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短冊を拾った
咫穏
《あの人のそばにずっといられますように》
小さな文字でぎっしりと書き込まれている
咫穏
《あの人の目に映るのが自分だけでありますように》
《あの人が自分だけを見てくれますように》
咫穏
《あの人の愛情を独り占めできますように》
《俺からあの人を奪うやつは許さない》
咫穏
《特にあの人と仲良さげなアイツはなんだ? 毎回あの人を誘って飲んでいる。 あの人もあの人でなんで一緒に飲んでいるんだ? 俺も酒豪だったらよかったのに…………》
咫穏
《あの人ともっと特別な関係になりたい》
咫穏
咫穏
咫穏
短冊を落ちていたところに戻し、足早に立ち去ろうとした瞬間──
和装本が落ちた
咫穏
落ちた拍子に頁が見開く
人間と狐が鬼を取り合っている場面だった
何度も読みかえし、内容は頭の中に入っている
咫穏
和装本を拾い手で埃を払う
先祖が書き記した大事なもの
咫穏
咫穏
咫穏