緑色のパニック障害と茶色の偏頭痛。

em視点

ゾムさんと目が合ったかと思いきや

次の瞬間ゾムさんが 目の前から崩れ落ちていた

頭の痛みで鈍っていたのか すぐ判断できなかった

頭を抑えながら近づく

必死に私の名前を呼ぶゾムさん

応答はない

辛いんだろう

ゾムさんのパニック障害は いきなり起きることが多いんだと 言っていた

時間はバラバラ

呼吸困難

胸の痛み

孤独感からの恐怖

寒気

など

それぞれが一気に ゾムさんを蝕もうとしてくる

自分の頭もだんだんと 重たく痛くなり始めていて 上手く判断ができなくなっていた

手をぎゅっと握り

ゾムさんのポケットを漁る

ゾムさんには前から

いつ起こってもおかしくないから という理由で 薬を常備してもらっていた

いつの間にか 涙が物凄く溢れている

そう言って

私はゾムさんの口に手を突っ込んで 無理やり薬を飲ます

時間が絶てば絶つほど 私の薬の効果も切れてきていた

外は一向に酷くなるばかり

雨

雷

風

私も最悪な状態だ

ゾムさんをぎゅっと抱えて

お姫様抱っこをする

自分からも冷や汗が垂れる

ゾムさんを必死にあやしながら

自分も倒れないように 一歩一歩を踏みしめる

ー医療室ー

扉を開けて中に入る

ふらふらの足を一歩ずつ止めながら ゾムさんをゆっくり下ろす

重さが失くなった瞬間に 自分の体がぐらっと揺れた

私が邪魔だと言うように 何人もの人たちが俺を退かして ゾムさんの周りを囲んだ

私は何にも言わずに その場を後にした