シクフォニ十二支―ニ

⚠注意⚠ こちらは完全なる二次創作です ご本人様には一切関係ございません 二次創作を知らない方、関係者様などの目に触れないようご配慮下さい 獣表現あります、苦手な方は閲覧をご遠慮下さい オリキャラが出しゃばります、苦手な方はブラウザバック推奨です

＿誰かの声が聞こえる

聞き慣れた、落ち着く低い声だ

ｶﾞﾗｶﾞﾗ…

その声が鮮明になり、体に温もりが触れる

頬をぺちぺちと叩かれ、重い瞼を無理矢理こじ開けた

そこまで言って、どこかいるまちゃんの様子がおかしいことに気づく

ｻﾞｼｭｯ

何かが切れるような音が聞こえると同時に、首に激痛が走った

視界が赤で染まり、自分の体が自分のものでなくなるような恐怖に襲われる

反射的に首に手を当てた

その瞬間、手が大量の生あたたかい液体に触れる

かなりざっくりやられているみたいで、傷口を抑えつけた手は一瞬で血に染まった

それでも、濁り始めた頭をどうにか動かす

斬られた？＿いるまちゃんに？

必死で、目の前の仲間の名を呼ぶ

言いたいことが次々頭に浮かんだ

のに…口が開かない

いるまちゃんの顔が、怯えるように歪んでいたから

血まみれのナイフを持つ手が、震えていたから＿

ﾀﾀﾀ…

言いよどんでいるうちに、いるまちゃんは行ってしまった

俺はひとり、取り残される

この傷を再生できるほどの魔力は残っていない

もう、痛みも感じない

見ず知らずの場所で、見ず知らずの敵に殺されるよりはずっといい

笑い合った仲間の、

飽きるほど見てきた太刀筋

憧れ続けたしなやかで鋭い斬撃

抜けなかった、相手を斬った後に髪をかきあげる癖

それを、最期にもう一度見ることができた

昔、こさめちゃんに言われたことをぼんやり思い出す

けど、一つだけ心残りがあるとすれば…

次々に仲間の声が脳裏に蘇る

そうつぶやき、俺は襲ってくる睡魔に身を委ねた