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mtk

……それで、今はryokと同居、してないんだ

wki

うん……

wki

いきなり、呼んで…ごめん、

mtk

大丈夫、気にしないで。

wki

…ごめん……

ryokが出ていった後

混沌の日々を過ごしていた。

一日をどうやって過ごしたか

思い出そうとしても、何一つ思い出せなかった

ただ、目眩がして倒れた時

縋るような思いで、mtkに電話したのは覚えていた

「あの時に返した言葉がいけなかったのかな」

「あの時にした行動で、傷つけさせたかな」

どんなに考えたって、真相は分からないのに。

wki

……

自分の情けなさに、天を仰いだ。

       

好きな人の悩みを、一緒に解決したい

でもその悩みが分からなければ、 どうすればいいのか分からない

所詮、カップルってそういうものなのかな。

無力感に、呑まれそうになる。

wki

……

wki

俺は何も助けられない、

wki

無能、だな…

『助けて欲しい』

きっと、そう気づいて欲しかったんだ

でも、俺は……

mtk

……

mtk

無能じゃないよ、

mtk

相手のこと考えてるから、絶対違うよ。

mtk

それだけでも、wkiは頑張ってるよ…?

wki

……

mtk

っ……

mtk

っ……

色んな言葉をかけてみた

だけど、どれも目の前にいる彼に届いてないと分かった

泣く顔を逸らす彼を見て、

「僕の言葉は、救いにならない」

そう、気づいたんだ。

    ─────  

苦しんでる人を助けるために

僕なりの言葉で、届くように曲を送る。

       

やっぱ無理だ、

伝わって欲しい人に、届かない。

そう気づいた僕は、

虚しく、なるんだ。

    ─────    

wki

mtk…?

mtk

……ん、

wki

どう、したの…?

mtk

別に

ぶっきらぼうに答える

だって、また「虚しくなった」って言ったら

相手のことを気にしないで甘える、 エゴイズムになるじゃん。

どうせ、いつもの事。

だから、救いを求めない。

wki

戸惑いの目をしながらも、手を握ってくれたwki。

         

手を握った意味は、なんだろう。

安心させるため、

孤独じゃないことを表すため、

どれが本当なのか分からないけど

きっと「好きだから」の理由は、無いんだろうな。

       

wki

…もう、夜の8時なんだね

時計の針の音と、2人の呼吸音が響いた部屋に、wkiが呟く。

さすがに、帰らないと。

このままじゃ、wkiを奪ってしまいそうで

ryokを、落ち込ませちゃう

mtk

…具合、どう?

wki

ん…

wki

もう、大丈夫。

wki

…付き添ってくれて、ありがとう。

mtk

そっか、

mtk

そろそろ…帰るね。

wki

うん、またね。

mtk

……うん、

       

扉を閉める。

引き止めて、欲しかった。

『待って』

『もう少しだけ、いてくれる…?』

求めただけ、損。

mtk

…あーあ、

自分の哀れな期待に、呆れる。

そんな僕を嘲笑するかのように、月明かりが僕を照らした。

彼らは、暗闇の中で──

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