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休日に定食屋に立ち寄った 多良木音弥 (たらぎおとや)は

そこで女性を偶然見かけた

女性

・・・・・

多良木音弥

(え?)

音弥はその女性に釘付けだった

多良木音弥

(あの量をひとりで
食べるのかな?)

多良木音弥

(いやいや、さすがに
ひとりは無いか?)

多良木音弥

(ツレの人がトイレに
行ってるのかな?)

女性

いただきます

女性は手を合わせると 運ばれてきた大量の 食事を口に運ぶ

多良木音弥

(え?食べ始めた?)

多良木音弥

(え?て事は
まじで1人?)

多良木音弥

(だってあの量だよ?)

女性のテーブルには ハンバーグ定食にカレーライス 大盛りカツ丼に味噌ラーメン

女性ひとりでは到底 食べきれないであろう 数人分の食事が並べられていた

多良木音弥

(す、すげーな
あの人・・・)

多良木音弥

(でも本当に
食べ切れるのかな?)

音弥は女性に対して 驚きの視線を向けると同時に 疑惑の視線も向けていた

本当に女性1人でこの量の食事を 食べ切れるのだろうか?と

しかし男のそんな不安は 女性の並外れた食いっぷりにより かき消される

多良木音弥

(やば・・)

女性は食事を楽しんでいるようで 満面の笑みで食べ進めていき 次々と皿を開けていく

多良木音弥

(・・・・・)

音弥は空いた口が塞がらないと 言った様子で女性を見つめる

女性

ふぅ〜・・・

女性

美味しかった

女性

ごちそうさまでした

女性は満足げな表情で 口の周りを紙ナプキンで拭く

多良木音弥

(やば・・本当に
ひとりで食べちゃったよ)

多良木音弥

(俺なんてまだ
食べきってないのに)

時間にしておよそ約20分

テーブルに並べられていた 大量の食事は綺麗さっぱり 女性の胃袋の中に収まっていた

店員

まぁ!今日も
いっぱい食べたわね

女性

はい!ここのお料理
どれも美味しいから
つい食べちゃうんですよね

店員である中年女性に 話しかけられた女性は 恥ずかしいそうに小さく笑う

店員

そんなに食べてくれて
ありがたい限りよ

女性

じゃあ、ちょっと
お手洗いお借りします

店員

ええ!いいわよ!

女性はそう言うと席を立ち お手洗いへ向かって歩いていく

多良木音弥

・・・・・

女性を見つめていた音弥は 店員と目が合う

店員

たくさん食べるでしょ?
あのお客さん

多良木音弥

ええ・・・

多良木音弥

驚いちゃいました

多良木音弥

常連さんなんですか?

店員

ええ!そうなの!

店員

週に2回くらい
来てくれるのよ

店員

見慣れてるはずなんだけど

店員

やっぱりあの
食いっぷりには
毎回驚いちゃうわ

多良木音弥

ふー・・ん
そうなんですね

音弥はそれとなく お手洗いの方を見つめる

店員

気になる?

多良木音弥

あ、いや
すいません

多良木音弥

そういう訳じゃ

店員

詮索するのは
野暮じゃないかしら?

多良木音弥

あ、いや
そうじゃなくて

多良木音弥

綺麗な人だったから・・

店員

あはは!そういう事ね

店員

確かに美人よねあの子

店員

スタイルだって抜群だし

店員

あの体のどこに
あの量が入るのが
不思議でたまらないわ

多良木音弥

確かにそうですね

店員

でもここだけの話

店員

彼氏居ないらしいわよ?

店員は音弥に そっと耳打ちする

多良木音弥

え!?ホントですか!?

店員

ちょっと!
声が大きい!

多良木音弥

あ、すいません

多良木音弥

でも本当なんですか?

多良木音弥

彼氏が居ないって

多良木音弥

引く手あまた
感じですけど

店員

中々彼氏ができないって
愚痴ってたからね

店員

多分今も彼氏
居ないはずよ?

多良木音弥

(彼氏居ないのか・・)

店員

なんなら紹介
してあげよっか?

多良木音弥

あ、いや、俺なんて・・

店員

よく見たらアナタ
中々イケてる顔してるわね

多良木音弥

いやぁ、あはは・・・

音弥は照れたように笑う

音弥が店員と談笑していると お手洗いから女性が出てくる

女性

おばさん

女性

今日はごちそうさまでした

女性はそう言うと テーブルの上に代金を置く

店員

いつもありがとうね

店員

また来てね?

女性

はい!また来ます

多良木音弥

(え?帰っちゃう?)

多良木音弥

(まじか!)

音弥は残った料理を 口に頬張り

多良木音弥

ぼじぞうざま
(ごちそうさま)

音弥はテーブルの上に代金を置き 慌てた様子で店を出る

店員

はーい!
ありがとうございます

店員

何を慌ててるのから?

店員

あ!もししかして

店員

・・・・・

店員

ふふふ、青春ね

音弥は店を出ると 女性を追いかけて走る

多良木音弥

あ、あの!

女性

ん?

女性は背後に振りむく

多良木音弥

はぁ・・はぁ・・

多良木音弥

やっと追いついた

女性

あの・・・
どうかされました?

多良木音弥

あ、いや、どうっていうか

多良木音弥

その・・・

女性

ん?

女性は突然の出来事に首を傾げる

多良木音弥

実はさっき定食屋で
偶然あなたの事を
見かけまして

女性

え?定食屋で?

女性は恥ずかしそうに 頬を赤く染める

多良木音弥

それで・・その

多良木音弥

なんというか・・・

多良木音弥

一目惚れしちゃいまして

女性

え?一目惚れ?私に?

女性は驚いたように目を見開く

多良木音弥

は、はい・・・

女性

・・・・・

多良木音弥

なんというか・・その

多良木音弥

たくさん食べてる姿に
魅力を感じたんです

女性

魅力・・・

多良木音弥

初対面のヤツにいきなり
こんな事言われても

多良木音弥

気持ち悪いと
思いますけど

多良木音弥

その・・仲良く
なりたいなぁ・・なんて

女性

連絡先の交換を
したいって話ですか?

多良木音弥

あ、は、はい・・

多良木音弥

よかったらLIMEの
交換なんて
出来たらなぁ・・って

女性

・・・・・

多良木音弥

あ!迷惑だったら
全然言ってください!

多良木音弥

もうこんな事
言ったりしませんから

女性

・・・・・

女性は少し考えて

女性

い、良いですよ・・

多良木音弥

え!?

女性

いや、え!?
じゃなくて

女性

連絡先の交換・・

多良木音弥

え!?ホントに!?

多良木音弥

良いんですか!?

女性

は、はい・・・

女性は恥ずかしそうに 小さく笑う

多良木音弥

勇気出して声かけて
よかったぁ〜・・

音弥は安心したように 胸を撫で下ろす

女性

ふふふ、大袈裟ですよ

多良木音弥

あはは、すいません

多良木音弥

女性に声かけるなんて
人生で初だったんで

女性

あ、そうだったんですか?

多良木音弥

さっき彼氏が
居ないって聞いたから

女性

え?誰から
聞いたんですか?

多良木音弥

あ、しまった!
いや、こ、これは、その

音弥は口が滑った事で 慌てたように言葉を詰まらせる

女性

あ!定食屋の
おばさんですか?

多良木音弥

あ、は、はい・・

多良木音弥

すいません・・・

女性

もぅ!おばさんったら
すぐ喋っちゃうんだから

多良木音弥

でも・・本当に
居ないんですか?

女性

たくさん食べる人って
嫌厭されがちですから

多良木音弥

そういうもんですかね

多良木音弥

俺は逆に惹かれますけど

女性

ふふふ、ありがとう
ございます

多良木音弥

あ、そういえば
まだ名前を
言ってませんでしたね?

多良木音弥

俺は多良木音弥
って言います

女性

音弥さんですね

卯木莉子

私は卯木莉子
(うつぎりこ)
って言います

多良木音弥

莉子さんですね

卯木莉子

ならさっそく
LIME交換します?

多良木音弥

あ、は、はい!
お願いします!

大食いの彼女には秘密がある

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