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シュガ

は?

ミハエル

だーかーらー

ミハエル

オルドレア嬢の傷の話!

ミハエル

他の傷はほとんど治療したから跡は無くなったんだけど

ミハエル

脚の火傷の跡だけどうしても消えなかったから、もしかしたらと思って浄化魔法を使ったんだよ

シュガ

浄化魔法を?

ミハエル

そう

ミハエル

脚の火傷跡、あれは完全に

ミハエル

呪いだよ

シュガの顔が強ばる。

シュガ

誰があいつに?

ミハエル

そこまで分かる
わけないじゃん

ミハエル

僕は探偵じゃないんだから

ミハエル

そういうのは君の方が得意でしょ

シュガ

……

ミハエル

はぁ…彼女に何があったかはわからないけど

ミハエル

まぁ、あの跡を全部浄化する事は
正直出来るけど。

ミハエル

僕の神聖力を使っても、半年以上かけて少しずつ治療していかないと、彼女の身体が持たないと思う

シュガ

そんなに強い呪いなのか?

ミハエル

んー、なんというか

ミハエル

彼女の身体に馴染みすぎてるんだよね

ミハエル

だから剥がすのに僕の集中力と、彼女の体力、どちらも必要なの

シュガ

……わかった

ミハエル

どうする?

ミハエル

彼女にこのまま正直に説明する?

シュガ

……

シュガ

呪いの事は一先ず話さなくていい。

シュガ

上手く理由をつけて、通わせてくれ

ミハエル

はぁ……まったく

ミハエル

これで借りは全部チャラにしてよね

シュガ

……

ミハエル

何か言ってよ!?

見知らぬ天井

ここはどこだろう……

そうだ、私傷跡の治療を受けて…

ベアトリーチェ

えっ……

ベアトリーチェ

私いつの間にか寝てた!?

ベアトリーチェ

ミハエル大神官は?!

ガチャ

ミハエル

あ、起きた?

ベアトリーチェ

ご、ごめんなさい!
私いつの間にか寝てしまって……

ミハエル

あー大丈夫大丈夫

ミハエル

部屋の外でシュガが待ってるから少しお話しよ

ベアトリーチェ

……?

ベアトリーチェ

はい

部屋の外に出ると、シュガがじっと私の事を待っていた。

ベアトリーチェ

……!

ベアトリーチェ

(待たせてしまって申し訳ない……)

シュガ

身体は大丈夫か?

ベアトリーチェ

ええ、なんともないわ

ミハエル

オルドレア嬢

ベアトリーチェ

ミハエル

背中全体と太ももの傷跡は治したけど、脚の火傷跡だけ僕の神聖力が足りなくて治しきれなかったので

ミハエル

御足労おかけしちゃうんだけど、神殿に定期的に通って貰えないかな?

ベアトリーチェ

え……(火傷の跡って死ぬ前に出来た跡?)

ベアトリーチェ

むしろお手を煩わせてしまい申し訳ございません

ベアトリーチェ

神殿に定期的にくるのは全然構いません

ミハエル

じゃあ決まりだね

ベアトリーチェ

ありがとうございます…

シュガ

一先ず今日はもう帰ろう

シュガ

ミハエル、ありがとう

ミハエル

え……

ミハエル

え?

ミハエル

もしかして、
今君が僕に「ありがとう」って言ったの?

シュガ

……うるさい

ミハエル

あの堅物のシュガにここまでさせるとは……

シュガ

じゃあな、また来る

ベアトリーチェ

ミハエル大神官様、
ありがとうございました

ミハエル

あ、ミハエルでいーよ

ベアトリーチェ

えっ…と、はい

ベアトリーチェ

ミハエル様

ミハエル

(チラ…)

シュガ

……。

ミハエル

(おやぁ〜?
これはこれは)

そして私達は、ミハエルに挨拶をして屋敷に戻った。

馬車での帰り道。

何故かシュガはじっと 私の足元を見ていた。

ベアトリーチェ

(前の人生で火炙りにされた時の跡……)

大神官様のような方が神聖力が足りなくて治せなかったなんておかしい。

恐らく前の人生の出来事と何か関係してるに違いない。

幸いな事に、貴族の令嬢が人様に足を見せることは無いから良かった。

ベアトリーチェ

(あ……雨)

ポツポツと聞こえる雨の音が、

馬車の中の静寂を心地よくさせてくれた。

使用人

お帰りなさいませ

屋敷に戻った途端、シュガは使用人に声をかけた。

シュガ

湯浴みの用意を

使用人

かしこまりました

使用人

お嬢様、こちらへ

ベアトリーチェ

えっ……ちょっ

私は使用人に連れられるがままについて行った。

チャポン

使用人

お嬢様湯加減はいかがですか?

ベアトリーチェ

え、ええ……丁度いいわ

ベアトリーチェ

(誰かに湯浴みしてもらうのなんて初めてで、緊張する)

使用人

湯浴みの後、シュガ様がお呼びでしたので広間にお連れ致しますね

ベアトリーチェ

シュガが?

ベアトリーチェ

わかりました

冷えた体も温まり、私は浴槽を出て広間へ向かった。

広間に行くと、少し髪が濡れているシュガがいた。

シュガ

温まったか?

ベアトリーチェ

誰かに湯浴みをしてもらったのは初めてだったから緊張したわ…はは

シュガ

……(初めてだったのか)

シュガ

配慮が足りず、すまない

ベアトリーチェ

えっ……!?謝らないで

ベアトリーチェ

緊張しただけで、
身体はすごく温まったもの

シュガ

それなら良い

シュガと私は向き合うように 長椅子に腰掛けた。

シュガ

それで本題なんだが

シュガ

学院編入まで
1ヶ月ほど時間がある

シュガ

その間、
俺がお前に魔法を教える

ベアトリーチェ

私に…魔法を?

シュガ

ああ

シュガ

制御は出来るようになっているが、まだ不安定だ

シュガ

お前は自身の中の放題な魔力を抑えるのでやっとで、何かが起こった時、その溜め込んでいるちからを調整できないと困る

シュガ

だから俺が力の使い方を教えてやる

ベアトリーチェ

(うそ…またシュガに魔法を教わる日が来るなんて)

ベアトリーチェ

よ、よろしくお願いします

シュガ

練習は明日からにしよう

シュガ

今日は疲れただろう

シュガ

もう休め

ベアトリーチェ

ええ、わかったわ

ベアトリーチェ

お休みなさい

そして私は自身の部屋に戻った。

ベアトリーチェ

確かに、魔力の制御は抑えられるようになったけど

ベアトリーチェ

またいつ感情が揺らぐか分からないし、私もまだまだ未熟だから頑張らないと

ベアトリーチェ

一先ずは明日のために沢山寝よう!

そうして私は寝台に横になり、 目を閉じた

ベアトリーチェ

あれ…また夢?

シュガ

ベアトリーチェ

ベアトリーチェ

(シュガ……?)

シュガ

魔法が精密に操れるようになると色んな事が出来るんだ

シュガ

海の上を歩いたり、雨をふらせたり

シュガ

あとは

シュガ

青い薔薇を咲かせたり

ベアトリーチェ

青い薔薇?

シュガ

ああ

シュガ

王宮には、王族の為の青い薔薇園がある

ベアトリーチェ

すごい…
いつか見てみたいなぁ

シュガ

いつか俺が
王都に連れてってやる

ベアトリーチェ

ふふ、約束よ

ベアトリーチェ

……(これは、前の記憶)

ベアトリーチェ

(ありがとう、シュガ)

ベアトリーチェ

(今世で貴方ちゃんと私を王都に連れてきてくれたわ)

シュガ

それと

ベアトリーチェ

(…?)

ベアトリーチェ

(この場面で続きなんてあったかしら)

シュガ

セレスティア学院にある塔の地下には絶対行くな

ベアトリーチェ

……え

その瞬間、私の意識は現実に戻された。

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