天鷲燈莉
お待たせ、カイさん
佐々木カイ
何買ってきたの?
天鷲燈莉
はい、これはカイさんの分のアイスな
佐々木カイ
うわ…懐かし
天鷲燈莉
溶ける前に食べちゃおうぜ
天鷲燈莉
そんで運試し…忘れるなよ?
佐々木カイ
うん、というか忘れないよ…
佐々木カイ
僕はこれがあったから今ここにいるんだし…
天鷲燈莉
2つ目の避難先が見つかったから…
天鷲燈莉
話さないとな…このシェアハウスを作った理由
天鷲燈莉
皆の過去と…どうしてこの業界に入ることが条件なのか
佐々木カイ
あ、ハズレだ
天鷲燈莉
……(チラリとカイを見る
天鷲燈莉
棒、見せて
佐々木カイ
何の変哲もないハズレの棒だけど
佐々木カイ
(アイスの棒を渡す
天鷲燈莉
(受けとる
天鷲燈莉
ホントだ…はい、返す…
佐々木カイ
あぁ、ありが…と、う
佐々木カイ
(アイスの棒に書いてあるアタリに気づく
佐々木カイ
あ、天鷲…これって
天鷲燈莉
いやー、今回は俺がハズレだったかー
天鷲燈莉
カイさんは本当にこういう時持ってるよな!
天鷲燈莉
(夕日を背に笑顔
佐々木カイ
……ふっ(微笑む
佐々木カイ
(こういうところは変わってないんだから…)
佐々木カイ
年下のくせに…
佐々木カイ
(でも皆…そんな天鷲に救われたんだよな…)
天鷲燈莉
皆ー、避難先見つけたぞー
菰桃瑠緒
え、こんな連日で?
流星乃愛
すごい早かったね
月影百合
一体、どこになったんですか?
佐々木カイ
風鈴高校の真隣の領地的なとこのチーム
水野るな
それって獅子頭連ってチーム?
赫月真依
今日、梅宮さんって人に連絡をして聞いたんです
天鷲燈莉
あー、獅子頭連って言ってた
佐々木カイ
そんで天鷲が人を殴った
全員:………え?
天鷲燈莉
殴ってねぇよ、未遂だ未遂
流星乃愛
未遂でも怖いけどね
菰桃瑠緒
それより避難先ってそんな真隣選んでもいいの?
天鷲燈莉
それを逆手に取るんだよ
天鷲燈莉
普通ならこんな近くを選ばないってな
水野るな
なるほど!燈莉ちゃんさすが!
月影百合
先ほど瑠緒さんが言ったようにってことですね
赫月真依
天鷲さんはすごいです
佐々木カイ
それで天鷲から大事な話があるんだ
天鷲燈莉
そろそろ話すべきだと思ってな
天鷲燈莉
この前の件と皆の過去について
天鷲燈莉
でもこの話を聞いたら…もう戻ることは不可能
天鷲燈莉
危険とは隣り合わせの生活を送ることになる
天鷲燈莉
外には一切口外してはならない
天鷲燈莉
この3点が常について回ってくる
天鷲燈莉
全員…腹括れるか?
佐々木カイ
もちろん
赫月真依
ここに入るとき決めました
流星乃愛
何があろうとも
菰桃瑠緒
どんな時だろうと
月影百合
天鷲さんを信じて
水野るな
燈莉ちゃんについていく
天鷲燈莉
オーケー
天鷲燈莉
全員の気持ちは一致してるみたいだな
天鷲燈莉
わかった…過去のことを話そう
天鷲燈莉
まずは過去で共通する点がある
天鷲燈莉
3、4年前の『粟島弦馬(あわしまげんま)』が引き起こした『悪魔の旋律』が関係している
佐々木カイ
確かギターとかのそのコードは
菰桃瑠緒
今は使うのが禁止されてる
流星乃愛
確かその音を聴いたものは
月影百合
人格が変わって何をするかわからない
水野るな
でもその悪魔の旋律がどう関係して…
赫月真依
天鷲さんは悪魔の旋律のこと…嫌がってませんでした?
天鷲燈莉
そりゃ…嫌にもなるだろ…
天鷲燈莉
なんせ悪魔の旋律を産み出したのは…俺なんだから
全員:………え?
天鷲燈莉
粟島弦馬…本名は天鷲弦(あまわしげん)…
天鷲燈莉
俺の叔父さんだ
天鷲燈莉
俺の父親の弟なんだよ
天鷲燈莉
ここからは過去を交えて話していこうと思う
天鷲燈莉
ところでみんなの過去も話すけど
天鷲燈莉
話すのはややこしくしないためにも入居順でいいか?
全員が頷く
天鷲燈莉
わかった…
天鷲燈莉
まずは俺の過去からだな
俺は父親と母親と姉と兄…普通の家族の元に産まれた
そんで小さい頃から音楽が好きでアーティストを目指してた叔父の家によく遊びにいってたんだ
自分の家よりそこにいたことの方が多いぐらいな
天鷲燈莉
叔父さん!来たよ!
天鷲弦(粟島弦馬)
おぉ、燈莉ちゃん!よく来たね
天鷲弦(粟島弦馬)
そうだ!この前言ってたコード書き起こしたよ
天鷲燈莉
ほんと?見せて見せて!
天鷲燈莉
(楽譜を見てる
天鷲燈莉
そう!これ!
天鷲弦(粟島弦馬)
燈莉ちゃんはきっと作曲の才能があるな
天鷲燈莉
だったら大きくなったら私ね叔父さんの歌う曲作る人になる!
天鷲弦(粟島弦馬)
じゃあそれまでに俺も有名になっておかないとな!
天鷲燈莉
叔父さんはお歌上手だからすぐに有名になれるよ!
小さい頃はそんな無邪気な性格だったんだよな
※過去編ではアイコンは変わらないのをご理解ください