コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
お泊りの翌朝のLINE
sk
iw
iw
sk
iw
sk
iw
sk
iw
iw
sk
sk
iw
sk
iw
sk
iw
sk
iw
sk
iw
sk
iw
iw
sk
iw
sk
iw
iw
【sk】 「…むかつく」 照が帰った後、洗濯しようとシーツを外したら転がり落ちてきたピアス。 見覚えのないものだったから、照のかと思って連絡しただけだったのに… 嫉妬深いだけなら全然いい。 信頼されていないのは悲しいし、むかつく。 他の人なんて目に入らないくらい大好きなのに、真っ先に疑ってくる照に無性にいらついてしまった。 俺ってそんなに信用ないの? 写真を送れば済むことだったのかもしれないけど、それじゃ俺の気持ちは晴れない。 照も怒ってたけど、疑ってごめんって言ってくるまで絶対許さないんだからな。 「洗濯するか…」 萎えてしまった気持ちを無理矢理奮い立たせて立ち上がる。 洗濯機を回してツナとシャチとじゃれあっていると、玄関の方から物音がした。 嘘だろ…まさか… 静かにリビングのドアが開いて、その先に立っていたのはむすっとした顔の照。 「ピアスどこ?」 それを確認するためだけにわざわざ戻ってきたの? 怒りを通り越して呆れてため息が出る。 「戻ってくる前に連絡ぐらいしろよ」 「そしたら佐久間絶対来るなって言うじゃん」 「今も帰れって思ってるけど」 目も合わせずに伝えると、照が俺の方へ歩いてきて目の前で膝をついた。 「ねえ、なんでそんな怒ってんの?」 本当に分からない? 本気で言ってるんなら、俺だって本気で怒るよ? 「お前のその無神経さと鈍感さにむかついてんだよ」 傷付いた顔をした照に一瞬胸が痛くなったけれど、傷付いてるのは俺も同じ。 ここで許してしまったらまた同じことを繰り返すのは目に見えている。 「…疑ってるわけじゃない」 「やましいことないかなんて聞いといて?」 疑ってないなんてよく言えたな。 「言葉の綾じゃん…」 「その言い訳で許されると思ってるなら逆効果だよ」 言葉の綾を言い訳にして、これからも疑いの言葉をかけ続けられたら俺の身が持たない。 そんなことより言わなきゃいけないこと、あるよね? 「ごめん、無神経だった…」 「うん」 「でも、心配で…全部確認しないと落ち着かない」 「俺のこと信用できない?」 ちゃんと謝れた照の頭を撫でてあげると、不安げな目が縋るように俺を捉えた。 「…佐久間のことは信じてるよ」 どこらへんが?と聞き返しそうになるのをぐっと堪える。 まだもやもやは残っているけど、頑張って言葉にしようとしている照の邪魔をしちゃいけないと思った。 「大丈夫って分かってるけど、それだけじゃ足りない」 足りないって言われても… 俺の愛って結構重いはずなんだけどな。 愛情表現だって、他の人ならうざがるぐらいしてるんだよ? 「どうしたら大丈夫になる?」 「俺以外が入り込む隙がないって絶対的な安心がほしい…」 「抽象的すぎて分かんないよ」 そうだよね…としゅんとしてしまった照。 自分でもどうにかしたいと思ってることは分かった。 頭では分かってるのに、心が追いついていないんだね。 「俺は、佐久間が絡むと冷静でいられない」 「でも、それじゃだめだよね?」 言っていいことと悪いことの区別は付けなきゃ。 ずっと一緒にいたいから、俺がどんな言葉で傷付くかぐらいは分かっていてほしい。 もちろん、一方的に押し付けたいわけじゃないから、俺だってできることはしてあげたい。 本当はどうしたらいいか自分で考えてほしかったけど… こうなりたい自分に追いつけないだけなら、ちょっと癪だけど、助けてあげるよ。 「冷静でいられなくなりそうになったら、俺に好きって言って」 脈絡なんてなくていい。 直接でも、電話でも、文章でもいい。 「ただ好きって、それだけ言ってくれたら抱きしめに行くから」 そうしたら、突然照が「好き」って言ってきた時は、今頑張ってるんだなって愛しく思えるから。 おまじない程度の馬鹿みたいな策だけど、俺には効果抜群だよ。 「でも、全部我慢しろってわけじゃないからね?」 真面目な照のことだから、あんまり我慢させると今度は1人で全部抱え込んじゃいそうだもんな。 今だって、言われたことを忘れないように真剣に俺の話を聞いてる。 本当にどうしようもなく面倒くさい人だけど、こういうところが可愛くて、目が離せない。 「冷静になれたら、不安なことはちゃんと話して」 いいの?と不安そうに瞳が揺らぐ。 いいに決まってんじゃん。 俺の思い通りになる恋人が欲しいわけじゃない。 嬉しいことも辛いことも分かち合って、お互い思いやれる関係を築きたいだけ。 悲しいことだけを1人で抱え込むつもりなら、それこそ本当に許さない。 「…好き」 ぽつりと照が呟く。 「うん、俺も好きだよ」 「・・・」 にっこりと優しく微笑みかけると、まさかの拗ね顔が返ってきた。 え、何…? なんか言葉足りなかった? 「抱きしめてくれるって言ったじゃん…」 あ、さっき言ってたやつね! 慌てて照を抱きしめると、すぐに背中に手が回された。 「実践が早くてびっくりしちゃったよ」 「いつでも対応できるようにしといて」 まだちょっと拗ねてる。 こんないかつい見た目してるのに、誰よりも可愛い。 こうやって触れ合っているだけで、さっきまでの怒りが嘘みたいに消えてっちゃう。 俺だって好きで好きで仕方ないんだから。 少しずつでいいから、俺の好きの重さも分かってね。 しばらく抱き合ってお互いに落ち着いてから、もう一度照を玄関まで送る。 さっきのピアスは…多分俺のだし渡さなくてもいっか。 あ、でももうひとつ。 「ひかる、わすれもの」 腕を引いて、ちゅ、と照の頬にキスをする。 目を見開いて自分の頬に手を当てると、へにゃへにゃと顔が蕩けていった。 「もー…ばか…」 予想通りの反応に嬉しくなる。 俺にだけ見せてくれるその幸せそうな笑顔が1番好き。 俺の教えたおまじない、たくさん使ってね。 いっぱいいっぱい好きって言って、それと同じ数だけ抱き合いたい。 幸せな言葉を積み重ねて、笑いながら成長したいから。 未熟な今がいつか笑い話になる日まで、辛い時間も2人で幸せに変えていこうね。
-余談- ベッドから転がり落ちてきたピアスは魔が差したあるメンバーが忍ばせたものです。 お兄ちゃんぶってるけど実は隙だらけ。 うちの佐久間さんはズボラなので、シンプルなピアスだったら自分のじゃなくても気付かないの… 照は絶対気付くから見せなくて良かったね☺ この佐久間さんはいつか我が物顔して忘れ物ピアス付けるので、照に気付かれてねちっこい事情聴取受けてほしい