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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

律と直哉の個チャ

直哉(ナオヤ)

おい律

直哉(ナオヤ)

さっきから何だよ

直哉(ナオヤ)

既読付けるのに何で返事無いんだよ

直哉(ナオヤ)

画面開きっぱで寝てんの?

直哉(ナオヤ)

おーい

直哉(ナオヤ)

律???

直哉(ナオヤ)

りーつー

律(リツ)

助けて

直哉(ナオヤ)

律!!

直哉(ナオヤ)

どこだ!?律!!

大学の数ある更衣室の中で

最も使用頻度の低い更衣室

俺はその扉を乱暴に開け放ち

大声で律の名前を叫んだ

ーカタンッー

直哉(ナオヤ)

律!?

微かに音がした

俺は音が鳴った方向へと歩を進める

そして、やっと見付けた

律(リツ)

...

直哉(ナオヤ)

律ッ

力なくロッカーに凭れ掛かる律の姿を

直哉(ナオヤ)

お、前...ッ

律(リツ)

...?

律(リツ)

あぁ、直哉

律(リツ)

何です?そのアホ面

直哉(ナオヤ)

ッに、笑ってんだよ!

虚ろな目で俺を見た律は

痛々しい嘲笑を浮かべて悪態を吐いた

どんな鈍感な奴が見ても分かる

乱暴に引きちぎられたシャツ

中途半端に脱げた靴下

強く掴まれた手の跡

床やロッカーに飛び散った血と半透明な液体

目の下に出来た涙の跡

直哉(ナオヤ)

...れだよ

直哉(ナオヤ)

誰にヤられたんだ!?律!

直哉(ナオヤ)

俺が...俺がッ

律(リツ)

直哉

律(リツ)

そんな事よりさ

律にこんな事をした奴が許せない

律を性の掃き溜めに使った奴を許せない

何も知らず、少しも助ける事が出来なかった自分が許せない

全員殺してやりたい程に怒りが込み上げる

けれど、一番許せないのは

律(リツ)

直哉も僕と遊びましょうよ?

目の前のこの、にへらと笑う男だった

直哉(ナオヤ)

いい加減にしろ、律!

直哉(ナオヤ)

馬鹿言ってる場合かよッ

律(リツ)

何を怒ってるんですか

律(リツ)

貴方が犯された訳でもない...

直哉(ナオヤ)

お前だからだろ!

律(リツ)

直哉には関係ないじゃないですか

直哉(ナオヤ)

関係無いわけねぇだろ!

律(リツ)

関係無いですよ

律(リツ)

直哉はただの友達じゃないですか

律(リツ)

それより、そんな大声出さないでくださいよ...

律(リツ)

頭に響く...

やれやれとこめかみを押さえる律

そんな姿にまた怒りが募る

直哉(ナオヤ)

...んで、そんな

律(リツ)

...

律(リツ)

僕からですよ

直哉(ナオヤ)

は?

律(リツ)

僕から誘ったんですよ

律(リツ)

溜まっていたんで

直哉(ナオヤ)

ッッ!!

自分の耳を疑った

そんな訳ない

こんな状況で、絶対に有り得ない

それは分かっている

分かっているのに

律(リツ)

だから遊んでもらったんです

律(リツ)

...それだけです

直哉(ナオヤ)

もう辞めろよ...

直哉(ナオヤ)

ッ、そんな嘘付いて、何になるんだよ

律(リツ)

嘘?

律(リツ)

嘘じゃないですよ

律(リツ)

なんなら直哉も

律(リツ)

相手をシてくださいよ

俺は我慢出来なかった

頭の中で何かが切れる音がした

今にも崩れそうな律

俺は、そんな律を...

直哉(ナオヤ)

...

直哉(ナオヤ)

そーかよ

直哉(ナオヤ)

だったら相手シてやるよ

直哉(ナオヤ)

俺が満足するまで倒れんじゃねぇぞ

抱き締める事が出来なかった

翌日

直哉は昼まで寝ていた

休日だからってだらしがない

そんなにもデスクワークが嫌だったのか

それとも昨夜の行為で疲れたのか

どちらにせよ、いつまでも寛いでいてもらっては困る

律(リツ)

直哉

律(リツ)

直哉、起きてください

直哉(ナオヤ)

んー...

直哉(ナオヤ)

ん、律?

律(リツ)

やっと起きました?

律(リツ)

おはようございます

律(リツ)

早く顔洗って来てください

律(リツ)

お昼ご飯、出来てますよ

直哉はのそっと起き上がる

まだ覚醒しきっていないのか、瞬きをするばかりで動こうとしない

律(リツ)

直哉?

直哉(ナオヤ)

んー、起きる...

フラッとベッドから立ち上がる直哉

その動きに少し違和感を覚える

直哉はいつも寝起き良くないけれど

こんなに怠そうなのは滅多に無い

律(リツ)

待って、直哉

直哉(ナオヤ)

んー?

直哉の額に手を当てる

熱は...無いか

一先ず風邪とかでは無さそうだ

けれど、未だにはっきりとしない表情をする直哉

僕は直哉の肩に手を乗せた

律(リツ)

具合、悪いんでしょう?

律(リツ)

無理に起きなくて良いです

直哉(ナオヤ)

んん?

直哉(ナオヤ)

別に、何ともないけど

律(リツ)

嘘はいけませんね

直哉(ナオヤ)

んー、ちょっと怠いだけで

直哉(ナオヤ)

本当に何ともないよ

律(リツ)

ぅ、わっ!?

ードサッー

肩に置いていた手を取られ

少し乱暴にベッドへと押し倒された

いきなり手を引かれて驚いたけれど

巧みな技だと呆れ返る

律(リツ)

ふぅっ

律(リツ)

昨日、散々シたじゃないですか

直哉(ナオヤ)

違うっつーの

直哉(ナオヤ)

食う為に引き込んだんじゃ無いの

直哉はククッと笑うと、僕を腕の中へと閉じ込めた

恋人の様な甘い時間

こんなもの、僕にはいらない

律(リツ)

じゃあ何の為ですか?

律(リツ)

ふざけてないで、ご飯食べて下さい

直哉(ナオヤ)

あ"〜、しんどくなってきたなぁ〜

律(リツ)

...はぁっ

直哉(ナオヤ)

あからさまに溜め息吐くなよ〜w

直哉は腕を緩めて解放してくれた

僕はゆっくりと立ち上がる

不思議だな...

何か顔色が良くなっている様に見える

ただの低血圧だったのか、それとも寝起きが最悪すぎたのか

まぁ、直哉が元気そうならそれで良い

律(リツ)

立てます?

律(リツ)

手、貸しましょうか?

直哉(ナオヤ)

さんきゅ

直哉(ナオヤ)

でも大丈夫

直哉(ナオヤ)

昼飯、何?

律(リツ)

直哉が食べなかった朝ご飯ですよ

差し出した手には温もりを与えられず

答える言葉に棘が付いてしまった

僕は少し色付いた顔を隠す為に

さっと台所へ向かった

あの後交わした決まり事

_以外と体の関係を持たない事

お互いに求められたら応じる事

奏多や俊介には付き合っているフリをする事

けれど絶対に

相手を好きにならない事

これが_と__の契約だ

NEXT 後編

【BL】(だから、)あと数センチ

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