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正反対。

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正反対。

14 - 正反対。 14話。

♥

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2020年06月07日

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2月

まぁ色々あって哉翔君とは仲直り出来たものの、茅野に誤解され、

後にまさかの付き合ってましたという報告。

紡希 絢

す、少し整理しよう。

もうすぐ今年が終わる。だからクラス委員として忙しい日々を送っていると人間関係図があやふやになってきた。

紡希 絢

えっと、茅野と龍君が付き合ってて

紡希 絢

幸ちゃんが哉翔君のことが好きで…

ワタシハ?

紡希 絢

私は…

どうなんだろう。

琴葉 茅野

絢ー!どうしたの?ぼーっとして

紡希 絢

茅野。

琴葉 茅野

なに?悩み事?相談乗るよ?

紡希 絢

ううん。平気。

琴葉 茅野

ふーん。それはそうと絢?

紡希 絢

ん?

琴葉 茅野

バレンタインどうするの?

琴葉 茅野

お邪魔しマース!

12日、日曜日。

茅野が家に来て一緒にチョコを作る。

紡希 絢

いらっしゃい

琴葉 茅野

ラッピング用意した?

紡希 絢

気が早いなぁ、用意してあるけど。

琴葉 茅野

うわ、可愛い!で、何作るの?

琴葉 茅野

私はクッキー。

紡希 絢

無難だね

琴葉 茅野

なんだと

紡希 絢

私はチョコチップマフィン。

琴葉 茅野

いいなぁ、家庭科得意な人は。

紡希 絢

料理なんてレシピ道理に作れば何とかなるよ。

琴葉 茅野

適量とか出てくるじゃん。適量って何。数字を出せよ。

紡希 絢

まぁまぁ、始めよう。手、洗ってね。

琴葉 茅野

ほーい。

琴葉 茅野

なんかさぁ、男子がふわふわしてない?

紡希 絢

んー、バレンタインだしねぇ。

琴葉 茅野

貰えると思ってんのかなぁ。

紡希 絢

思ってるんでしょ

琴葉 茅野

まぁクラス1の美女、楠木(くすのき)さんならみんなにあげるだろうなぁ。

紡希 絢

私そんな余裕ないわ。

琴葉 茅野

私も。

紡希 絢

茅野は龍君だけでいいでしょ。

琴葉 茅野

絢こそ、哉翔だけで…

紡希 絢

お兄ちゃん、お父さん、おじいちゃん×2

琴葉 茅野

わかった。わかったから論破しないで。

紡希 絢

紡希 絢

(幸ちゃんはどうするんだろう。)

龍君が付き合いだして焦ったりしていないかな…

だとしても、今回のタイミングで告白するだろう。

紡希 絢

(私、大丈夫かなぁ)

きちんと渡せるかな、

きちんと言えるかな、

不安が募る中、私は冷蔵庫から牛乳を取り出す。

紡希 絢

(ついに、この時間…)

2月14日。放課後。

朝からみんながチョコを交換だの渡したりしていたが、

案の定、

哉翔君は大量に貰っていて、こちらの渡す気が失せ始めた。

紡希 絢

(ダメダメ、渡すって決めたんだから。)

私は、袋ミニ切りしめて哉翔君に声をかけようとする。と、

西原 幸

平先輩!

紡希 絢

幸ちゃんの声

同じく、放課後の人の少ないタイミングを狙っていたのだろう。

私は反射的に隠れてしまう。

平 哉翔

ん?西原。どうした。

西原 幸

あの、これどうぞ、

平 哉翔

どーも…

哉翔君は呆れた口調で言う。

西原 幸

それと、平先輩。

平 哉翔

ん?

紡希 絢

(言わないで、言わないで。)

私はより一層強く袋を握りしめる。

西原 幸

好きです!

予想していた言葉、

わかっていた言葉、

なのに、

この先の哉翔君の返事が聞きたくなくて、

紡希 絢

(だめだ、)

泣くな、

泣くな、

私は涙をこらえてその場を静かに去った。

哉翔君にはチョコレートを渡せないまま。

紡希 絢

はぁ

弱虫、意気地無し、

死ぬほど後悔している。

1人反省会の真っ最中。

紡希 絢

渡せなかった、

あの後哉翔君はなんて言った?

「俺も、お前のことが…」

なんて、

有り得なくもない話。

紡希 絢

ダメだなぁ

優柔不断

こういう時にきちんと決断ができない。

あの時ためらったはず。

渡そうか渡すまいか、

なのに、私は逃げてきた。

その答えからすらも。

紡希 絢

寝よう。

今日は疲れた。

眠ってまた明日、全てを聞こう。

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