大橋和也
朝起きたらテレビをつける。
そこで流れてきた見た事のある名前。
"佐藤◯◯さんが腹部にナイフのようなもので刺され死亡が確定した"
"犯人は通り魔だと見て捜査を進める"
"犯人はまだ捕まっていない"
棒のように、突っ立っていた。
怖くて、その現実から目を背けたくて
でも、それはただの現実逃避でしかなくて。
びっくりと同時に絶望していた
大橋和也
なんとか体を動かし、学校に着いた。
あいりは来ているだろうか。
教室の中を見回し、
窓にもたれ掛かるように立ち、曇った表情のあいりがいた。
大橋和也
いつもやってる事だ。
今日はいつもより優しく叩いた。
でも、今のあいりには……
あいり
大橋和也
いつもと違って、まるで、
転校初日のような距離だった。
あいり
大橋和也
自分はそんな心が強いわけでは無い。
だからこそ、今の言葉は
酷く、胸に刺さった。
ヤバい。
ヤバいどうしよう。
大橋に、きつい事言ってしまった。
あいり
◯◯は、いなくなったし、大橋には…
って、最低過ぎる。
でも、それ程自分は◯◯の死に引きづられているんだろう。
◯◯は、ずっと隣にいてくれて。
冗談が楽しくて、
私がやりたい!って言ったらやらせてくれる。
とっても優しい人。
私がここまでこれたのは
◯◯がいたから。
そう言っても過言ではない。
あいり
"授業を始める"
その声で、仕方なく席に戻る。
大橋にはとっても申し訳ないことをした。でも、
今の私はもう全部◯◯で埋められてて
大橋のことなんて気にならない。
本当に申し訳ないけど。
神様に許してと願い、
それから私は、◯◯に囚われていった
コメント
3件
なんか𓏸𓏸ちゃんがいたから愛梨ちゃんは大橋くんと付き合おうと思えたのかな?