貴方はとっても、不思議な人。
ねぇ、何してんの?
あっ……えっと、その……。
高校生?学校は?
……怖くて。
あっははははは‼︎
皆の笑い声が、私に向けられたものみたいで。
省かれるの怖くて、偽って。
え……課題?
うん!ちょっと見せてくれるだけでいいんだ!
ほら、うちら“友達”じゃん?
……うん、分かった……。
“利用されてる”って分かっても……
孤独が怖くて……。
孤独が怖くて……。
だから今日だけ……
サボっちゃったんです。
サボっちゃったんです。
ふーん……。
情けないですよね……私。
情けない?まさか。
サボっちゃおうよ、1日くらい。
そう言ってお兄さんは、 透き通った笑顔を見せた。
「逃げたら負けだ」って、
大人は綺麗事言うけどさ、
大人は綺麗事言うけどさ、
逃げ切ればこっちのもんだって!
いっぱい逃げりゃいいんだよ!
いっぱい逃げりゃいいんだよ!
どーせ将来なんてどーにでも
なるからさ。
なるからさ。
……なんか、すみません。
変な事聞かせてしまって。
変な事聞かせてしまって。
……あのね嬢ちゃん、
こーゆー時は謝んなくていいの。
こーゆー時は謝んなくていいの。
えっ?
助けてもらった時は
「ありがとう」でいいんだよ。
「ありがとう」でいいんだよ。
あっ、ありがとうございます!
ん、じゃあ一緒に走ろ!
えぇ⁉︎
走れば全部スッキリするよ!
多分!
多分!
え、えぇ……?
腕を引かれて、勢いだけで走る。
風が冷たくて、気持ちがいい。
自分の悩んでたことが馬鹿らしいくらい、 海は広くて、透き通っている。
あの、お兄さんお仕事は……?
あぁ仕事?
まだ開始時期じゃないんだ。
うちの仕事は不定期でね。
まだ開始時期じゃないんだ。
うちの仕事は不定期でね。
だからさ、
俺に全部吐き出しなよ。
透き通るように見えた彼は、
さざなみと共に消えた。