十三形
それじゃあ、早速だけど始めようか。
十三形
参加する人数は――うん、全員でいいだろう。
一宮
(参加する人数は全員か――)
一宮
(となると、人数で有利不利になるような内容じゃないな)
十三形
まず、ここにある絵本は――あ、10冊か。
十三形
残念ながら、残りの2冊は俺の店にあるもんでね。
一宮
八橋と三富の分か。
十三形
あぁ、ちょっと意外だったよ。
十三形
このルールなら、もっと互いに魂を喰らい合うと思ったんだけど、君達は実に平和に物事を収めてきた。
十三形
実際、呪いの絵本のせいで魂を喰われたのは、たった1人だけだ。
七星
六冥のことだな。
七星
それについては、私は絶対に許しはしないからな。
十三形
おいおい、やったのは俺じゃないぞ。
十三形
伍代だよ。
十三形
憎むべきは伍代だ。
一宮
だが、八橋と三富はお前の仕業だろ?
十三形
あぁ、そうだなぁ。
十三形
でも、12冊も絵本があって、死人がたった3人とか――。
十三形
どこが呪いの絵本なんだよ。
十一月二十九日
そんなん知らねぇよ。
十一月二十九日
あんたが勝手に期待して、あんたが勝手にがっかりしてるだけだろうが。
二ツ木
そんなことより、これから何をするの?
十三形
これから行うのは――【インディアン絵本当てだ】だ。
二ツ木
だっさ、語呂が悪い。
一宮
当たり前だが不正はなしだろうな?
一宮
不正したら、問答無用で負けになるってことでいいな?
十三形
なにをもってして不正とするのかは分からないが、それくらいは分かっているさ。
七星
それはさておき、ルール説明を。
十三形
簡単さ。
十三形
ここに10冊の絵本がある。
十三形
そして、ここに集まっているのが全部で9人。
一宮
(三富と八橋は十三形に殺されてしまったし、六冥は伍代が殺した)
一宮
(その伍代は警察に拘束されているから、ここにいるのは十三形を含めて9人ということになる)
十三形
それでもって、この絵本をそれぞれに1冊ずつ配らせてもらう。
十三形
10冊の内9冊が、ランダムでそれぞれの手に渡るわけだ。
十三形
さて、このそれぞれに配られた絵本。
十三形
配られた本人には、その絵本がなんであるかは分からない。
十三形
しかし、他の人間からは見えるようになっている。
九条
まるで【インディアンポーカー】ですね。
十三形
そうだ。
十三形
おおむね、そう考えてもらっていい。
十三形
ただ、少しだけルールが異なる。【インディアンポーカー】は、自分のカードが分からない状態で、相手より強いカードを出すことが勝敗を分けるが、このゲームはちょっと違う。
十三形
ただ、自分の絵本がなんなのかを当てればいい。
一宮
(絵本が見えるのは、自分を除く全員だとしたら、確認できるのは全部で8冊)
一宮
(となると、不明なのは自分自身の絵本と、使用されない絵本)
一宮
(確率にして2分の1を当てればいいわけか)
十三形
自分の絵本がなんなのか分かったら、その場で宣言すればいい。
十三形
見事に自分の絵本を当てることができた人間の勝ちだ。
十三形
ただし、絵本を当てることができなかった場合は負けとなる。
十三形
ちなみに、そっちは誰が答えてもいいし、誰が正解してもそちらの勝ち――俺の負けとなる。
十三形
どうだ?
十三形
やれそうな気がするだろ?
九条
自分の絵本がなんなのかを当てるわけですか――。
十一月二十九日
単純に確率は2分の1……とか思ってねぇだろうな?
十一月二十九日
その悪い方を引いたら負けるんだぜ。
十日市
ちょっと迂闊には動けないよね。
十日市
誰かが間違えたら、そこで終わりなわけだし。
十三形
ルールは以上。
十三形
異論がなければ始めてしまおう。
七星
あぁ……構わん。始めろ。
最終決戦。
【インディアン絵本当て】――。
静かに、そして厳かに、しかし確実に始まったのであった。






