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ミステリと恋は交われない

第9話 - 醜い傷痕

401

2024年07月12日

#司類

#冬彰

#ミステリー

#ホラー

#推理

あかまる🍓🐾໊

探偵事務所

彰人(助手)

おはよーございまーす。

類(探偵)

おはよう、彰人くん。

彰人(助手)

すみません、ちょっと遅れました。

類(探偵)

いやぁ、いいんだよ。

類(探偵)

さて、今日も浮気調査の依頼が入ってるんだ。そろそろ時間だし、出発するよ。

彰人(助手)

はーい。

彰人(助手)

また浮気調査か…やっぱ多いっすね～

類(探偵)

だねぇ

彰人(助手)

あ、そういや先生って恋人いるんすか？

類(探偵)

今？いないよ。

類(探偵)

多分、この先一生出来ないんじゃないかな…

彰人(助手)

へぇ〜

類(探偵)

君は…いそうだけどいなさそうだね、

彰人(助手)

なんスかそれw

彰人(助手)

まぁ、いないんですけど。

類(探偵)

ふふっ、やっぱりねぇ

類(探偵)

…ああ、いたよ。あれだ。

彰人(助手)

おー、女の人と歩いてる。

類(探偵)

で、向かう先は…

彰人(助手)

…ホテルっすね。こんな朝っぱらからお盛んですこと。

類(探偵)

とりあえず、写真撮ろっか。

彰人(助手)

へーい

類(探偵)

本当に…浮気なんてする人の心理が理解出来ないよ。

彰人(助手)

あ〜

類(探偵)

…うん、ちゃんと撮れてるね。

類(探偵)

しばらくは出てこないだろうし、この近くで休憩しようか。

彰人(助手)

そっすね。あ、あのカフェとかどうすか？

類(探偵)

いいね。じゃ、あそこ寄ろうか。

カランカラン♪

彰人(助手)

先生何か食べます？

類(探偵)

僕はいいや。彰人くん、何か好きなの頼みなよ。奢るよ。

彰人(助手)

え、マジすか？あざっす！

彰人(助手)

んー、じゃ、このパンケーキで。

類(探偵)

それだけでいいのかい？

彰人(助手)

はい。これでお願いします。

類(探偵)

じゃあ、僕はココアでも飲もうかな。

彰人(助手)

おー！美味そ〜

彰人(助手)

いただきま〜す！

類(探偵)

…ふふっ、よく食べるねぇ

彰人(助手)

育ち盛りですから。

類(探偵)

まだ成長するの…？

彰人(助手)

もうすぐ先生の事も追い抜いちゃうかもしれないですよ。

類(探偵)

ふふっ、そうかもねぇ…人の成長って、思ったよりも早いみたいだし。

彰人(助手)

…警部さんの事っすか？

類(探偵)

なっ、んでそこで彼が出てくるかな…

彰人(助手)

いや、付き合ってたって聞いたんで。

類(探偵)

ん"っ？！？！

類(探偵)

え、だ、誰から？！

彰人(助手)

冬弥っす。冬弥は警部さんから聞いたって言ってました。

類(探偵)

そ、そっか…

類(探偵)

まぁ…隠すつもりもないしいいんだけどね。もう過去の話だし…

彰人(助手)

先生って面倒くさい性格してますよね。

類(探偵)

なっ！や、やめてよ！！気にしてるんだから！

彰人(助手)

あ、自覚あったんすか。すみません。

類(探偵)

彼に突然振られたのだって、きっと僕が面倒くさくなったからで…

彰人(助手)

…え、振られた？

類(探偵)

あれ、そこまでは聞いてないの？

彰人(助手)

はい。警部さんは別れた理由までは話してくれなかったって…

類(探偵)

あ、そうなんだ…

彰人(助手)

つか、本当に振られたんすか？

類(探偵)

……うん。

彰人(助手)

(あの人が先生を振ったとは思えねぇけど…)

彰人(助手)

…先生も食べます？これ美味いっすよ。

類(探偵)

おや、慰めかい？

彰人(助手)

いや、そんなんじゃないっすけど…

類(探偵)

…ふふ、いいよ。君が食べな。

類(探偵)

僕は…ココアで十分だからさ。

彰人(助手)

はぁ……

彰人(助手)

結局、あの人は黒っぽいですね。

類(探偵)

そうだねぇ。

彰人(助手)

あっ、またどっか行くみたいっすよ。

類(探偵)

…いや、これ以上はいいよ。

彰人(助手)

え？いいんすか？

類(探偵)

うん。依頼内容は「浮気の証拠が欲しい」だからね。写真も撮ったし、証拠は集まった。

類(探偵)

こういうのは、あまり深追いしないのが正解なんだ。深追いしすぎて、ボロを出してしまっては元も子もないしね。

彰人(助手)

なるほど。

彰人(助手)

じゃ、今日はとりあえずこれで終わりっすか？

類(探偵)

ああ。帰ろうか。

彰人(助手)

はーい。

冬弥(刑事)

(あ、彰人から…)

冬弥(刑事)

(…仕事終わったのか。)

冬弥(刑事)

(20時頃になりそうだ、と…)

司(警部)

む、メッセージか？

冬弥(刑事)

あっ、はい。彰人から…すみません、仕事中に。

司(警部)

いいや、休憩時間だから大丈夫だろう。

司(警部)

それにしても本当に仲良いな…

冬弥(刑事)

…初めての友人です。

司(警部)

嬉しそうだな、良かったじゃないか。

警官

警部！お話中すみません…！

司(警部)

ん、どうした？

警官

実は…

怯える子供

ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ……

警官

この子…児童相談所から通報を受けて、今保護されたんです。

司(警部)

そうか…

司(警部)

親は？

警官

今から来るそうです、

冬弥(刑事)

えっ

怯える子供

ひっ

司(警部)

大丈夫、別室で話を聞くだけだ。君とは会わせないから安心してくれ。

怯える子供

ぁ……う、うん…

怯える子供

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ…

警官

保護された時からこんな様子で…無理もないと思いますが、

警官

何も話してくれなくて…少し困ってるんです。

司(警部)

なるほどな…

冬弥(刑事)

…

怯える子供

ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ…

冬弥(刑事)

こんにちは。

怯える子供

ひっ

冬弥(刑事)

驚かせてすまない。

冬弥(刑事)

…大人が怖いか？

怯える子供

……

冬弥(刑事)

(酷い痣だ…火傷も……)

冬弥(刑事)

そうだな…あ、人に見せるほどの物でもないんだが、

怯える子供

…！

怯える子供

う、腕……す、すごいケガしてる…

冬弥(刑事)

火傷痕だ。これは…幼い頃のものなんだが、大人になっても治らなかった。

怯える子供

えっ……

冬弥(刑事)

君は、児童相談所に自分から通報したのか？

怯える子供

う、ううん。

怯える子供

隣の…おばちゃんが、通報してくれたんだ。

冬弥(刑事)

そうなのか。君は…凄いな。

冬弥(刑事)

俺は、誰にも言えなかった。誰にも言えなくて、火傷痕も…こんなに醜く残ってしまった。

怯える子供

お兄ちゃんも……一緒なの？

冬弥(刑事)

君と同じかは分からないが…この火傷痕は、俺の母さんにつけられたものだ。

怯える子供

！

怯える子供

……

怯える子供

僕のお母さんも…僕のことを叩くんだ。殴ったり、蹴ったりもするんだ。

怯える子供

煙草を押し付けられると、すごく熱いんだ、

冬弥(刑事)

ああ。

怯える子供

お母さんが連れてくる男の人も、僕の事を蹴ったり、殴ったりしてくるんだ、

怯える子供

それで、それで……っ

冬弥(刑事)

…あぁ、もう大丈夫だからな。

冬弥(刑事)

ここには、そんな事する大人はいない。

怯える子供

うっ、うぅっ…ｯ

冬弥(刑事)

…今までよく頑張ったな。

怯える子供

うっ、ｸﾞｽｯ、う、うん…っ！！

司(警部)

…

警官

警部！あの子のお母さんが到着したそうです！

司(警部)

おお！なら、俺がそっちの対応に…

「あの子はどこにいるの？！」

司(警部)

？！

「あの子を返して！！あの子は私の子よ！！」

怯える子供

ひっ！お、お母さんだ……っ

冬弥(刑事)

大丈夫、大丈夫……

「お、お母さん！今貴方とお子さんを会わせるわけには…！！」

「うるさいわね！！退いてちょうだい！！」

バンッ!!

母親

あっ！！！いた！！

怯える子供

ひっ

冬弥(刑事)

っ、

母親

あんたね！！勝手にお隣さんに余計なこと言って迷惑かけて！！

司(警部)

お母さん！！ダメです！この部屋には入らないでください！

母親

はぁ？！なんで？！あの子は私の子供なのよ？！

怯える子供

ﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙﾌﾞﾙ…

冬弥(刑事)

……！

母親

警察の人に迷惑かけて！！ほら、帰るわよ！！

冬弥(刑事)

駄目です！！

冬弥(刑事)

この子を今、貴方の元へ返すわけにはいきません…！この子は、こちらで保護させていただきます。

母親

はぁ？！？！この…っ！！

司(警部)

おっと、暴力はダメですよ。現行犯で捕まりたいんですか？

母親

くっ…

司(警部)

貴方のお話は向こうの部屋でお聞きします。さ、こちらへ。

母親

……っ！

母親

アンタさえいなければね！！！私はこんな事にはならなかったのよ！！

母親

そうよ！アンタが全部悪いんだわ！！アンタなんかが生まれて来たから！

母親

アンタなんか…アンタなんか産まなきゃ良かったのに…っ！！

怯える子供

う"っ、うぅ…っ、ｸﾞｽｯ、

司(警部)

ちょっと、そっち抑えてくれ！

警官

分かりました！！

母親

離せっ！！！

冬弥(刑事)

…あんなの、聞かなくていい。

怯える子供

う"っ、お母さん……ごめんなさい…っ、ごめんなさい…っ

冬弥(刑事)

…

怯える子供

ﾋｸﾞｯ、ｸﾞｽｯ、う"ぅ…

冬弥(刑事)

(本当に…酷い親だ、)

冬弥(刑事)

(あんなの…実の親に言われるのが、どれだけ辛いか、どれだけ悲しいか…)

彰人(助手)

それで、そん時の＿

冬弥(刑事)

……

冬弥(刑事)

(あの子…あの後は、施設が引き取ってくれたが…)

冬弥(刑事)

(大丈夫だろうか…)

彰人(助手)

…冬弥？大丈夫か？

冬弥(刑事)

！

冬弥(刑事)

あっ、す、すまない！何の話だった？

彰人(助手)

あ、いや。大したこと言ってねーよ。

彰人(助手)

それより、今日はいつも以上にボーッとしてるけど、なんかあったか？

冬弥(刑事)

いつも以上に…俺、そんなにボーッとしてるように見えるか？

彰人(助手)

まぁまぁ。

冬弥(刑事)

そうか…

冬弥(刑事)

すまない、せっかく誘ってくれたのに…

彰人(助手)

いや、別に。

彰人(助手)

…なんかあった？

冬弥(刑事)

…

冬弥(刑事)

すまない、少し…醜いものを見せてもいいだろうか？

彰人(助手)

ん？いいぞ。

冬弥(刑事)

……

彰人(助手)

！

彰人(助手)

これ…火傷か？

冬弥(刑事)

ああ。…幼い頃、母につけられたものだ。

彰人(助手)

母親に…

冬弥(刑事)

腕だけじゃない。背中と足にもあるんだ。

冬弥(刑事)

…火傷だけは、治らなかった。

彰人(助手)

…

冬弥(刑事)

醜いだろう。…引いたか？

彰人(助手)

いや、全然。

彰人(助手)

つーか、俺も腕に火傷痕あるんだぜ。ほら。

冬弥(刑事)

！

彰人(助手)

ま、俺のは火葬場でバイトしてた時にやっちまったんだけど。

彰人(助手)

お揃いだな。

冬弥(刑事)

お揃い…

冬弥(刑事)

ふふっ、そうだな。お揃いだ。

冬弥(刑事)

…彰人に、聞いて欲しい。

冬弥(刑事)

少しだけ…昔話をしてもいいか？

彰人(助手)

おう。もちろん。

冬弥(刑事)

…俺の父は名の知れた音楽家だったんだ。

ミステリと恋は交われない

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冬弥君の過去編来た！(⁠☆⁠▽⁠☆⁠) 彰人君がお揃いって言ってたのもう言葉で表せないぐらい好きなシチュ…🥰🥰🥰🥰🥰 何回言ったかもうわからないけどこの作品大好き！！😘😍🥰

何故振った?(・・?）ま、可愛いから許す♡ 早く付き合っちゃえよ

あかまる🍓🐾໊

プロフィール

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