何回も話し合いを繰り返して
保育園と幼稚園に見学にも行って
私は保育園に通うことになった
登園初日は緊張もあって
なかなか家から出ることができず
郁美
美結
美結
郁美
郁美
こんなやり取りを繰り返して
三十分後にやっと家を出た
保育園に到着すると
同年代の子がたくさんいる環境に驚いてしまい
いっちゃんの背中に隠れてなかなか出ていくことができず
その日は全くなにもできないまま
楽しそうにしている回りの子達を
ただ見ていることしかできなかった
次の日もその次の日も
私はいっちゃんの後ろにずっと隠れ
なにもできずに終わってしまった
でも一週間が経過した頃
アホ美
見たことない女の子が声をかけてきた
美結
郁美
アホ美
結月先生
アホ美
風邪を引いてずっと休んでいたらしく
やっと復活したからなのか
その子はとにかくテンションが高かった
アホ美
美結
アホ美
美結
美結
郁美
この不思議な少女のおかげで
これまでのことが嘘のように
私はあっという間に溶け込むことが出来た
不思議なその子は滑舌が少し悪く
自分で自分のことを
アホ美
と呼んでいたため
私もその子を
美結
と呼ぶようになっていた
生まれて初めての保育園ではわからないことが多く
普通なら知っているはずの歌を知らなかったり
話題にもついていけない私は少し浮いていた
同級生
同級生
でも奈穂美は笑うこともからかうこともなく
アホ美
回りの子達を一括し
アホ美
そう言って何でも教えてくれた
友子
そしてもう一人できた新しい友達
友子と三人で一緒に遊ぶようになった
拓郎
郁美
郁美
拓郎
拓郎
郁美
テレビも見れるようになって
いろんな歌も歌えるようになって
私の世界は一気に花が開いたように
明るく楽しい世界へと変わっていった
いっちゃん達がいないと不安で泣いていた頃とは違い
普通にお泊まり保育にも参加することができて
楽しい保育園での一年は
あっと言う間に過ぎていった
コメント
9件
アホ美ちゃんじゃないですか!!! 優しい子で素敵だなぁ…💭
アホ美ちゃん!!!!!! ここでか……!