察してください

空っぽの空き教室に私の悲鳴が響いた

そう、私は虐められている

最初は無視だったけど、エスカレートして、殴り蹴りの暴行が始まった

その答えは最初から分かってる

やめてあげてって言う訳ない

そう思っているけど、やっぱり期待してしまう

期待したら損した時が苦しいから

期待したくないのに…

ｶﾞﾗｯ

ドアが開いた

通りすがったのは

私の好きな和樹だった

幼なじみで、ずっと好きだったけど

高校生になってから話さなくなった

和樹なら、助けてくれる

え…

私は、和樹に期待していた

でも、でも、でも

心の底では助けてくれないって思ってたよ

私を助けたら、和樹がいじめられちゃうんだもん…

それなら、私が虐められた方が良いよ…

何で…泣いてるんだろう

私はそう吐き捨てて空き教室を出た

私は必死で走った

階段を駆け上がって

keep outのテープを破ってボロボロのドアを開けた

私が来たのは屋上だ

好きな和樹にも「嫌い」と言われてしまった。

私は和樹が大好きだったのに

私は策を乗り越えて

俯きながら泣いた

私はそう言って空を飛んだ

今更気付いたって遅いんだよ？

大好きな和樹