生け贄になった少女は光を見つける

当日...

前日、ゼラはレイ達の行く先を聞いて、微妙な顔をした。

ニコやジャイボでもわかるくらいの凄い微妙な顔。

レイは前回と同じように白い帽子に白いワンピースを身につけていた。

レイ達はカネダに案内されるがまま、爬虫類と虫の標本が飾られている博物館を目指す。

カネダの背中を眺めるレイ。

自分のことは云えないが、彼は少し変わっているかもしれない。けど

ここまでする必要はあるのか。とレイはその浜里に心の中で舌を出した。

レイ達は入り口の近くにいる警備員さんに軽くお辞儀をして中に入る。

ガラスケースの中には様々な爬虫類などの標本がずらりと並んでいた。

二階にいくと、お目当てのトカゲの標本が写真付きで沢山展示されていた。

教会と思われる場所の近くにくると、人だかりができていた。

ザワザワ....

ダフは目を輝かせて、熱く語る。タミヤやカネダでさえも、こんなダフは初めてみた。

突然、レイの背後から男の人の声がした。レイはその声に反応し

振り向いたと同時に、レイの両頬に力のこもった手が添えられた。

いや

添えられたなんて優しいものじゃないかもしれない。

状況を理解するのに時間がかからなかった。

レイは今、見ず知らずの男性に眼球を舐められた。

思考が停止して、体が動かない。

タミヤがその男性からレイを引き剥がし、ニコがレイを抱き抱え、距離を離した。

男とレイの間に、タミヤとニコ。レイの回りにカネダとダフ。

タミヤは男よりも身長が高いため、胸ぐらをつかんだだけで、男は持ち上がった。

ダフが男を引きずるタミヤを呼び止める。

レイは気分が悪くなってその場にしゃがみ込む。

画家はしゃがみ込んだレイを見て、近づこうとする。

もちろん、タミヤとニコが近づけさせない。

タミヤとニコは画家を強く押すと、画家はバランスを崩して尻もちをついた。

カネダとダフはレイを支えながら、タミヤとニコは画家を睨み付けて皆でその場から立ち去る。

画家はゆっくり起き上がり、いなくなった彼らの背中を....

否。

レイの背中をみて、不気味なくらい長い舌で下唇を舐めるのだった.....。

Next episode....