校長
倉吉先生!
蓮斗
どうかされましたか
校長
聞きましたよ
校長
生徒に暴力奮ったって!
校長
どういうつもりですか、この時代に!
蓮斗
……フッ
蓮斗
笑わせないでくださいよ、校長
蓮斗
いじめられている現状は放棄し、
蓮斗
仮にいじめられっ子の親から苦情が来ても耳を傾けやしない
蓮斗
なのにいじめっ子の親から苦情が来れば、
蓮斗
素直に耳を傾けるって言うんですか
校長
……っ
校長
しかしそれが世というものです…
校長
正義を述べた所で、
校長
この行いは正当化されず
校長
学校としての顔も立ちません
校長
お願いです、倉吉先生
蓮斗
蓮斗
私がこの学校に来た理由の1つは、
蓮斗
これに近い事でもあるんですよ。
校長
……理由?
蓮斗
それに校長
蓮斗
この学校に勤まる教師など、
蓮斗
極一部ですし
蓮斗
教員の数も不足している……
蓮斗
あなたがたは、すぐにすぐ私を追い払うことはできません
蓮斗
あなたは私を止めることはできない、
蓮斗
違いますか?
校長
校長
倉吉先生の言う通りです……
校長
ですが先生、
校長
このまま長続きはしません
校長
この事に変わりはありませんよ。
蓮斗
…分かってますよ校長
蓮斗
長続きしない、ことくらいはね
桐島
おいヒロキ
桐島
お前にチャンスをやるよ
ヒロキ
……チャンス?
桐島
例の新任教師をこの学校から追い出せ
ヒロキ
……!
ヒロキ
追い出すって…!
桐島
しつこく怪我でも負わせてれば、
桐島
いくら奴でも我慢しきれないだろう
桐島
それに奴の狙いがお前の擁護だったなら、
桐島
計画も破綻するだろうしなぁ
ヒロキ
……そんなの
桐島
できねぇってか?
桐島
ならばお前はドブからやり直しだ
ヒロキ
……!
ヒロキ
や…
ヒロキ
……やります
桐島
よぉし、それでいい
桐島
早いとこ始末してくれよな
桐島
(俺が行っても殴り返されるだけだ…)
桐島
(だが自分の守りたい奴が狙ってくるとなれば…)
桐島
(……さぁ)
桐島
(どう動くつもりだ…)
桐島
(倉吉 蓮斗……。)
ヒロキ
(倉吉先生に怪我をさせる…)
ヒロキ
(そんなことしたら、)
ヒロキ
(僕まで殴り返されるんじゃ……)
ヒロキ
(嫌だ嫌だ嫌だ…)
ヒロキ
(ごめんなさい……)
僕の手にはカッターナイフが力強く握られていた。
ヒロキ
(やるしか…ないのか……)
蓮斗
どうした、こんな所で
ヒロキ
あ、あぁ…いえ
ヒロキ
部活の道具を取りに来ただけです……
蓮斗
…そうか
蓮斗
……
ヒロキ
ど、どうかしましたか…?
蓮斗
あぁ…すまない
蓮斗
昔の友人によく似ていたものでな
ヒロキ
……友人、ですか
先生は倉庫の物を物色し始めた
今……やるしかない
ヒロキ
(今しか……ないんだ!)
僕はカッターを持った手を大きく上げ、
精一杯振り下ろした
…が
ヒロキ
…えっ
蓮斗
なんのつもりだ
蓮斗
……赤崎
僕の手は先生に留められた
ヒロキ
……あ…あ
ヒロキ
ち、ちがうんで…す
ヒロキ
ご、ごご…ごめんなさい……!
蓮斗
……
蓮斗
ここなら誰も来ない
蓮斗
正直に言ってもらう。
ヒロキ
……っ
ヒロキ
で、でも
蓮斗
言え
ヒロキ
……桐島たちに
ヒロキ
…倉吉先生がうざいから怪我をさせろって、
ヒロキ
それからここを追い出せって…
ヒロキ
ごめんなさい……
蓮斗
蓮斗
潮時か…
ヒロキ
……え?
蓮斗
お前に
蓮斗
俺の計画を打ち明ける。