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紅紫
…………
咫穏
大丈夫？ 目が死んでるよ？
紅紫
紅紫
……なんで、そんなにババ抜きが強いのさ？
咫穏
なんでって
咫穏
(“兄弟“たちに鍛えられてたからね)
咫穏
もう一度やる？
紅紫
このままじゃ終われない
紅紫
──この間セイにも神経衰弱で、負けちゃったし
咫穏
ふーん、そうなんだ
トランプを何回も切る
咫穏
なら、次は神経衰弱で勝負しよう
紅紫
咫穏
もし紅紫くんが勝ったら
咫穏
私の行きつけの
咫穏
すぺしゃる抹茶ぱふぇを奢ってあげるよ
紅紫
──シオンちゃんが勝ったら？
咫穏
そうだね〜
咫穏
衣装合わせでも、してもらおうかな
紅紫
衣装合わせ？ なんの……？
咫穏
大丈夫、変なのじゃないから
トランプをバラバラにならべる
咫穏
やろうか
──数十分後
神経衰弱の結果 咫穏の勝利
紅紫
マジかーい！
咫穏
紅紫くんの記憶力は、悪くなかったと思うけど
紅紫
……はぁ
紅紫
で、ボクはなにを着るの？
咫穏
ちょっと待ってて
いったん退出し、しばらくして紙袋を携え戻ってきた
そして取り出したのは──
紅紫
……執事服？
咫穏
色は黒と墨色なんだけどね
咫穏
どっちがいい？
紅紫
…………
咫穏
またメイド服でも、着せられると思った？
紅紫
……正直言って
咫穏
露出度が高いメイド服、今度持ってこようか？
紅紫
持ってこなくていい！
咫穏
ふふ、冗談だよ
紅紫は執事服(黒)を着用した
咫穏
似合うね
紅紫
そうかな──
咫穏
髪を一まとめにして、メガネをかけたら完璧
咫穏はメモになにかを書いている
咫穏
次は墨色も着てみて
紅紫
──うん
墨色の執事服に着替えた
咫穏
こっちも悪くない
咫穏
咫穏
紅紫くん
紅紫
なに？
咫穏
“おかえりなさいませ、旦那さま“って
咫穏
言ってみてくれない？
紅紫
へ？
咫穏
キリッとした表情でお願いね
紅紫
…………
紅紫
紅紫
おかえりなさいませ、旦那さま──
咫穏
──ほう
紅紫
紅紫
今のでよかった……？
咫穏
完璧だったよ
咫穏
(指名率高そう)
素早くメモる
咫穏
いろいろ助かった、ありがとう
執事服をたたみ紙袋に入れた
紅紫
(──あいつが帰ってくる前でよかった)
咫穏
阿左美さんのことでも考えてた？
紅紫
……なんで、わかったの？！
咫穏
顔に書いてあるよ
咫穏
(ホント、わかりやすい)
咫穏
咫穏
さてと、ちょっと約束があるから
咫穏
そろそろ、おいとまするね
そう言って紅紫の部屋をあとにした
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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