太陽
同じなんだ!一緒だな
太陽くんに嘘をついてしまった
それだけで胸がとても痛かった
亜美
う、うん
亜美
そうだね…
夜
私は喉が乾いたので、ロビーの自販機に来た
亜美
うぅ…喉カラカラ
亜美
早く買って戻ろう…
すると
ガタッ
亜美
!?
太陽
太陽
あーごめん!
亜美
た、太陽くん!?
亜美
なんで、…
太陽
亜美がベッドから降りたの見て、着いてきちゃった
そう言って笑う太陽くんは
初めて会った時とおなじ
くしゃっとした笑顔で私を見る
月の光に照らされて
もっと太陽くんが綺麗に見える
太陽
綺麗な満月だな
亜美
____うん
その横顔はとても綺麗で
思わず見とれてしまう
太陽
戻ろっか
亜美
うん
部屋に戻った私はドキドキで
なかなか寝付けなかった
助けて
辛い
苦しい
『大丈夫?』
『助けてあげる』
誰かが私を病気から助けてくれる夢
その声に覚えがあった気がした
朝
亜美
ん…~
太陽
亜美!
亜美
きゃっ!
亜美
驚かせないでよ…びっくりするでしょ
起きてすぐ目の前に
太陽くんの顔があった
太陽
ごめんごめん、知らせたいことがあって
亜美
なに?
太陽
俺、明後日に退院するんだ
亜美
え___
唯一私が楽しかったこと
それは太陽くんと喋ることだった
でも引き止めちゃいけない
亜美
そ、そっかー!じゃあ…明後日にはさよならなんだね…
亜美
退院おめでとう!
きちんと笑えているか心配だった
太陽
…引き止めないの?
亜美
………え?
心臓がドキッとした
太陽
俺は、亜美ともっと喋りたい。
太陽くんは真剣な瞳で私を見つめる
私も!
そう言いたかったけど声が出なかった
太陽
退院しても遊びに来るから。
亜美
…ありがとう!待ってる
私はいつしか
太陽くんを
好きになっていた
亜美は俺が病気のことを話すと
少し気まずそうに
苦しい表情を見せる
太陽
退院しても遊びに来るから。
亜美
ありがとう!待ってる
そう言うと嬉しそうに亜美が笑う
俺は亜美の笑った顔が好きだ
その笑顔にどれだけ助けられたか分からない
亜美は俺に隠していることがあるんだと思う。
言わないってことは聞いて欲しくないってことだから聞かないけど
いつか亜美の口から言って欲しい
でも、聞かなきゃよかったって後悔した