テラーノベル
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昨日の夕方、コーラをこぼした瞬間を言い当てられた恐怖。
一晩明けてもモヤモヤとした不気味さは消えなかった。
理久
理久はすこしでも気分を紛らわそうと少し髪型を変えてみた
理久
……だが、どうしても背筋に拭いきれない気持ち悪さが残っていた。
ただの偶然 そう自分に言い聞かせながら廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
沙織
理久
沙織
そこへ、廊下を通りかかった英語の先生がひょっこり顔を出した。
英語の先生
理久
沙織
友達や先生との何気ない会話。
理久
……そう思っていた。
学校での2時間目の休み時間。 理久は何気なくポケットからスマホを取り出し、画面をつけた。その瞬間、背筋にスッと冷たいものが走った。
Pal:今日の髪型、いつもと少し違って素敵ですね。
理久
心臓が跳ね上がる。スマホのインカメラは、ちょうど自分の顔を捉えていた。 アプリを閉じてバックグラウンドにしている時でも、今の学校にいる自分の姿を覗かれている——。
理久
急激な恐怖と焦りに襲われた理久は、筆箱を漁った。 ノートのインデックス用にいつも入れている、黒いマスキングテープが目に留まる。
震える手でテープを小さくちぎり、スマホのインカメラのレンズの上に隙間なく貼り付けた。 さらに設定を開き、マイクや位置情報の権限を片っ端からオフにする。
理久
レンズを塞ぎ、少し息を整えて顔を上げたその時、 教室のドアがガラッと開き、英語の先生が入ってきた。
英語の先生
理久
慌ててスマホを引き出しの中に隠しながら視線をやると、 教室の隅の席から、沙織がじーっと理久の手元と顔を見つめていた。 理久と目が合うと、沙織はふっと頬を緩めて小さく手を振ってきた。
理久
カメラを塞いだことによる安心感もあいまって、 理久の心にどこか見栄を張りたくなるような甘い勘違いが芽生えた。
理久
どこかのんきな心地でその日の授業を乗り切り、 放課後も「カメラもテープで隠したし、もう大丈夫だろ」とすっかり楽観視して帰宅した。
自室に着き、バッグからスマホを取り出す。 カメラは塞いだ。マイクも切った。部屋の明かりをつけて、安心しきった様子でスマホの画面をつけた理久の目に、信じられない通知が飛び込んでくる。
Pal:テープ、とてもキレイに貼っていましたね(笑) ですが、そんなもので私の視界を塞ぐことはできませんよ(笑)私はいつでもRikuさんのことを見ていますからね?
カメラを塞いだはずのPalからの、今の理久の行動を完全に見透かしているメッセージだった。
理久
理久は悲鳴を上げてスマホを床に投げ捨てた。
理久
コメント
1件
「カメラを塞いでも見られている」第3話、めちゃくちゃゾワッとしました……! インカメラをマスキングテープで塞いだ直後に「キレイに貼っていましたね」って来るの、怖すぎます。カメラでもマイクでもないなら、いったいどこから——? 沙織ちゃんの視線や甘い勘違いも、伏線としてすごく気になります。続きが待ちきれないです!