確かに僕は、この手で両親を殺した
その後は、組織の人間に拾われて、 スパイとして生きることを決めて…… それで、今に至る
だからこそ、そらるさんが僕の両親の 仇っていうのはあり得ないんだ
ニコ
真冬
ニコ
真冬
僕に殺させるよう、仕向けた?
ニコ
ニコ
ニコ
真冬
ニコ
ニコ
真冬
真冬
ニコ
ニコ
彼方
ニコの声に応えるように、地面で 蹲っていたそらるさんが、呻きながら 柱伝いに起き上がる
彼方
真冬
彼方
彼方
真冬
不意に、下の名前で呼ばれる
彼方
この口調と、声色は……
真冬
真冬
僕がそう呼ぶと、 小さく頷いたそらるさん
今、先輩の行動を思い出してみれば、 怪しいところが沢山あった
あんな嘘をついて、銃で僕に殺しを させて、それから音信不通になって
真冬
彼方
僕とそらるさんの歳は3つ差がある
今の年齢を偽ってないなら、昔は 年齢詐称して高校に潜り込んでて……
あの時の“翔琉先輩”の親役も、 きっとスパイの仲間だったんだろう
彼方
真冬
僕は親を殺して、行く宛が なくなったところを、偶然出会った 組織の人に拾われた
真冬
彼方
気まずそうに、 顔を俯かせたそらるさん
ニコ
彼方
真冬
僕を、組織に引き込む為……?
真冬
親を殺したこんな僕を、あの組織が 拾ってくれた、必要としてくれた
それはあの時の僕にとって、 唯一の救いだったんだ
たとえそれが、裏のスパイ組織でも
暗殺の任務は、 僕にはさせないでいてくれた
殺人を犯したことも、隠してくれた
同志……スパイの仲間達だって、 みんな仲良くしてくれたのに……
真冬
本当は全部、組織側の 自作自演だったってこと……?
彼方
彼方
彼方
真冬
彼方
真冬
彼方
真冬
彼方
真冬
腕の力が抜けて、ずっと構えていた 銃が、重い音を響かせて地面に落ちる
色んな感情がぐちゃぐちゃに 混ざり合って、何が何だか、 もうよく分からなかった
彼方
ニコ
彼方
彼方
彼方
彼方
ニコ
ニコが、色々知ってる理由……?
真冬
真冬
ニコ
真冬
2人の会話に、前のめり気味に 口を挟む
ニコ
真冬
真冬
ニコ
普段見えないニコの赤い目が、地下の 暗闇の中で、鋭く光ったように見える
『何でも屋』の正式名称であり、 ニコの本当の肩書き、それが万屋
“万屋ニコ”は、元は裏世界で 暗躍していた殺し屋だった
雇われれば任務は必ず遂行、 失敗例はゼロの、店名通りの 腕を持っているやり手
『何でも屋』と正体を隠して表に出た 今でも、裏ルートで知った人が、 殺しの依頼をしてくることもあった
数年前、俺が“万屋抑圧”の任務を 与えられて、『何でも屋』に客として 潜入したのが、僕とニコとの出会い
そこで、自分の正体…… “スパイであること”を対価に、 ここの社長になることを願った
だけど、さっきのニコの話みたいに、 どこから聞きつけたのか、僕が自分の 両親を殺したことを知られて
弱みのせいで、自分の身はその場に 縛られたけど……組織の為と思えた から、その時はそれでよかった
金銭面は組織が全負担してくれたし、 僕らにできない依頼も、組織に頼めば 粗方こなしてくれていた
真冬
ニコ
ニコ
ニコ
彼方
ニコ
ニコ
ニコ
真冬
過去のことがあったからら免除 してくれてたんだと思ってたけど…… そう言うわけじゃなかったの?
ニコ
ニコ
真冬
ニコ
ニコ
真冬
真冬
ニコ
彼方
彼方
ニコ
ニコ
ニコ
ニコ
真冬
彼方
ニコ
ニコ
元から組織に操られてた僕は まだしも、昔からいそらるさんまで、 どうして……??
ニコ
ニコ
真冬
ニコ
ニコ
ニコ
真冬
冷たい声色で、 嘲笑うかのように言われる
真冬
ニコ
真冬
ニコ
真冬
ニコ
そう言った後、ニコが銃口を 下ろして、帯に挟んでいるもう一丁の 銃に手をかけた
真冬
ニコ
真冬
真冬
ニコ
僕に銃を構えたまま、 黙ってしまったニコ
彼方
彼方
不意に、そらるさんがニコの銃を 見て、そう問いかける
ニコ
彼方
ニコ
ニコ
パンッ
真冬
真冬
撃たれたかと思えば、 チクリとした痛みだけ走って……
地面に、BB弾がコロコロと転がった
真冬
ニコ
ニコ
そう言って、銃を元の 定位置に戻したニコ
真冬
ニコ
彼方
少し食い気味に、そらるさんが言う
彼方
ニコ
ニコ
彼方
ニコ
真冬
今ニコ、“可哀想”って言った?
真冬
ニコ
僅かだけど、ニコの表情と声に 焦りが見え始める
真冬
もしかして、と思って、落としていた 銃を拾い上げて、ニコのそばへ近づく
それから、ニコの手を 取って銃を握らせた
その銃口を、自分の心臓へ押し当てる
ニコ
真冬
真っ直ぐニコを見つめて、 その場で留まる
ニコ
ニコ
ニコ
カチッ
真冬
ニコが引き鉄を引いても、 銃はうんともすんとも言わない
彼方
そらるさんを……“谷橋朝陽”を 殺せって、この銃を渡してきたのは ニコなのに、どうして……?
ニコ
真冬
カタンッ
僕が持たせていた銃を、ニコが 乱暴に床に放り投げる
真冬
ニコ
ニコ
真冬
ニコ
ニコ
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
かえで
コメント
8件
うわぁ自分の脳じゃわかんねぇーww でも悲しいのは分かる。ニコくんもそらるさんもまふくんも... でもこの作品は好きだ!!
やっぱりまふくんに 親を♡♡♡ようにしむけたのは… 本当はそんなことしたくなかったろうに… うわぁぁ……辛すぎる……悲しい😭😭😭 そしてニコくん!君も…当たり前だよね… 色々な謎がどんどん明らかに!!!!!! 続き楽しみにしています!!!!!!!!!
うわぁあぁぁぁぁ、好きです(唐突な告白) ニコさん……うわぁぁぁ、凄いです~!! 待ってください(?)凄いしか出てきません…!