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ぜんいち
マイッキー
マイッキー
マイッキー
ぜんいち
マイッキー
ぜんいち
ガタンッ!
ぜんいち
マイッキー
ぜんいち
民間人
民間人
民間人
民間人
民間人
民間人
民間人
ぜんいち
ぜんいち
僕らがそこで見たのは
工事現場からクレーンで運んでいたらしき
鉄骨
だった
ぜんいち
マイッキー
ぜんいち
ドンッ
気がついたら背中を押されていて
ガシャーン!!
という鈍い音がした
その数秒後 真っ赤なドロドロした鉄臭いものが流れ出てきた
ぜんいち
鉄骨の少し端には誰かの緑パーカーの袖が出ていた
民間人
民間人
民間人
民間人
ぜんいち
この時僕は涙なんて出なくて何が起こったのか分からなくて
ただただ、周りが騒々しく聞こえた
僕の視界には 真っ赤に染まってしまった緑のパーカーの袖に釘付けだった
見ていれば見ているほど緑だったかすらも分からないほどに赤くなっていくパーカーの袖は
今のこの瞬間の僕の世界にとって唯一、色彩を放っているようにも思えた
そこからは本当に早くて救急車が来て知らない親切な人と乗って
気づいたら病院だった
民間人
ぜんいち
半ば放心状態の僕を自分に言い聞かせるように話してくれた
まるで幼子を慰めるように
手術が終わるその瞬間まで一緒に居てくれた
看護師
民間人
民間人
看護師
ぜんいち
民間人
民間人
看護師
民間人
ぜんいち
民間人
ぜんいち
看護師
ぜんいち
看護師
ぜんいち
良かった、痛い思いはマイッキーにして欲しくない
なんて、良いわけないのに
マイッキーはきっとまだまだ世界を 色んなところを見て僕と居たかったはずなのに
出てくるのはそんな考えだった
何のために、僕らは一緒に行くって約束したんだ
もしかしたらマイッキーは、こんな事、予想してたのかも、なんて…
あるはずないのに
未来を知ってるなんて無いよ
でもさ、僕らは
《運命共同体》
なんじゃないの?
ねぇ、教えてマイッキー
キミは未来を知っていたの?
でも、…僕、ちゃんと約束したよ…
ちゃんと
ちゃんと“自分”が『死ぬ』方を選択したはず
なのになんで…
待っててマイッキー…
救ってあげる…
そう言うと彼の身につけているパーカーのポケットの中で何かが紅く光り輝いた
次の瞬間 一人の生きた少年と一人の亀の亡くなった少年の居る病室は赤い閃光で包まれた
一つの《運命共同体》として彼らは生きて有名になるのだ
その為に一人の生きた少年と一匹の亀の亡くなった少年の
親友が親友を両方を思うがために 今 二人の 世界の歯車が 廻り出す
𝑁𝑒𝑥𝑡➯➱➩♡25