凛
なぜそう言い切れるんですか?
麗叶
実はあの管制塔に書いてあった文言は、連れ人のみに現れるものなんだよ。
麗叶
咎人と無辜には別の文言が現れるんだよ。ま、内容は忘れたけどね笑
凛
しかし、逆に相手なしの咎人はどうなるんですか?
麗叶
どうにもならないよ。咎人には管制塔に入るチャンスすら与えられない。
麗叶
だって悪人にそんな甘えは必要ないでしょ?
凛
山で会った時から思いましたが、麗叶さんの言う絶対正義って何ですか?
麗叶
もう、やだなぁ〜‼︎それは貴方が一番よく分かってるでしょ〜‼︎
凛
?
麗叶
麗叶
貴方、人を殺したことあるでしょ?
凛
っ⁉︎
麗叶
ビンゴでしょ‼︎よかった〜、外れたらどうしようかと思ったよ笑
凛
根拠は何ですか?
麗叶
ああ、それはね...
麗叶
貴方と私は同じ目をしているからだよ。
凛
同じ目?
麗叶
人間ってね、目を見ればその人がどんな人生を歩んできたのかが大体分かるんだよ。
麗叶
死にたくなる程の苦痛を背負った者、何不自由ない環境で育った者...
麗叶
貴方は前者だと思うんだ。
凛
....
麗叶
私は山岳地帯で育った。世間とはかけ離れた田舎者だったんだ。
麗叶
母は私が幼い頃に父と口論になって家を出た。その後私は父と二人で暮らすことになった。
麗叶
父は猟師として獣を狩り、毛皮を売ったりして稼いでいた。私も父から猟銃の使い方を習ったり楽しい毎日だった。
麗叶
でもある日、父が猟に出て日が沈んでも帰って来なかった。心配になって探しに行くと父が血だらけになって死んでいた。
麗叶
獣に殺されたと嘆いていたら、父の腹に包丁が刺さっていた。そして近くには見覚えのあるネックレスが落ちていた。
凛
お母様だったんですか?
麗叶
うん、その後近くを探してみると空き家に女性が蹲っているのに気が付いた。
麗叶
母だった。でも私は父を殺された怒りでどうなろうと構わなかった。
麗叶
気が付くと私は猟銃で母を殺し、笑いながら立ち尽くしていた。そこで気が付いた。
麗叶
麗叶
嗚呼、なんて気持ちいいんだろう...って。
麗叶
悪が消え正義に満ち溢れるあの瞬間...私はそれをもう一度味わいたくなった。
麗叶
もう一度、いや何度も何度も...嗚呼、なんて素晴らしいんだッ‼︎
凛
...なるほど、麗叶さんの過去はもう分かりました。
麗叶
あ、ごめんごめん‼︎つい熱く語っちゃったね笑
麗叶
そんな貴方に提案があるんだけどさ...
麗叶
麗叶
私の国に入らない?