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400くれるなら400あげます(???) 裏切り……だと…?(( まじで第九が気になる()
第十三話 「静かなる裏切り、あるいは忠誠」
愛知は、一本の線香を花紋の前に立てた。
香の煙が、ぼんやりと黒く揺れている。
愛知
静かに入室したのは、北海道。
愛知は振り返らずに言った。
愛知
愛知
北海道は一拍置き、静かに言う。
北海道
北海道
北海道
北海道
愛知の目が細くなる。
愛知
愛知
宮城は一本の煙草に火を点けた。
視線の先には、記録室にある分厚い帳簿。
『第八席・粛清計画』
『HYDRANGEA黒帯組織・暗部記録』
重なる文字の中に、一枚だけ挟まれたメモ。
『― 京西ノ者、粛清二参加セズ。理由:不明 ―』
宮城
宮城
広島は、昔の地図を広げていた。
その端に、かすかに記された地名。
『京西――別称:第零の花』
広島
広島
広島
広島
広島
東京は、暗号解読チームの報告を聞いていた。
部下
部下
東京の瞳が一瞬揺れる。
東京
東京
それは――
HYDRANGEA創設以前に、“血の契約”が交わされた場所。
東京
東京
大阪は路地裏の取引現場に立っていた。
足元に転がる死体のポケットから、小さなケースが落ちる。
開けると、中には七枚の花びら。
だが、その中心には“黒い石”が埋まっていた。
大阪
大阪
大阪
大阪
福岡は、ある暗殺依頼の情報を受け取った。
『標的:北海道』
目を伏せ、拳を強く握る。
福岡
福岡
背後にいる幹部が問う。
部下
部下
福岡は答えない。
ただ、銃に弾を込め、静かに言った。
福岡
福岡
再び、円卓。
七人の視線が交差する。だが、誰も口を開かない。
花紋の中央に、小さな揺れ。
第八の花が、わずかに傾き、第九の方向へ滲んでいく。
東京は、立ち上がりながら言う。
宮城
宮城が低く呟いた。
広島
愛知は静かに目を閉じた。
愛知
愛知
均衡は、微かに揺れ始めた。
“誰が”動いたのか、“なぜ”動かないのか。
HYDRANGEAの中に入り込んだ「第九」の存在が、次回いよいよ
――触れる。
次回
火種が確実に内部に燃え広がり始めたHYDRANGEA──。
第十四話 「火花の先にあったもの」
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