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音割れのせいで聞きにくいビデオレコーダー。 これは、最近死んだクラスメイトが残した遺言……らしい。 ―――なんとか聞こえた内容を、皆さんにもできるだけ同じように伝えよう。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 みなさん、お元気でしょうか? 私はとても元気です。とても……幸せです。 縄があるから自殺しようとしてるように見えますか? ええ、そうです。私は死にます。 幸福の状態で死ぬ事ができるとは……とても有難いとても嬉しい。 だから、皆さんにもこの幸福をお伝え致します。 ある日のことでした―――。 私はいつも通りに登校し、席に着きました。 鞄の中身を机に入れようと、教科書などと共に、机に手を入れました。 その時、痛みを感じたんです。 手を出してみると、血が出ていました。 机の中には大量の画鋲が入っていました。 とにかく冷静になろうと、私は画鋲を片付けました。 これでなんとかなるだろう……と思っていました。 ですが、これで終わりでは無かったのです。 休み時間にトイレに行って戻って来ると……次は机に落書きをされていました。 私は、気づきました。これが虐めなんだと―――。 その現実を受け入れたくなかった私は、少しの間だけ学校を休んだんです。 ほぼご飯も食べていませんでした。 ……そして、数日後。 また登校しました。 すると、次には机も椅子も綺麗さっぱり消えてしまっていたんです。 立ち尽くす私を見て皆は、「あれぇ〜?アンタの机ないじゃん!」と笑ってきました。 拳を握りしめました。……悔しくて。 ……ここまで聞くと、ただの虐めですね。 ですが、違いました。これは神様が私に下さったチャンスでした。 大切な物を見つけるという―――。 また数日後。私は休み時間にトイレに呼び出されました。 そっと扉を開けて中に入ると、陽キャの三人組がスマホを持って待っていました。 「遅くなってすみません」などと言いながら私はお辞儀をしたんです。 ……その瞬間に。 「お辞儀の角度がなってないね」と、私のお腹を殴ったんです。 恐ろしい程に痛くて、私は吐いてしまいました。 元々……体が弱い方だったので。 「うっわ、汚ったな!」 私は咳が止まりませんでした。 陽キャの三人組は「綺麗にしないきゃね」と……。バケツで私に対して水をぶっかけてきました。 陽キャの三人組は「少しはマシになったんじゃない?」「オタク臭やばかったもんね〜!」……とか話して「きゃははははっ」と笑ってて……。 私は恐怖で動くことができませんでした。 ……そんな生活が何日も続いた時、気づいてしまったんです。 私の運命は、神様が決めたものだから……。 私は虐められることによって神様の役に立ってるんだって。 私みたいなクソ野郎は生きてても生きてなくても同じだから。……いや、生きてた方が皆に迷惑をかけてしまう。 だから、必要とされて嬉しかったんです。 役に立とうと思いました。 ……そして、今日。この場所で死ぬこともまた定められた運命。 今日私は死にます。 🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹🔸🔹 虐めにより狂ったクラスメイトは自殺を選んだ。 だが、人生とはそれであっていたのだろうか? 俺はそうは思わない……。 虐めは何があっても……あってはならないものなのだから。 もしも人生を神に決められるのなら……。 そんな人生、願い下げだね。