便利屋・紫雲かぎり〜サクリファイスの花〜

ひと仕事終え、

帰路に着こうとした紫雲かぎりに

緊急連絡が入った。

そんなことを考えながら、

折り返しの電話をかけた。

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紫雲は苦笑いを浮かべて

届いたメールを確認する。

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その名前に反して治郎丸は

丸々と太った

非常に可愛らしい猫だった。

紫雲はパソコンを立ち上げ、

猫が逃げ出した時間の

周囲の監視カメラの映像を確認する。

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紫雲が手にしたキャリーバッグを開けると

中から一匹の猫が顔を覗かせた。

飼い主が名前を呼ぶと

治郎丸はキャリーバッグから飛び出し、

抱きしめようとした飼い主の横を通り抜け

山盛りの餌に食らいついた。

猫撫で声で喋る飼い主を横目に

紫雲と日内は家を後にした。

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紫雲はそう言って鼻で笑った。

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その数日後、

持田冴香から仕事の依頼が来るとは

思ってもいなかった。

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『猫探し』 END