テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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ある納棺師の日記

第6話 - 序章

2022年08月14日

#第五人格

#イソトレ

#機械技師

#トレイシー・レズニック

#納棺師

#イソップ・カール

ちゃばしら．

彼等の出逢いから数時間後。少しの仮眠をとったイソップは、自ら人が最も集まる時間帯に姿を現した。

エマ

あれ、イソップさん！おはようございますなの！

イソップ

………おっ、おは……おはよう……ございま………ございます。

エマ

今日はお早いなの！

イソップ

そっ……まあ………そうです、ね……。

トレイシー

あれ、イソップさん！今日は早いねえ、何かあったの？

イソップ

……！レズ、ニックさん……。

トレイシーは目を輝かせながら、可愛らしく右手を振る。然し、其れ等の行動全てが“欺瞞”なのだ。

ピアソン

何だぁ、新人はロクに人付き合いもしない癖に、女からよく構われるんだな？

突如泥棒と言う仕事を生かし、イソップの背後に忍び寄ってきたのはクリーチャー・ピアソン。彼が日記中で名前を忘れていた人物である。

ピアソンは何処か不満且つ嫌味を口頭で示しつつ、イソップの肩に腕を乗せた。

イソップ

ひ……っ。

トレイシー

ちょっとピアソンさん！そんな言い方って無いよ！

ピアソン

餓鬼はこんな奴が好きなのか？ええ？ロボットと触れ合いすぎて脳汁がオイルにでもなっちまったか？

ピアソンはトレイシーを嘲笑する。

トレイシー

酷い！僕はちゃあんと“みんな”と関わってるよ！！

エマ

二人とも辞めてなの！

12月25日

泥棒がレズニックを蔑んでいた。ゲームまであと二日。

12月26日

今日は明日のゲームに向けて色々と教えてもらった。・ゲームはサバイバー(僕)とハンターに分かれる。・サバイバーは四人、ハンターは一人。・ゲーム会場は工場や病院など様々で、毎回ランダム。・会場に散らばっている暗号機を五台解読し、脱出ゲートを開けなくてはならない。・ハンターは僕達を攻撃してくる。・攻撃されて倒れてしまったら、ハンターにロケットチェアと言う椅子に座らされる。・時間経過でその椅子が飛び、ゲームから脱落となってしまうが、その前に仲間に助けられれば平気・しかし三回座らされたらその時点で脱落。・三人以上脱出で勝利、二人以上で引き分け、二人未満で負け。・ハンターの数は中々多い。・会場に居るのがハンターと一人のサバイバーという状態になった場合、ハッチと呼ばれる非常口が開く。・ハッチの出現場所は決まっているものの、出現場所は複数箇所存在している。ランダム。

明日、僕と一緒にゲームをするのは・ナワーブ・サベダー(傭兵) ・イライ・クラーク(占い師) ・マーサ・べハムフィール(空軍)

書くのが疲れた。ゲームまであと一日。

天井から垂れ下がる灯りは何処がぎこちなく椅子に座る彼等を照らしている。

灯りの下では、サバイバー達がこれから惨憺たるゲームが行われるとは思えない程、気楽な空間を過ごしていた。

クロスが掛けられた机の上には、無造作に入れられたパンや果物の籠が乗っているが、誰もそれに手を付けようとはしていない。

12月27日、此処は暗がりだが、時刻は丁度正午。愈々始まるゲームに、イソップは細やかな緊張を覚えていた。

すると、己の銃の最終確認を行っていたマーサが、急にテーブルの上に銃を置いて話し始める。

マーサ

今日はいよいよ、カールさんのゲーム参加の日だな。