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【番外編】小さな記憶と…

第6話 - 僕の希望は…

100

2022年11月23日

#一次創作

#命物語

#創作

命生

〜夜の道〜

ウラヌス

……はぁぁ｡

トウマ

うらぬすっ!

ウラヌス

……!?

ウラヌス

なんで……ついてきてるの?

トウマ

ついていくから!

雨

……｡[汗]

雨

(……あれから色々……油断は出来ない……｡)

ウラヌス

まぁ……いいか｡

トウマ

……(*^^*)

雨

……｡

雨

(でも暫くは大丈夫かな……｡)

雨

(……ん?)

ウラヌスの影が一瞬揺れる｡

雨

(影……動いた……?)

雨の勘は当たったのかウラヌスの影がプツンｯ!!!と切れた｡

ウラヌス

[ふらっ]

ウラヌス

[なんとか立つ]

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

……ふふ♪

雨

……!?

トウマ

うらぬす……?

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

やぁやぁ､本体の僕｡

ウラヌス

お前は……ダークフェイス……!

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

また会えて嬉しいよ｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

……ん?

トウマ

……!?

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

……｡[面白そうに暗黒微笑をする]

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

僕みたいな記憶だね……｡

ウラヌス

……記憶……?

雨

……!!!

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

記憶を連れているのかぁ｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

面白いね､君｡

ウラヌス

……!?

ダークフェイスの魔法がウラヌスを捕える｡

ウラヌス

ぅ……｡

茨がキツく締め付ける｡針が肌に食い込む｡

ウラヌス

……っ｡

ウラヌス

[影もなく､力が思うように出なくなり､気を失う]

トウマ

……!!!

雨

(ダークフェイス……何がしたいの……｡)

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

気を失うだけかぁ｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

このまま､死んでくれて良かったのに｡

トウマ

うらぬすに……なにしたの?

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

やぁ､昔の僕｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

そうだね｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

本当は殺す気で来たんだけど｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

死んでくれなくてさ♪

トウマ

……!?

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

本当なら､この本体｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

『死ぬ運命』だったんだから｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

特病でね｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

それなのに､生きている｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

死ぬ運命だったのに……｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

感情もないのに……｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

それでも生きようとする｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

……僕は死にたかったのに｡

トウマ

(しぬ……うんめい……｡)

トウマ

(……とく……びょう……?)

少し前｡〜記憶の空間〜

記憶(メモリア)

はい｡

記憶(メモリア)

これで､君は動けるようになるよ｡

トウマ

……?

その時に貰ったのが不思議な力を持つ包帯だった｡

記憶(メモリア)

よーし､どう?動いてごらん?

トウマ

[手足を動かしてみる]

トウマ

……!

トウマ

うごけてる……!!!

記憶(メモリア)

おぉ､機能してる!良かった!

記憶(メモリア)

……君､特病で身体が動かせないからね｡

記憶(メモリア)

これで動くなら安心したよ〜!

トウマ

とく……びょう?

記憶(メモリア)

ううん､何でもないよ｡

──────｡

〜夜の道〜

トウマ

……｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

生きる価値もないのに､生きようとするなんてね?

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

僕の事を避けてる奴らが､うじゃうじゃ居るのに……｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

死にたかっただろうに｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

でも生きている｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

そんなのって､自分の運命に逆らってる行為になるよね?

締め付ける茨の力が強くなる｡棘が刺さってる所から血が出てくる｡

トウマ

……!!!

雨

……!

雨

……?

雨

(あれ……?冬麻君から……『強い"希望"の力』が……?)

トウマ

……っ!!!

歯を噛み締めるようにするとトウマの身体が光り……｡

西園寺冬麻

『……!!!』

西園寺冬麻

『それでも僕は生きているんだ!!!』

雨

……!?

雨

(冬麻君……!)

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

へぇ?

西園寺冬麻

『僕は､生きたいんだよ!!!』

西園寺冬麻

『僕がどれだけ､自分の身体に､自由を求めていたか……分かるかい!?』

西園寺冬麻

『僕は……!!!』

西園寺冬麻

『皆と同じになりたかったんだ!!!』

西園寺冬麻

『僕は死にたくなかったんだ!!!』

西園寺冬麻

『このまま､皆のように生きれずに死ぬのかなって……怖かったんだ｡』

西園寺冬麻

『だから自由を求めた!!!』

西園寺冬麻

『今の僕だってそうだよ!!!』

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

でも､無理に生きる必要ないでしょ?

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

死ねば､楽になるよ?

西園寺冬麻

『僕はそう思わない!!!』

西園寺冬麻

『楽になんてならない!!!』

西園寺冬麻

『……そんな事言わないで｡』

西園寺冬麻

『今の僕が……『可哀想』だよ!!!』

西園寺冬麻

『折角……生きようとしてるのに……っ!!!』

西園寺冬麻

『折角……良い友達に出会えたのに!!!』

西園寺冬麻

『簡単に､殺すとか言わないで!!!!!!』

西園寺冬麻

『僕は僕として生きているんだから!!!』

魔法陣が展開される｡すると､ダークフェイスの足元に『飛属性』の魔法が出る｡

ウラヌス(ﾀﾞｰｸﾌｪｲｽ)

……!?

西園寺冬麻

『僕は……絶対に……!!!』

西園寺冬麻

『死なないから!!!』

西園寺冬麻

『僕は『生きる』って決めたんだから!!!』

西園寺冬麻

『……影は影に帰れえええええええええぇぇぇぇっ……!!!』

飛属性の魔法陣が強く光るとダークフェイスを魔法で包み強制的に影に戻した｡

ウラヌス

[開放されると､崩れるように倒れる]

西園寺冬麻

『……僕!!!』

雨

……｡

ウラヌス

……｡[気を失ってる]

西園寺冬麻

『……｡』

西園寺冬麻

『……僕は分かってるよ｡』

西園寺冬麻

『……僕は､『一生懸命､生きている』事をね｡』

冬麻は､ウラヌスに回復魔法をかける｡

西園寺冬麻

『これで治れば良いけど……｡』

雨

[冬麻の肩から降りると､冬麻を見上げる]

西園寺冬麻

『ねぇ､雨｡』

西園寺冬麻

『……僕､どうしたのかな?』

雨

[こくこくっ]

西園寺冬麻

『……僕､少しだけ､心の中が暖かいんだ｡』

西園寺冬麻

『……『何かの希望』を見つけたような気がするから｡』

雨

[こくこくっ]

西園寺冬麻

『ねぇ｡』

西園寺冬麻

『……僕……記憶､なんだよね｡』

雨

……｡

雨

[……こくっ]

西園寺冬麻

『……僕って､どうすればいいのかな｡』

記憶(メモリア)

……記憶に入ればいいのさ｡

西園寺冬麻

『……!?』

西園寺冬麻

『記憶君……!』

記憶(メモリア)

……記憶は､体から離れる事は､普段は絶対にないからね｡

記憶(メモリア)

……君は､蒼翔(あおと)君のように､この子の心の中に入る事になるんだ｡

西園寺冬麻

『……そうなんだ……｡』

記憶(メモリア)

それに君は『意志を持った記憶』なんだ｡

記憶(メモリア)

……やる事は分かってるはずだよ｡

西園寺冬麻

『……僕は……｡』

ウラヌス

……｡[目を閉じている]

西園寺冬麻

『……僕は……｡』

西園寺冬麻

『……『自由になった』僕を見守るよ｡』

西園寺冬麻

『感情はその代わり､無いらしいけど……僕は､僕の成長を見守りたいんだ｡』

西園寺冬麻

『……そして､心から応援したいんだ｡』

記憶(メモリア)

……冬麻君らしいね｡

記憶(メモリア)

分かった｡

西園寺冬麻

『……それと｡』

記憶(メモリア)

……?

西園寺冬麻

『……ウラヌス君と､またいつか……お話……出来るかな?』

記憶(メモリア)

……大丈夫だよ｡

記憶(メモリア)

きっと､出来るから｡

西園寺冬麻

『……えへへ♪なら良かった!』

冬麻は､一生懸命に笑う｡

……嗚呼｡今の彼も感情があればこんなに笑っていたのだろうな｡

と､記憶(メモリア)は思った｡

記憶(メモリア)

その気持ちを……忘れないでね｡

記憶(メモリア)

……今の冬麻君を……頼んだよ｡

西園寺冬麻

『うんっ!!!』

冬麻は､一生懸命笑いながら光となりウラヌスの中に入っていった｡

ウラヌス

…………ん?

ウラヌス

[目を開ける]

雨

……!

記憶(メモリア)

やぁ､起きたかい?ウラヌス君｡

ウラヌス

……めも……りあ……?

ウラヌス

……それと､雨……｡

記憶(メモリア)

……良かった良かった｡

記憶(メモリア)

身体に異常はないね｡

雨

[こくこくっ]

ウラヌス

……?トウマは……?

記憶(メモリア)

冬麻君はね……｡

記憶(メモリア)はウラヌスの胸元に指を軽く置く｡

記憶(メモリア)

『此処《心》』に居るよ｡

ウラヌス

……?

記憶(メモリア)

ふふ♪分からないだろうね?

雨

……(*^^*)

ウラヌス

……???

記憶(メモリア)

とにかく､彼も無事だよ｡

ウラヌス

……そうか｡

記憶(メモリア)

その代わり!

ウラヌス

……?

記憶(メモリア)

……冬麻君を傷付けないでね｡

ウラヌス

……?

記憶(メモリア)

まぁ､いつか会えるよ｡

ウラヌス

……???

ウラヌス

分かった……｡

記憶(メモリア)

ふふっ♪

雨

[記憶の肩に乗る]

記憶(メモリア)

まぁいいや､今度ゆっくり話そう!

ウラヌス

……｡

記憶(メモリア)

またね♪

記憶と雨は､転移した｡

ウラヌス

…………｡

ウラヌス

……………………｡

ウラヌス

(不思議……だな……｡)

胸に手を当てながら夜空を見るウラヌスだった｡

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