私は暗い森の中を慎重に進む
怪しい雰囲気の森は、モンスターでも出てきそうだ
優芽
優芽
つい、本音をこぼしてしまう
歩きにくい足元は、少し湿っていた
……なんでこんなことしてるんだろ…
もう、引き返そうかな……
華恋には、何も無かった。って言えば良いし……
???
穏やかな歌声が聞こえた
???
優芽
優芽
私の大好きな曲
気づくと、歌ってしまった
???
???
私を求めるような声に、寒気がして
回れ右をすると、足元の砂利が鳴った
???
必死な声が聞こえた
その声を辿るように、私は歩いて…
優芽
背が高くて、ふわふわの黒髪で
眠そうな目が印象的な男の人
???
???
???
ふわりと笑って、君が言った
綺麗な瞳に、前髪がかかる
陽太
優芽
陽太
私の名前を呼んだ
ポカポカと、心が暖まる気がして
太陽みたいだな………
と思った
優芽
『ジャガーノート』
君がさっき歌っていた曲だ
私が聞くと、君は恥ずかしそうに頭を掻いた
陽太
陽太
ははは、と笑う君はやっぱり太陽で。
これがもう一つの太陽……?
なんて、思ってしまった
優芽
低くて、安心する声
背中を押してくれるような、優しい声
陽太
陽太
陽太
目をキラキラさせて、彼は聞いた
さっきまでの眠い目が、嘘みたい
陽太
陽太
輝く笑顔を見つめて、いると
心までもが暖かくなる
少しずつ、私も元気になる気がする
優芽
優芽
優芽
優芽
優芽
優芽
夢中になって話した
いままで、こんなに夢中に話したことなんて無かった
……けど、
君に伝わってほしくて。
陽太
また、ふわりと笑った
それはやっぱり、太陽のようで……
陽太
太陽が月に変わる
そう表現できるように、表情が変わった
優芽
優芽
陽太
ホッとしたように笑った
まるで、太陽のように。
優芽
戸惑う私に、君はそっと語りかけた
陽太
陽太
陽太
陽太
陽太
木漏れ日からは、太陽の日差しが入ってきて
君に反射する
ふわふわの黒髪が、つやつやと光った
陽太
陽太
陽太
宝石みたいな瞳が私を真っ直ぐ見た
なんだか恥ずかしくなって、目を反らす
優芽
優芽
優芽
と呟いた
陽太
茶化すように言うと、頭に君の手が乗った
クシャクシャと頭を撫でる君
優芽
君はどんな顔をしてるんだろう
笑ってるかな?楽しんでいるかな?
哀しんでるかな?怒っているかな?
どんな顔でも、見たいと思った
陽太
撫でるのを止めて、君が私を見る
真剣な瞳を見るのは五分前ぶりだ
優芽
陽太
『どうして今だけなの?』
とは、言わなかった
君の瞳が真剣すぎたから。
優芽
優芽
優芽
ニッコリ笑って返すと、君も笑った
それは、木漏れ日に負けない明るさだった
続く
コメント
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こちらこそ!
ありがとうー!((タメ口全然いいよ笑