……なんで、ボク────
キスされてるんだっけ……?
紅紫
(なんか、頭がふにゃってるな…………)
紅紫
紅紫
(ダメだ……、なにも考えられないや…………)
──少し前
慎哉
ただいま
しーん
慎哉
(いないのか?)
卓上に書き置きがあった
地図のようなものが描かれ、左上に紅紫色のハートマークが書かれていた
慎哉
……いったい、誰が?
なんとなく胸騒ぎを覚え、部屋を後にした
慎哉
(この辺りだよな……?)
慎哉
……ん?
慎哉
あそこにいるのは──
紅紫は横たわり、身をまかせるかのように抱きしめられていた
相手の顔が紅紫に近づき────
慎哉
慎哉
まさか
信じられない光景を目の当たりにし、呆然と立ち尽くす
慎哉
(……キスされた?)
くしゃ
どす黒いものが頭をもたげ、持っていた書き置きを握りしめた
相手は紅紫から離れ、どこかへと行ってしまった
真顔で近より……
慎哉
…………
そして
嫉妬をあらわにし、無理矢理抱いた
俺とあんたは“特別な関係“だろう?
なのに、どうして──
紅紫
……ダメ…………
慎哉
──嫌なのか?
紅紫
……だって、跡が…………
慎哉
──いっぱい付けないとな
チュ
紅紫
…………ん
慎哉
ほかの誰よりも、紅紫のこと──
紅紫
紅紫
ヤダ、聞きたく……
遮るように唇を塞ぐ
紅紫
……っ!?
紅紫
(……抗えない…………)
慎哉
ようやく唇を離すと、紅紫は恍惚な表情(カオ)をしていた
慎哉
(……俺だけの)
たとえ誰であろうと、俺たちの仲を邪魔するものは許さない…………