を救えることを知って、 大喜びで提供してるれたんだとか。

その人は、 それを誇りに思い、死ぬことをやめて臓器の提供をしたそう。

今日、臓器移植の手術があるらしい。

母さん

?ゆうや?

ぼーっと考えていたら、母さんが心配そうに覗き込んできた。

俺(裕也)

あ、ごめん、眠くって

母さん

そう?じゃあもう帰ろうか

俺(裕也)

うん…

臓器移植かぁー。

今日臓器移植の手術を受ける人は、 病気が思ったより移転していなく、

なくても死ぬほどの害はない臓器にしか移転していなかったそう。

なので、最悪の場合、臓器を取り除くという力技で治すことも考えていたそうだった。

でも、母さんは違う。

母さんの場合、 ないとかなりやばい臓器に移転したのだとか。

俺は、 臓器よ名前とかよくわかんないから、 やばいか、やばくないか、だけ聞いたけど、「残念ながら移植はできない。」

とだけ、告げられた。

なかなか、 状態のいい遺体も見つからず、亡くなった人の遺体からの移植は難しいそう。

俺(裕也)

はぁ……

せっかく母さんと一緒にいるのに、 こんなことばかりを考えてしまう。

母さん

…………

気分は良くないまま、 病院に行く日が来た。

俺(裕也)

行ってくる。

母さん

行ってらっしゃい。

━病院━

医者

お久しぶりです。ゆうやさん。

俺(裕也)

はい。
今日もお願いします。

医者

顔色がよろしくないですね

医者

具合悪いんですか?

俺(裕也)

いえ、

俺(裕也)

少し母さんのことで不安になってきて、

医者

そうですか。

その時、ふと、移植手術をした人を思い出した。

俺(裕也)

そう言えば、

俺(裕也)

例の手術を受けた方は治ったんですか?

医者

はい、まだ入院はしていますが、近々退院する予定です。

俺(裕也)

そうですか。

医者

実は今日来て頂いたのはその事なんです。

俺(裕也)

?…と言いますと?

医者

本当はダメなのですが、

医者

ゆうやさんの臓器をお母様に

医者

移植するのはどうかと思いまして。

何も言えなかった。

しばらく思考が停止した。

この人は今なんと言った?

俺の…臓器を…提供する…?

母さんに……?

正直、迷っていた。

俺(裕也)

…………

母さんは助けたい。

それは嘘じゃない。

でも、俺は死にたくなんてなかった。

我儘かもしれない。

親不孝者かもしれない。

でも、俺が死んだら母さんはどうなる?

年金だけで生きていける?

一人ぼっちで、ちゃんとご飯は食べられる?

死にたくないから、こんな心配事ばかりが出てくる。

医者

……すぐに決めなくてもいいですよ。

医者

ゆっくり考えて、一番いい選択肢を選びましょう。

困った様子の俺に気を使った先生が優しくそう言った。

そうだ。 俺の臓器を移植して俺が死んだら、 先生の病院はおしまいだ。 先生だって周りからどんな目で見られるだろう。

刑務所で生きることがどれだけ嫌だろう。

専門学校でどれだけ必死に勉強したのだろう。

きっと、とても辛い判断だったはず。

俺は、そんなに人を裏切るのか?

覚悟を決めて言ったのに、俺はそれを踏みにじるのか?

俺は死ねても、 この人は死ぬだけじゃな済まない。

社会的に死ぬんだ。

そう考えたら、

あとは簡単だった。

俺(裕也)

……俺が臓器を提供します。

医者

!本当ですか?!

先生はとても喜んでいた。

たった1人の患者のために… 自分の人生を捨てて

それでも、喜んでいたのだ。

医者

では、いつ手術致しましょう。

俺(裕也)

母の余命のギリギリにお願いします。

医者

分かりました。

俺(裕也)

はい。
ありがとうございました。

そう言って俺は帰った。

帰ってから、少し考えた。

決断が…早すぎたのではないかと、

でも、 おかげで死ぬ前に色々と準備ができる。

まずは遺書

なるべく先生の罪が軽くなるように書かないと。

これが俺に出来るたった一つのことだから

それから、母の友人の家を尋ねた。

母の友人

あら、どちら様?

俺(裕也)

母の友人の初華(ういか)さんですか?

初華

そうですが……

俺(裕也)

実は…母を残して、俺が死んでしまいそうなんです。

俺(裕也)

なので、母が1人にならないように、定期的に家に行って欲しくて。

初華

あら、そうなの?

初華

分かったわ

俺(裕也)

ありがとうございます!

俺(裕也)

こちらが住所になります

そう言って住所を書いた紙を渡した。

初華

あなたのお母さんは人当たりがとても良くてね。

初華

きっと、ほかの友達もいいって言ってくれるわよ。

初華

私から言っておくわ。

俺(裕也)

本当ですか?!

俺(裕也)

お願いします!

思ったより母さんは、友達が多いようで安心した。

最後、金銭的なことだ。

俺はもともと、母さんとなるべくいられるようにバイトだけをしていた。

だけど、俺に気を使った先輩のおかげで、 シフトはあまり多くなかったので、なるべく多くシフトを入れてもらった。

本当にたくさんの人を世話になってるんだな。

俺。

これから死ぬってのに、すごい嬉しかった。

そしてとうとう平成最後の日が来て、今に至る。

俺(裕也)

母さん、病院行こ

母さん

あぁ、もうこの日が来たのね。

俺(裕也)

?とりあえず行くよ。

車の中

母さん

実は母さんね?

母さん

病気が治らないこと知ってたの

母さん

もう、今日死ぬんでしょ?

俺(裕也)

…ごめんね、母さん

驚いた。

まさか 母さんが気づいてるなんて。

そのまま無言で病院に到着した。

医者

では、ベッドに寝てください。

医者

ゆうやさんはこちらへ

俺(裕也)

?はい…

前に話していた時と少し流れが違って焦った。

俺(裕也)

どうしたんですか?

医者

いや、せめて死ぬ前に話でもしようかと思いまして

俺(裕也)

そうですか。

俺と先生は、令和ギリギリになるまで話した。

とても他愛のない話を。

でも、その他愛のない話がなんだかとても幸せだった。

その時だった

看護婦

先生!

医者

どうした

看護婦

ちょっとこっちへ来て下さい。

先生が看護婦に連れていかれた。

しばらくして戻ってきたと思ったら先生はとても明るい顔をしていた。

俺(裕也)

ど、どうしたんですか?

医者

ゆうやさん

医者

なんと、とても状態のいい遺体が見つかったそうです。

俺(裕也)

???

よく意味がわからなかった

医者

なんとその人の遺言書にもし死んだら臓器は提供致しますと、確かにそう書かれていたそうです!

俺(裕也)

……?

俺(裕也)

!!本当ですか?!

医者

はい!

医者

つまりあなたは死ななくて大丈夫です!

俺(裕也)

……ッ!!

言葉で表せないほど嬉しかった。

涙も止まらなかった。

早速手術が行われた。

結果は無事成功!

目が覚めた母さんは、しばらく当たりを見回した。

俺は母さんに、

俺(裕也)

母さんは、もう病気じゃないよ。治ったんだよ。

そう伝えた。

少ししてから時計を見た母さんが

母さん

令和の奇跡ね

…と微笑んだ

時計を見るとたしかに時間は午前1時5分だった。

平成が去っていって令和が来た。

同じように、母の臓器の提供者の命は去っていって、母の命が蘇った。

ありがとう。 令和。 ありがとう。 臓器の提供者さん。

母さんの命は俺が守るから、 どこかで見守っていてください。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

3

ユーザー

間違えて2個同じこと送信しちゃったお

ユーザー

最近投稿遅くてほんとにごめんなさい。なんか五月頃から全くやる気出なくって……いつフォロー解除されるかビクビクしてます(笑)

ユーザー

今回は感動して欲しいので後書きなしにしてます。前のやつみたいに伸びるといいなー

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