あそこのお宅… 亡くなられたんですってね

なんだって、 火事で家族のほとんどの人が 亡くなられたんだと…

可哀想ね…… そういえば 生き残ったのは あの男の子だけなんだそうよ…

なんであの男の子が生きて、 ほかの家族が亡くなられたのか… どうせなら その男の子だけ死ねばよかったのよ。

ちょっと！ 聞こえるわよ… 確かになんであの子だけが 生きてるのか不思議よねぇー…

…あれじゃない、 あれ。

だってあの子は……

"呪われてる子供"… って言う噂が立ってるんだし。

なんで、 生まれてきちゃったんだろうねぇ…

要らないわよ… 早く死んでしまえばいいのにね、

ﾋｿﾋｿﾋｿﾋｿ

お前らに… 俺の………

何がわかるんだ!!!!

次の日…

スｯ

叔父さんは俺の前に手を差し伸べた… でも…俺は………

グイｯｯ

ドンｯｯ

俺は壁に投げつけられた… すごく痛いけど…何とか大丈夫だ、

なんとか…

ﾄﾞﾀﾞﾄﾞﾀﾄﾞﾀﾄﾞﾀ!

ドサｯｯ…

･･･

はぁ…はぁ…

息を荒らげてるのかな？

心臓が…呼吸が早い。

そういえば俺… 何してたんだっけ？

ﾎﾟﾀｯ

ﾎﾟﾀｯ…ﾎﾟﾀｯ…

その時…

初めて自分の状況が分かった。

右手には、 赤く染まったカッターナイフ

転がってある…死体。

…そっか。

俺は、

人を、殺したんだ。

その後は無我夢中で走った…

どこに逃げれば安全なんだ？

どうしたらバレずに済むのだろうか…

俺は、俺は…！

ドサｯ…

そこは、 見たことも無い古い神社だった。

こんな所にあったっけ…

…！

この日、

彼女にあってから俺は…

よく分からないことに 巻き込まれていくなんてことは…

今の俺は、 まったく知らなかった…