1/100の奇跡 ルール
抽選箱の中から黒い玉を引いたら当たり。
白の玉は外れ。
引いた外れは、抽選箱から除外する。
班単位で順番を決め、16人全員が1回ずつ引いたら、また最初に戻る。
これを3周終えるまでに、黒の玉を引き当てなければならない。
担任に対しての質問権が各班で発生する。
ただし、その質問に対して、担任は必ずしも本当のことを答えるとは限らない。嘘をつく場合もある。
教壇の上に置かれた抽選箱と、猟銃を手にした担任が見守る中、真っ先に行われたのは、順番決めの話し合いだった。
ここはハカセが再度議長となり、話し合った結果、じゃんけんという、これまた運任せのものに頼るはめになる。
現在、代表者達が互いにじゃんけんを始めるところだ。
ツヨシ
じゃんけんぽん!
ツヨシの掛け声でじゃんけんが始まり、勝負は数回あいこを繰り返したのち決着。
ツヨシ
セイヤ、勝ったぞ!
なぜかじゃんけんに絶対的な自信を持っていたツヨシが、しっかりと結果を出す。
ツヨシ
ツヨシ
戻ってきたツヨシが、誇らしげにしながら問うてくる。
マドカ
マドカ
セイヤ
セイヤ
セイヤ
セイヤ
ヒメ
ヒメ
セイヤ
セイヤ
この時点で15個の外れが除外されていることになるからね。
マドカ
セイヤ
ツヨシ
セイヤ
でも、これはあくまでも確率論の話だ。
セイヤ
セイヤ
マドカ
ツヨシ
ここはセイヤの言う通り、順番を最後に回すようにしよう。
セイヤ達が話し合っている間に、他の班のじゃんけんも終わったようで、それぞれの順番が決定した。
まず、シズカ率いる班が1番目。
悪口ではないのだが、主体性のない人間ばかりが集まってしまったがゆえ、じゃんけんに出たのも、まさかのシズカだった。
じゃんけんの結果はどうだったのか分からないが、流されて1番目になった可能性は充分にあり得た。
セイヤ
じゃんけんに勝った班から順番を決めた結果、希望通りセイヤ達の班が4番目となった。
志賀先生
志賀先生
担任はそう言うと、もともと白い玉が詰まっていた箱を、抽選箱の脇に置いた。
こうして、静かにくじ引きが始まった。
とくに盛り上がることもなく、ただ淡々と順番にくじを引いていく。
当然、簡単に当たりなんて引けるはずもなく、すぐにセイヤ達へと順番が回ってきた。
ヒメ
ヒメ
班のトップバッターはヒメ。特に取り決めはしていないが、班内の順番は各自で決めていいとのことだから、他のメンバーから異論がなければ、それで問題なし。
もちろん、異論も出なかった。
ヒメ
セイヤ
マドカ
マドカが引くも、やはり外れ。
抽選箱の脇に置いた小箱に、外れ玉が増えていくばかり。
セイヤ
トリはじゃんけんで勝ったツヨシにお願いしよう。
ここまできたら順番に大差はない。
セイヤは抽選箱に手を突っ込み、適当な玉を引いてみるが……当然のように外れ。
セイヤ
ツヨシ達の元へと戻り、ツヨシにバトンタッチする。
ツヨシ
ツヨシ
セイヤ
そうだけど。
ツヨシ
セイヤ
ツヨシ
当たりを引く方法。
ツヨシの視線は担任のほうに向けられていた。
セイヤは確認できなかったが、きっとその瞳には憎悪の炎が燃えていたに違いない。
セイヤ
ツヨシ
ツヨシ







