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アオハル

第2話 - アオハル«2»~陸視点~

2019年06月30日

#RINGO🍎

#恋愛

#アオハル

たぴ

前野陸

(何としてでも守りたい)

前野陸

(自分のことなんてほっておいたって)

前野陸

(俺は紬を守りたい)

和田翔太

紬ちゃん？

前野陸

あぁ、

前野陸

(たとえ紬の気持ちがどうであろうと)

前野陸

(俺は紬が)

佐野陽葵

あの、前野くん

和田翔太

陸？

和田翔太

どうかしたか？

前野陸

うん、大丈夫

前野陸

どうしたの、佐野さん

佐野陽葵

あ、えっと、、

和田翔太

俺教室戻ってるわ

前野陸

あ、あぁ

佐野陽葵

ごめんね

佐野陽葵

えっと

佐野陽葵

私、、

前野陸

落ち着いて。

佐野陽葵

私、前野くんと仲良くなりたい

前野陸

え？

前野陸

(なんでまた急に)

佐野陽葵

お願いします！

佐野陽葵

陸くんには迷惑かけないようにするから

前野陸

(理由くらい言えよ)

前野陸

(めんどくせー)

前野陸

あのさ、なんで俺？

佐野陽葵

私、、好きなの

前野陸

は？

佐野陽葵

翔太くんが好きなの

佐野陽葵

だから、

前野陸

俺と仲良くなれば翔太に近づける？

前野陸

そんなにあまくねぇーよ

佐野陽葵

まって！

前野陸

わるい

前野陸

俺、そーゆーの嫌いだから

佐野陽葵

ゴメン、まって陸くん

佐野陽葵

でも私

前野陸

無理だっつってんだろ

前野陸

(いくら紬の友達でも)

前野陸

(何回こんなこと経験しなきゃなんねーんだよ)

前野陸

クッソ、ムカつく

和田翔太

随分冷たいんだな

和田翔太

なんかあったか

前野陸

俺はお前目当てで！……

和田翔太

俺？

前野陸

いや、なんでも

佐野陽葵

あっ

佐野陽葵

和田くんと前野くん

佐野陽葵

ゴメンね

佐野陽葵

私、先いくから

和田翔太

ああ、

前野陸

……

前野陸

(ムカつく)

和田翔太

お前なぁ

和田翔太

何があったとしてもあの態度は

前野陸

俺は！

前野陸

お前目当ての女子が

前野陸

嫌いなんだよ…

和田翔太

落ち着けよ。

和田翔太

紬ちゃんといっしょにいるなら

和田翔太

嫌でも佐野さんとの距離は縮まる

和田翔太

お前だって分かってるだろ？

前野陸

それは……

前野陸

(分かってる。そんなの)

前野陸

(ただ、翔太への踏み台みたいにされるのが)

前野陸

(何より辛い)

前野陸

悪かったよ翔太

和田翔太

いいんだよ俺になら

和田翔太

ただ、紬ちゃんには

和田翔太

そーゆー態度取るなよ

前野陸

分かってる…

前野陸

(紬…お前には絶対に)

加藤紬

助けてひまりー

佐野陽葵

何言ってんの？

佐野陽葵

前野くんみてるよ？

加藤紬

え！？

前野陸

ハハッお前は北極にでも行っとけ！

加藤紬

なにー！

加藤紬

おい、陸！

前野陸

ゴリラが怒ったー！

加藤紬

はー！？

加藤紬

ゴリラって言った方がゴリラですぅー…

前野陸

フッ

和田翔太

陸、俺…

前野陸

ん？

和田翔太

紬ちゃんが……

前野陸

待てっ

前野陸

お前…

和田翔太

自分でも分かってる

和田翔太

こんなの最低だって

和田翔太

ただ

前野陸

もういい

前野陸

翔太、お前だけは

前野陸

信じてた

前野陸

信じたかった……

前野陸

(翔太とライバルなんて)

前野陸

(ぜってぇ勝てないのに)

和田翔太

陸、どこに

前野陸

わかんねぇけど

前野陸

今は遠くに行きたい

和田翔太

悪かった

和田翔太

忘れてくれてい、

前野陸

そんなの

前野陸

できるかよ

前野陸

(クッソ……)

前野陸

(あれ、教室に誰か…)

前野陸

(紬？)

加藤紬

はあぁ、

前野陸

紬？

加藤紬

わわっ！陸！？

前野陸

(どうしたんだよため息なんかついて)

前野陸

(もしかして、さっきの！？)

前野陸

お前、大丈夫か？

前野陸

なんか悩んでるんだったら相談しろよ？

加藤紬

あ、ありがと

前野陸

(俺、急に何言ってんだよ)

加藤紬

ねぇ、

前野陸

ん？

加藤紬

私のことなんでそんなに気を使ってくれんの？

前野陸

そ、そうか？

前野陸

(やっぱ怪しまれたし)

前野陸

なんとなく、じゃね？

前野陸

(なんでって)

前野陸

物心着いた時からずーっとお前がいたから

前野陸

俺の中からお前は消せないよ

前野陸

(これが本心の)

前野陸

(半分)

加藤紬

そ、そうなんだ

加藤紬

でもさ、陸には感謝してるよ

加藤紬

ありがと

前野陸

なんだよ、急に改まって

前野陸

(佐野が何か言ったんじゃないだろうな)

加藤紬

なんでもないの、ただ

加藤紬

聞いてみたかっただけ

前野陸

(ほんと、何があったんだ？)

前野陸

悩み事

加藤紬

は？

前野陸

なんか悩んでんのか？

前野陸

元気ねーし

前野陸

(いつもの紬はもっと元気いっぱいだよな)

加藤紬

そんなことないよ

加藤紬

……／／／

前野陸

(なんだよこいつ)

前野陸

俺も紬には感謝してる

前野陸

だから紬の役に立ちたい

前野陸

(元気にしたい)

前野陸

俺は心配してんだよ

前野陸

(思いつくことといば)

前野陸

さっきの言い合いでなんかまずいことでも言ったのかって

前野陸

だらら、ごめん！

加藤紬

そんな！ホントになんでもないよ

前野陸

(我慢、してんのか？)

前野陸

紬、強くなったよな

前野陸

(俺何言ってんだよ、でも)

前野陸

昔はガキ大将におもちゃ取られただけで泣いてたのに

加藤紬

う、うん

前野陸

いらないのかな

加藤紬

え？

前野陸

俺がいなくても大丈夫なのかな

前野陸

(紬には翔太がいるし)

加藤紬

そんなことない！

加藤紬

私は陸に守られたい

加藤紬

陸じゃないと嫌！

前野陸

(何必死になってんだよ)

前野陸

(そんなに翔太の近くにいたいかよ)

加藤紬

私は陸が

カタンッ

前野陸

なんの音？

加藤紬

廊下？

前野陸

(まさか翔太か？佐野か？)

ダラダラと開いたドアの先

オレンジ色に照らされた廊下には誰もいなかった

前野陸

ただいま、

陸へおかえりなさい。お母さんはまた仕事に行ってきます。帰るのは1週間後位になりますこれでご飯買って食べてねいつもいなくてごめん。大好きだよ、母より

前野陸

(またかよ)

前野陸

クッソ……

前野陸

(翔太も佐野も紬も)

前野陸

(なんなんだよ)

前野陸

(紬はそんなに翔太が好きなのかよ…)

前野陸

俺の方がズット昔から紬が…

加藤紬

おはよぉー

佐野陽葵

おはよ、紬

小林茉莉

お、おはよー

加藤紬

あ、陸

加藤紬

おはよう

前野陸

ん。

前野陸

(昨日あんなことがあってなんでそんなに普通なんだよ)

加藤紬

はあぁ、

佐野陽葵

大丈夫？

佐野陽葵

なんか元気ないけど

小林茉莉

もしかして前野くん？

加藤紬

え！？

前野陸

(やっぱり俺かよ)

佐野陽葵

昨日、なんかあった？

加藤紬

なんで、

前野陸

(もしかして昨日聞いてたのは佐野…？)

佐野陽葵

分かるよ

佐野陽葵

ね、茉莉

小林茉莉

……

佐野陽葵

茉莉？

小林茉莉

あぁ、うん。ごめん

加藤紬

そう、かな

加藤紬

……

佐野陽葵

紬、紬？

佐野陽葵

紬！紬！？

加藤紬

へ？

佐野陽葵

あんた、ホント大丈夫？

佐野陽葵

なんか悩み？

加藤紬

違う！

加藤紬

ちょっと考え事

前野陸

(ぜってー嘘だろ)

小林茉莉

何かあったら聞かせてよ

加藤紬

ありがとう。

前野陸

(勇気を出せ、俺)

前野陸

紬

加藤紬

陸……

前野陸

ちょっといいか？

加藤紬

うん。

加藤紬

行ってくる

佐野陽葵

はーい

前野陸

(こうなったらハッキリさせる)

加藤紬

陸

前野陸

昨日の続き

加藤紬

……

前野陸

紬さ、翔太のこと好きなの？

前野陸

(率直に聞いてしまえ)

加藤紬

翔太？

加藤紬

なんで？

前野陸

昨日の言葉聞いてさ、

前野陸

俺の近くにいたい理由があんのかなって

前野陸

よくいるんだよ

前野陸

翔太目当てで俺に近づいてくる女子

前野陸

だからお前も

前野陸

(佐野と同じなのか？)

加藤紬

違う！

加藤紬

絶対に

加藤紬

それだけは無い

前野陸

(全力否定…)

前野陸

信じていいのか？

加藤紬

いいよ！

加藤紬

いいから言ってる

前野陸

昨日家帰ってからさ、考えたんだ

前野陸

それで落ち着いてみたら

前野陸

昨日の紬はおかしかった

前野陸

翔太に近ずけなくなるのが嫌なのかなって。

前野陸

(悔しい…)

加藤紬

陸……？

前野陸

不安で不安でしょうがなくて

前野陸

(もうなんでもいいや)

前野陸

たとえ紬が翔太を好きだとしても

前野陸

このままでいようと思った

前野陸

(いけ、俺)

前野陸

紬、俺は紬が好きだ。

前野陸

幼稚園の入学式

前野陸

お前が泣いていたあの時からずっと

前野陸

もし紬が翔太を好きなんだとしても

前野陸

俺は紬が

加藤紬

私も…！

前野陸

(は？)

加藤紬

私も陸が助けてくれたあの日から

加藤紬

陸が好き。

加藤紬

勝手に勘違いしないでよ

加藤紬

私も

加藤紬

陸が好きだよ。。バカ

前野陸

(紬…！)

ギュッ

前野陸

(嬉しい、、)

加藤紬

陸……

前野陸

やっと、やっとつかまえた

前野陸

良かった、紬が翔太のためにここにいるんじゃなくて

加藤紬

そんなこと

加藤紬

絶対にないよ…

前野陸

(紬も教室行ったし俺も戻るか…)

和田翔太

陸

前野陸

翔太…

前野陸

お前、聞いてたのか！？

和田翔太

……

和田翔太

おめでとう

和田翔太

俺の完全敗北だよ

和田翔太

元々俺の割り入る場所なんて

和田翔太

どこにもなかったんだよ

前野陸

翔太……

前野陸

俺はさ、翔太に紬は渡せない

前野陸

でも

前野陸

翔太とずっと

前野陸

友達でいたい

和田翔太

フンッ…キメやがって

和田翔太

俺もだよ陸

前野陸

ありがとう、、翔太…

前野陸

(翔太の腕はゴツゴツしていて)

前野陸

(紬のとは比べ物にならなかった)

前野陸

(紬、俺は絶対に)

前野陸

(お前を悲しませなりしない)

前野陸

(翔太のためにも、絶対に)

アオハル ~気持ちの色~ 第2話終

アオハル

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