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ガチャッ

篠宮 咲

あれ

綾小路 楓

あ…咲ちゃん…おかえり

篠宮 咲

ずっと待ってたんですか?

綾小路 楓

うん…

篠宮 咲

連絡してくれたら急いだのに…

玄関で待っていた彼女を抱きしめる

綾小路 楓

あ…わ…私が勝手に待ってただけだから…

綾小路 楓

お疲れ様…

篠宮 咲

ありがとうございます

篠宮 咲

楓さんは今日何してたの?

綾小路 楓

ん…っと…

綾小路 楓

配信…して…それでちょっと小説書いてた…

篠宮 咲

えー!偉い!

篠宮 咲

配信だけじゃなくてお仕事もしたんですか?

綾小路 楓

!うんっ…

篠宮 咲

凄いじゃないですか!

頭を撫でると彼女は嬉しそうに笑った

篠宮 咲

じゃあ、腕見せてくれますか?

綾小路 楓

う、うん

シャツの袖を捲らせると少し傷が残った腕が出てくる

篠宮 咲

…うん、新しいのは無い

綾小路 楓

うんっ…

綾小路 楓

咲ちゃん…のおかげ…

篠宮 咲

…そっか

彼女は学生の頃に自分を傷つけていた

理由は付き合ってた彼氏にある

篠宮 咲

先輩

篠宮 咲

アイツと別れた方がいいですよ

綾小路 楓

…私が悪いから…

綾小路 楓

私が…ダメダメだから…

篠宮 咲

っ…先輩!!

篠宮 咲

…私じゃだめなんですか!!?

綾小路 楓

へ…

篠宮 咲

私だったら先輩の事幸せにできます!絶対に!!

綾小路 楓

…咲ちゃん…

篠宮 咲

…ダメですか…先輩…

篠宮 咲

やっぱり女じゃダメですか…

綾小路 楓

…咲ちゃん…あのね…

綾小路 楓

わ…私…すっごい…重いっていうか…

先輩が自分を傷つけた理由

それは彼氏が遊びまくっていて

先輩の想いが重いが故に彼氏に言えず自責に走っていた

篠宮 咲

そんなの…

篠宮 咲

最高じゃないですか

綾小路 楓

……えっ?

篠宮 咲

私ならぜんっっぜん構いません

篠宮 咲

GPSでもなんでも

篠宮 咲

誰とやり取りしてるかとかも全部見ても構いません

篠宮 咲

なので

篠宮 咲

私を選んでください

篠宮 咲

好きなんです先輩

綾小路 楓

先輩が好きだった私は先輩を彼氏から引き剥がした

少し揉めたみたいだけど

彼氏の浮気していた証拠を全部集めて

学校中にばら蒔いて社会的に○してやった

綾小路 楓

さ、咲ちゃん

綾小路 楓

私も何かお手伝い…

篠宮 咲

じゃあ具材を切ってくれますか?

綾小路 楓

うんっ

正直刃物を持たせるのは怖いけど

先輩がやりたいって言うならやらせてあげる

私が近くにいる時なら安心だから

先輩は現在流行りのVTuberをやりながら作家をやっている

顔出ししなくていいし、コミニュケーションもとれるし

家から出なくてもいいからと言って始めた

私もそっちの方面でお仕事がしたいなと思い

今は作曲をしながら時々ライブ、舞台、楽器の収録などをしている

綾小路 楓

咲ちゃんは、今日は何してたの…?

篠宮 咲

スタジオ行って、収録して

篠宮 咲

途中で買い物して帰ってきましたよ

綾小路 楓

そっか…

そんなのは私に着けてるGPSで知ってるくせに

わざわざ確認してくるのがまた愛おしい

篠宮 咲

楓さんの好きなケーキも買ってきたので後で一緒に食べましょ?

綾小路 楓

!うん!

私がなぜ、こんなにも先輩が好きなのか

先輩の愛を受け止めようとしてるのか

それはあの日、たまたま出会った日から

ガラガラ

綾小路 楓

…ん?

綾小路 楓

あら

綾小路 楓

お客さんなんて珍しいわね

たまたま図書室に行った日

そこで出会った先輩

夕陽に照らされてキラキラ輝くその美しい髪と瞳に

私は同性だけど一目惚れをしてしまった

篠宮 咲

(な…んだこの人綺麗……)

綾小路 楓

軽音部の子…よね?

綾小路 楓

ステージで見たことあるわ

篠宮 咲

え…

綾小路 楓

凄くかっこよかった

篠宮 咲

っ…!

何気ないその一言で私は完全に先輩に堕ちた

その後彼氏がいるって聞いてからは少し落胆したけど

チャンスがあるって知った時は積極的に先輩に会った

夜ご飯後

綾小路 楓

ね、ねぇ、咲ちゃん

篠宮 咲

はい?どうしました?

綾小路 楓

収録ってこれ…?

先輩はスマホでSNSを開いて見せてきた

篠宮 咲

お、そうですよ

篠宮 咲

そこのスタジオでやりましたよ

綾小路 楓

へぇ…

先輩は画面を見つめると何かをアップするように指を動かした

綾小路 楓

………

篠宮 咲

何か気になることありましたか?

綾小路 楓

……ぇ…っと…

綾小路 楓

この…隣の男の人は…

篠宮 咲

音響監督さんですね

篠宮 咲

とても良かったと褒めてくれましたよ

綾小路 楓

そ…そっか…

綾小路 楓

じゃあこの横にいる女の子は…

篠宮 咲

ドラムをやっていた人ですね

篠宮 咲

最近彼氏と喧嘩したって言って凄く激しく叩いてましたね

綾小路 楓

!そっか…

篠宮 咲

…安心してくれましたか?

綾小路 楓

……ん…

ソファーに座って膝をポンポンっとすると先輩は対面で座ってくれた

篠宮 咲

……

篠宮 咲

(相変わらずおっぱい大きい…昔より大きくなった気がする…)

綾小路 楓

あの…咲ちゃん…

篠宮 咲

…はい、どうしました?

綾小路 楓

お風呂…一緒に入ろ…?

篠宮 咲

一緒に入ろう

それは先輩からのお誘いの合図

篠宮 咲

はい、もちろんいいですよ

篠宮 咲

明日おやすみなのでゆっくり出来ますね

綾小路 楓

っ…うんっ…

綾小路 楓

…あのね…

綾小路 楓

…今日は…は…激しめ…が良い…

篠宮 咲

篠宮 咲

…はい、もちろん愛させていただきますね

篠宮 咲

(可愛いなぁ…もう…)

数年前

私は初めて付き合った事に浮かれていた

だけど、まさかそれが私にとって悪夢のような経験になるとは思わなかった

綾小路 楓

い…いたいっ…

元彼

はぁ?我慢しろよ

綾小路 楓

やめ…っ…やめてっ…

私の事を性処理道具としか思っていない彼氏

最初はそんな事なくて、すごく、すごく優しかったのに…

付き合った途端直ぐに一線を超えた

綾小路 楓

ね…ねぇ、昨日一緒に居た人は誰だったの…?

元彼

は?

元彼

お前に関係ねーじゃん

綾小路 楓

で…でも…

綾小路 楓

…っ…やっぱり私…別れる…

元彼

は?

元彼

俺以外にお前を拾ってくれるやつなんていないんだよ?

元彼

分かってる?

綾小路 楓

っ…

でも、彼は本当は優しい

優しいんだから…私がわがままを言ったらダメ

そうして我慢してきてた

自分を傷つける事で、生きてる事を実感していた

だけど突然私に風が吹いた

文化祭のステージで堂々と演奏して歌っていた

最近仲良くなった女の子

篠宮 咲

先輩

篠宮 咲

好きです

篠宮 咲

アイツじゃなくて

篠宮 咲

私を選んでください

綾小路 楓

え…

真剣な表情で私に手を差し伸ばす

少し私より背が低い女の子

左手の指先は皮がめくれていて頑張って練習してる人の手をしていた

綾小路 楓

っ…私…

愛されたい

彼氏に別れを切り出しても彼はしつこく私に執着していた

それに悩んでいた日々は突然パタンっと無くなった

彼が推薦を取り消され、退学したのだった

女子生徒

ねぇ聞いた?

女子生徒

聞いた聞いた!最低だよね…

綾小路 楓

(一体…何が…)

篠宮 咲

先輩

綾小路 楓

…咲…ちゃん…?

篠宮 咲

もう大丈夫ですよ

綾小路 楓

へ…?

篠宮 咲

先輩を傷つけるものからは私が守ります

彼女は私の手を握った

篠宮 咲

…私と…付き合ってくれますか

綾小路 楓

っ…

ニッコリと笑う彼女

その瞬間背筋がゾクッとした

そして分かった

綾小路 楓

(ああ…本当に私を愛してくれる子がいる…この子が…そうなんだ…)

綾小路 楓

…っ…はい…

綾小路 楓

わ…私で良ければ…

あれから卒業して、大学在学中に同棲を始めた

そしてお互い大学も卒業して就職しても一緒にいる

それは彼女が私の不安をいつも拭ってくれるから

篠宮 咲

楓さん

篠宮 咲

もう一回いいですか…

綾小路 楓

っ…うんっ…

綾小路 楓

私も…シたい…っ…

痛いことはしない、私が嫌な事はしない、少しでも不安を感じればさりげなく教えてくれる

多分、もう

私はこの子無しじゃ生きていけない

この子に別れるって言われたら

私は死ぬつもり

綾小路 楓

っ…咲ちゃ…

篠宮 咲

楓さん…好きです…好き…

綾小路 楓

うん…私も好き…っ…

楓さんは病んでると見せかけて私も大概病んでる

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