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9 .
金曜日、定時を過ぎて会社にはもうほとんど 人が居なかった
残ってるのは、なかなか終わらない資料整理に 追われてるわたし...、と
何かと理由をつけて帰らない目黒さんだけ
ていっても、さっきからほとんど会話はない
でも沈黙の空気は重くて、心が落ち着かない
プリンターの前で資料をまとめてると、 目黒さんが近づいてきて後ろに立つ
その気配だけで鼓動が跳ねる、
「なぁ」
背中越しに声をかけられて振り返ると じっとこっちを見つめていた
〇〇
〇〇
そう聞くと、目黒さんは 少し黙ってから緩く笑って首を傾げる
目 黒
目 黒
目 黒
目 黒
目 黒
〇〇
目黒さんは深呼吸してから、こっちをまっすぐ見て そういった
目 黒
目 黒
〇〇
目 黒
目 黒
当然すぎて、私は何も言えなかった
目黒さんは少し照れたみたいに目を伏せて、続けた
目 黒
目 黒
目黒さんはそれでも返事を待つことなく、 行こうとする背中。
〇〇
私は咄嗟に手を伸ばして、スーツの裾を掴んだ
〇〇
ゆっくり振り返った目黒さんが、 柔らかく笑って近づいてきた
そっと手を取って、ふんわり優しい声で囁く
目 黒
目 黒
目 黒
そのまま手をぎゅっと握りながら、 手の甲にキスを落としてくる
会社の夜、静まったオフィスで
二人だけの秘密が、確かに始まった瞬間だった