テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

私の個人的事情により実家を出て亡き祖母の家に住む私の元に一通の手紙が届いたのが始まりだった。 それは… 亡き祖母の友達の孫、藤宮 善。 彼が私の同居人としてやって来たから大変。 学校で有名なイケメン男子の藤宮 善、彼は私の思った奴とは違ってた。 そんな彼からある提案をされてビックリ。 これからどうなるのか…

◇秘密厳守につき互いを守るべし◇

支倉 亜湖

おはよう

藤宮 善

……ん

支倉 亜湖

おはよう

藤宮 善

あ~…

朝の挨拶大事でしょ!

支倉 亜湖

学校、時間差で行く?

藤宮 善

俺が先に出る

支倉 亜湖

わかった、学校行ったらみんな気づくかなぁ
ドキドキしない?

藤宮 善

するか。誰もしらないのに…

藤宮 善

クラスも違うから安心しろ

支倉 亜湖

そうでした

嘘でもさぁ気になるじゃない。だってもう状況が変わったんだから、ドキドキくらいするよ。

西成学園

2年

この日、私はあまりに緊張していた。 藤宮 善の彼女だと自分だけが知っている事が挙動不審を招く。 始めに私の様子に気づいたのは友達の七海。

七海

亜湖ー おーはよ!

支倉 亜湖

おはよ、声大きいよ七海…

七海

いつもだし。ねぇねぇもうすぐ来るよ、藤宮 善様が。

藤宮 善様が、ねぇ…

七海

絶対女子がくっついてるからすぐわかるよ、イケメンは大変すぎ

支倉 亜湖

そうだね

七海

前から思ってたけど、亜湖ってさぁ藤宮君タイプじゃないの?
みーんな、キャー!藤宮君、好きー……ってなってるのに

支倉 亜湖

私もそうなれと?やだ

七海

あ、そう

七海

じゃ誰がいいわけ?

支倉 亜湖

誰って…
私別に藤宮 善が好きとか嫌いとかじゃないだけだよ。
でもイケメンでパーフェクトだとは思う、でも、人間中身よ

七海

亜湖が言うとちょっと…

七海

なんか違う

支倉 亜湖

ちょっと!七海っ

廊下から女子の黄色い声、ざわつきが耳に入る。 いつもの変わらない光景に、私だけが違っていた。 クラス前の廊下を通る善。 目で追うが善は私をチラリとも見なかった。

佐々井 臣(先生)

はい、みんなおはよう

クラスの声

おはようございまーす

実はもう一人、女子に人気のイケメン先生がいるんです。 佐々井 臣先生。 校内には絶対一人や二人、人気の高い先生がいたりする。 臣先生はあの藤宮 善と同じくらい女子の視線を集めている。

先生もカッコいいんだよね~

クラスの声

ねぇなんで先生が?

クラスの声

橋川先生は?あ、まさか辞めちゃった?

クラスの声

そんなわけないじゃん、妊娠してるだけだし~

橋川先生は結婚して赤ちゃんを授かって今4ヶ月、安定期前で悪阻がひどいとの事。 代わりに臣先生がしばらく担任の代わりをしてくれるらしい。

クラスの声

臣先生、今日はさぁ読書でいいよ

クラスの声

図書室で本もいいよね

佐々井 臣(先生)

好きに言ってくれるよな~ ま、今日のこの時間を使ってみんなに賢くなってもらおうか

クラスの声

えー!!

みんなは勉強時間より、勉強とは建前の本で誤魔化し、こっそり寝たりスマホ触ったりしたいだけだ。

臣先生はただ本を読ませる訳じゃない、当然のように課題付き。

佐々井 臣(先生)

一時間しっかり読書、それにレポートしろ、自分に関係した事、他には歴史、何でもいい。いいな?

クラスの声

うわぁ最悪…

クラスの声

嫌すぎるんだけど

クラスの声

先生普通にひどい

佐々井 臣(先生)

はいはい、文句はいつでも聞いてやる、ほら移動!

図書室

扉を開けた一番先に感じる空気がひんやりとし、本の独特の香りが鼻を擽る。

七海

ねぇ亜湖、亜湖

支倉 亜湖

何?

七海

何じゃないよ、どうする?

支倉 亜湖

ん~……

七海

あ、ラインだ

もう、七海… やる気ないね、私もだけど。

図書室窓の側に立つと見える校舎。 クラスの違う善がいる教室も見えている。

善、何してるかな… 勉強に決まってるけど、、 ん?

スカートのポケットの中にあるスマホが振動。 七海やクラスのみんなに気づかれないよう本棚の奥に隠れるように行く。

支倉 亜湖

あ、善…

藤宮 善

『漢字、読めないだろ』

支倉 亜湖

え?漢字…

まさか、教室から私が見えた?

支倉 亜湖

『読めますけど』と、送信… うわ、返事早っ

藤宮 善

『寝るなよ』

支倉 亜湖

『寝ません!』失礼なっ

藤宮 善

『今の、橋川先生じゃない?』

支倉 亜湖

『橋川先生はお休みだよ、しばらくは臣先生がつくみたいね』

藤宮 善

……『へぇ、よろしくやれ』

ん!?

支倉 亜湖

『よろしくやれって何を!』

藤宮 善

『あんな事やそんな事、こんな事?』

藤宮 善

『手が早いからな、お前でも摘み食いされるんじゃね?』

……は?

何を言ってんの?

摘み食いって、なんか……

支倉 亜湖

『私はおやつじゃありません!』

藤宮 善

ふ…バカだ、本気にしやがった

支倉 亜湖

『ちゃんと勉強しなさいよ!』

藤宮 善

『うるせーよ、俺は賢いの、お前と違うから』

な、なんだとー!!

と、怒りの文句を善に送るため打ち込んでいた時だった。

佐々井 臣(先生)

支倉?
そんな奥で何してるんだ?

うわ!?

臣先生!!

支倉 亜湖

あ、すみません!本どれにしようかなぁとか見てるうちに迷い込みまして~
あはは~

佐々井 臣(先生)

嘘が下手だな

支倉 亜湖

……すみません。

佐々井 臣(先生)

ところで… こんな奥で誰にメッセージ送ってたんだ?

あー、バレバレじゃん

支倉 亜湖

あ~ それはその… 誰だったかなぁ? わかんないかもです…

佐々井 臣(先生)

嘘が下手ってある意味素直って事だけど、
隠されると気になる質でね…
っと!

支倉 亜湖

あっ!!や、ちょっと先生~ やだ返してよ~

佐々井 臣(先生)

しー…、静かに

支倉 亜湖

っ…

臣先生は私の手にあったスマホを簡単に奪い取った。貸しなさいと言われても貸すはずないと知っている先生だからまるで何かの技のように私の手からスマホを取り上げた。

支倉 亜湖

先生…

佐々井 臣(先生)

……ふーん、藤宮 善か。意外だな、支倉とどんな関係だ?

支倉 亜湖

私はっ、別に… ただの同級生だし…ちょっとした知り合いなだけです

佐々井 臣(先生)

へぇそう

藤宮 善

『見えてるぞ』

佐々井 臣(先生)

これはこれは

支倉 亜湖

藤宮 善

『その女に関わるな』

佐々井 臣(先生)

なぜかな?

支倉 亜湖

え?先生ひとり言?

藤宮 善

『離れろ』

佐々井 臣(先生)

ほー、生意気だな

支倉 亜湖

先生、返して

佐々井 臣(先生)

支倉、見てみろ

支倉 亜湖

え?何かあるん… っ!?

棚の奥、それは人を欺ける死角。でも校舎が見える場合に限り死角とは言いがたい、なぜなら校舎からもこちらが見えるからだ。 かといって今は授業中のため、視線は黒板に。

先生っ…

佐々井 臣(先生)

ほら、見てみろ

私は今、臣先生に背後から腕を首に回されている。 あまりに驚くが目の前には臣先生が持つ私のスマホ。 その画面には…

藤宮 善

『触るなっ!』

善!?

先生に言ってるの?

佐々井 臣(先生)

彼、怒ってるね。もしかして付き合ってる?

支倉 亜湖

い、いえ!まさか、ないない…

って否定しちゃった… 嘘カノなのに、どうしよう

佐々井 臣(先生)

藤宮 善と支倉 亜湖ね…
要注意だな

臣先生はそう言って私を離してスマホも返してくれた。 そして微笑んで言った。

佐々井 臣(先生)

本気になるなよ、アイツは女嫌いだから

支倉 亜湖

え…

臣先生がなぜあんな事言ったのかはわからない。 でも、私はスマホを握りしめ窓から見える校舎を見ていた。

この作品はいかがでしたか?

20

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚