近所の河原です。
今日の佐藤達は釣りをしながら、またいつものやつが始まります。
佐藤
なぁ、たまに空から女の子が降ってきたりするじゃん?
山田
いや、あれはフィクションであって、滅多に空から女の子は降ってこない。
鈴木
せいぜい、竜巻で空に打ち上げられた魚だ。
鈴木
降ってくるとしたら。
佐藤
……とにかく、あの空から女の子が降ってくるってやつ。
佐藤
たまたま下に主人公的なやつがいるからいいとして、誰もいなかったらどうすんだよ!
佐藤
空から降ってきて、そのまま転落死だよ!
佐藤
かの某ガリ◯オと呼ばれる湯川先生も「実におもしろい」って呟く現象だぞ!
鈴木
お、おい。そういうメタファー的な発言は――。
山田
よせ、たまたまT◯erで特集やってて、それ観てはまってるだけなんだから。
山田
作者が。
鈴木
だからメタファー発言はやめろと――。
佐藤
とにかく、なぜわざわざ空から降ってくる?
山田
そりゃ、あれなんじゃない?
山田
その、異世界的なところから、こちらに来た時に、座標がずれるとか?
佐藤
――大気圏だったらどうすんだよ?
佐藤
空に出たから、まだ落下できるものの、大気圏より上に出てたら、そのまま宇宙の藻屑と化すぞ!
佐藤
美少女がな!
鈴木
あ、うん――。そこまで細かいところには触れないほうがいいぞ。
鈴木
うん、やっぱり座標的なものがずれるんだよ。
鈴木
それに、意図して女の子も落ちてくるわけじゃないかもしれない。
鈴木
あちらで何かしらのトラブルがあってだな、偶発的にこちらの空に出た。
鈴木
で、たまたま落下した先に主人公がいたってだけで。
佐藤
それにしたって危ねぇだろうが!
佐藤
いいか?
佐藤
女の子の体重が、うーん、例えば40kgくらいだとする。
佐藤
この女の子が落下する最大速度……時速何キロだと思う?
山田
どれくらいだ?
佐藤
知らん!
佐藤
けどかなりのスピードだろうが!
佐藤
多分、トラックがアクセル全開で突っ込んでくるくらいの速さだ。
佐藤
お前、受け止められるか?
佐藤
それがどれだけ美少女であったとしても!
佐藤
自分は巻き込まれず、無事に美少女を受け止める自信があるかって聞いてるんだ!
佐藤
ただし、美少女はその時点でお前にベタ惚れとする。
山田
……くっそ、ちょっと悩むじゃねぇか。
鈴木
親父から聞いたことがある。
鈴木
女性を落とす手段として、トラックの前に飛び出して、自分が死なないことをアピールするというものがあるらしい。
佐藤
あいつはその前に100回もプロポーズ失敗してるから駄目だ!
佐藤
あと、追加な。
佐藤
受け止めた時に奇跡的に美少女は助かるが、お前は確実に死ぬこととする。
山田
だったら嫌だよ。
鈴木
死んだら元も子もないからな。
佐藤
だろ?
佐藤
だからな、もう少し対策すればいいじゃない!
佐藤
その、異世界から来るなら来るでさ、美少女にパラシュートを装備させておくとか。
山田
いや、もしかして異世界には物を持ち込めないのかも――。
佐藤
だったら服はぁ!?
佐藤
そのルールに則るのであれば、美少女が真っ裸で落ちてこなきゃおかしいだろ!
山田
それは令和のコンプライアンス的な問題があってだな。
佐藤
生きずれぇ世の中だなぁ!
佐藤
税金ばっかりむしり取られ、美少女が素っ裸で落ちてくることも許されない!
佐藤
しかも、助けようと受け止めた死ぬ。
佐藤
俺はどうしたらいいんだ!
山田
か、帰ったほうがいいかな。
鈴木
まぁ、釣れないしな。
鈴木
魚――。
佐藤
美少女どころか、魚にも相手にされないとか!
佐藤
落ちて来ねぇかなぁ、美少女。
佐藤
こっちが受け止めてやっても、互いに無事なくらいの速度で。
佐藤
もういっそクラスの女子の誰かが告って来ねぇかなぁ。
佐藤
いや、しかし同じクラスとなると、万が一別れた時にずっと気まずいままに――。
心配せずとも お前に 彼女はできねぇよ
みつを







