鬼神丸
ギャハハハハハ!!!

鬼神丸
いいぞぉ

鬼神丸
いいぞぉこの刀はぁぁ!!

鬼神丸
俺が望む攻撃をコイツは答えてくれる

鬼神丸
意のままに動くとはこの事かぁ!!?

ミツルギ

ミツルギ
(先程と比べ格段に戦闘スキルは上がっている)

ミツルギ
(反応速度に思考回路も違うな)

ミツルギ
(一振一振が次を考えた一撃だ)

ミツルギ
(さらにその一つ一つは意味ある攻撃になっている)

ミツルギ
(避けられたとしても次の攻撃を防ぐのに)

ミツルギ
(大きく体勢を変えたりするため体力を消費する)

ミツルギ
(当たればそのまま2撃3撃と繋がっていく)

ミツルギ
(傍から見れば大雑把に振ってるが……)

ミツルギ
(受けてみて初めて分かるこの一撃の意味)

ミツルギ
(やはりこの鬼神丸は最初に会った彼とは別物として捉えるべきか)

鬼神丸
おいおいおい!

鬼神丸
今度はそっちが防戦一方じゃねぇかよぉ!?

ミツルギ

ミツルギ
いやはや……

ミツルギ
まさか俺を驚かすほどの力を秘めていたのか貴様は…

ミツルギ
お前とこうしてやり合えるのならば

ミツルギ
妖と人間の戦争などどうでも良くなってしまうな

鬼神丸
ならこのままどちらかがくたばるまでやり続けるかぁ!?

ミツルギ
面白い提案だが……

ミツルギ

ミツルギ
今回は断らせてもらう

鬼神丸
なっ!?

怒涛の攻撃にミツルギは己の刀を抜き出して身を守っていたが
瞬間鬼神丸の攻撃に合わせ大きく弾き飛ばして胴体に発勁を食らわす
鬼神丸
ごはっ……!!

ミツルギ
貴様は確かに強い

ミツルギ
戦闘スキルにおいても状況判断能力においても

ミツルギ
全てが高水準だ…

ミツルギ
だが、だからこそここで仕留めるには惜しい

ミツルギ
もっと上を目指せ鬼神丸よ

ミツルギ
この俺を満足させるほどに強くなれ

ミツルギ
期待してるぞ『轟 鬼神丸』

鬼神丸

鬼神丸
(こいつ……俺の名を………)

ミツルギ
楽しませてくれた礼だ

ミツルギ
いつか訪れる危機に俺が一度だけ手を貸してやろう

ミツルギ
フハハハハ!!

ミツルギ
楽しかったぞ鬼神丸

ミツルギ
また会う時までに力をつけよ…

そう言葉を残すと倒れている鬼神丸の手元に木刀を置いてその場を去っていった
神無月

神無月
鬼神丸くん!!

鬼神丸

鬼神丸
がはっ……

神無月
すまない……

神無月
私は何も出来なかった……

神無月
あれだけ君を守ると豪語していたのに

神無月
私は足がすくんで何も出来なかった…………

鬼神丸
はぁ……はぁ…………

鬼神丸
んなことぁ……知ってる…………

神無月
え?

鬼神丸
俺を庇って………お前が出ても…

鬼神丸
何も出来ず死んだだろうな……

鬼神丸
だからこそ俺が……出てきてやった………

鬼神丸
お前にヘイトが向かないように………

鬼神丸
アイツは最初から……

鬼神丸
お前も……俺でさえ…………

鬼神丸
敵としては見てなかった……

鬼神丸
あくまで…新しい……玩具程度……

鬼神丸

鬼神丸
まぁ……俺がお前を……

鬼神丸
庇ったと言うよりは………

鬼神丸
俺が楽しみたかった…………

鬼神丸
その邪魔を…させねぇために………

鬼神丸
アイツに……力を解放して貰った…

鬼神丸
それに…過ぎ……ねぇ……………

鬼神丸

神無月
鬼神丸くん?

神無月
鬼神丸くん!!

蓮爺

蓮爺
焦るな神無月よ

蓮爺
気を失っただけだ

神無月
は、蓮爺さん……

蓮爺
来るのが遅れて済まない

蓮爺
共に行く予定が別件が入ってな

神無月
いえ……

神無月
それより鬼神丸くんは…

蓮爺
鬼神丸なら無事だ

蓮爺
この傷も2、3日大人しくさせておけば

蓮爺
完全に癒えるだろう

神無月

神無月
あの……

神無月
先程私が話していた鬼神丸くんは

神無月
一体誰なんですか……

神無月
いつも話していたあの優しい彼ではなかった

蓮爺
乱暴な方の鬼神丸と話したのか

神無月
あれは誰なんですか?

蓮爺
あれも鬼神丸じゃよ

蓮爺
いつもワシらと会話してる彼は無理をしてる姿と言っても過言ではない

神無月
無理をしている?

蓮爺
彼は自分の出自上人にも妖にも恨まれる存在

蓮爺
そのため彼にかかる負荷はワシらが測れたものでは無い

神無月
親を幼い時に亡くし…

神無月
そのから先はずっと冷ややかな目で見られる毎日…

蓮爺
それでも彼は常に明るく接していた

蓮爺
だからほとんどの人の目には”強い子”として写っていたと思う

蓮爺
が、現実はそうもいかない

蓮爺
常に溜め込んだ己の負の感情が長い年月を得て

蓮爺
一つの人格として現れたのだ

蓮爺
それが先程お主が話していたいつもと違う鬼神丸の正体

神無月
負の感情で形成された人格……

蓮爺
殺戮に破壊といった感情から出来ているため

蓮爺
戦闘スキルにおいては見てもらった通りだ

蓮爺
ワシはほんとに少ししか見れてないが

蓮爺
藍色の悪魔と同格で戦闘していたのが何よりの証拠だろ?

神無月
えぇ……

蓮爺
本人はそれに気づいていて自分でコントロールしてるみたいだが

蓮爺
やはりなにかの拍子で主導権を奪われるのだろうな

神無月
それが今回の場合藍色の悪魔との戦闘だった

蓮爺
恐らくな……

神無月
……いつかその人格と手を取ることはあるのですかね?

蓮爺
それはどうだろうなぁ

蓮爺
裏人格はワシの問題ではない

蓮爺
彼が1人で超えないといけない問題だからな

神無月
そうですよね……

蓮爺

蓮爺
それより依頼は達成でいいか?

神無月
一応藍色の悪魔は退けましたから…

蓮爺
あの刀のせいかは分からないが裏人格出てきてしまったがのぉ

神無月
問題ないと思います…

蓮爺
では、鬼神丸を担いで帰るか

神無月
私が代わりに担ぎますよ

蓮爺
すまんな

神無月
何も出来なかった分こんくらいは手助けしないと……
